浅利演出事務所、トロイ戦争後のギリシャを舞台にした4人の男女の宿命的な恋愛悲劇『アンドロマック』を上演
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『アンドロマック』
浅利演出事務所が、2022年10月22日(土)~10月29日(土)自由劇場にて『アンドロマック』を上演することを発表した。
本作は、フランスの劇作家、ジャン・ラシーヌ作、トロイ戦争後のギリシャを舞台にした4人の男女の宿命的な恋愛悲劇。初演は1667年で、350年以上も前に書かれた作品とは思えないほど、登場人物の生き生きとした描写、心理の駆け引きなど、いつの世にも通じる「現代性」を含んでいる。
王妃アンドロマックをピリュスが熱愛し、そのピリュスを王女エルミオーヌが熱愛し、エルミオーヌをオレストが熱愛する……。それぞれが愛する人が振り向いてくれないことに苦しみながらも、もしかしたら相手が自分を愛するようになってくれるのではないかと期待を捨てきれない。そんな登場人物たちに共感したり、予想外の展開に驚いたりと、古典劇であることをつい忘れてしまいそうな強烈な人間ドラマだ。
アンドロマック役の野村玲子
出演者はギリシャ軍によって滅ぼされたトロイの総大将エクトールの妃・アンドロマックを野村玲子。伝説の英雄アキレスの息子でエピールの王・ピリュスを阪本 篤。トロイ戦争の発端となった絶世の美女として名高いエレーヌの娘で、母親譲りの美貌ゆえに、気位の高いスパルタ王女・エルミオーヌを坂本里咲。今は亡きギリシャの総大将アガメムノンの息子で、ギリシャの勇士で、エルミオーヌを熱愛しているオレストを近藤真行が演じる。
上演にあたり(浅利演出事務所)
昨今、社会環境はデジタル化が加速し、私たちは日常生活でもスピードやスペクタクルな刺激を求めるようになりました。さらにコロナ禍で、オンライン上の娯楽が台頭し、SNS でのコミュニケーションが主流となりつつあります。そんな時代だからこそ、浅利演出事務所はあえて人間の交流の原点である「言葉」に拘り、「言葉の芸術」である“芝居”の魅力を極上のエンターテイメントとしてお届けしたいと考えました。
今回上演いたします『アンドロマック』は、朗誦術によって展開する格調高く優雅な言葉のドラマです。強烈な個性を持った男女4人の相容れぬ情念のすさまじい対立が、精緻を極めた言葉のみで、ドラマを想像を絶するクライマックスへ運んでいきます。
古典劇ならではの壮大なスケールで描かれる片思いの連鎖がもたらす愛の条理。どうぞご期待ください。
公演情報
会場:自由劇場
訳:宮島春彦
演出:浅利 慶太
四季の会 9月4日(日)