風間杜夫、濱田めぐみ、新納慎也ほか全出演者が解禁 トニー賞10冠の傑作ミュージカル『バンズ・ヴィジット』
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ミュージカル『バンズ・ヴィジット』
2023年2月に日生劇場で上演される、ミュージカル『バンズ・ヴィジット』。風間杜夫、濱田めぐみに続き全出演者が解禁となった。
2018年米国トニー賞で、ノミネートされた11部門のうち『アナと雪の女王』などを抑え、作品賞を含む10部門を独占した『バンズ・ヴィジット』。 2007年のイスラエル映画「迷子の警察音楽隊」が原作で、コンサート出演のためにイスラエルに来たエジプトの警察音楽隊が空港から間違った行き先へのバスに乗ってしまい、小さな街に迷い込む。そこで繰り広げられる音楽隊メンバーたちと村人たちとの心の交流を描いたミュージカルだ。
ホリプロが出資に参加しており、トニー賞授賞式ではホリプロ代表取締役会長兼社長堀義貴(当時)もステージに上がった。
2018年トニー賞授賞式にて 主演のカトレーナ・レンクと堀義貴
トニー賞で10部門を独占したのは2006年の『ビリー・エリオット』以来の快挙だが、本作は大規模で派手な趣向のある作品でない。だが、イスラエルに演奏旅行に来たエジプトの音楽隊が道に迷い、地元のイスラエル人と一晩交流をするというシンプルな物語の中に流れる、抒情的な空気と独創的な音楽は、得も言われぬ魅力を放っている。
警察音楽隊の楽隊長・トゥフィークには、昨年第四十六回菊田一夫演劇賞大賞を受賞し益々芝居に熱量と味わいが増す、風間杜夫。楽隊が訪れる街で食堂を営む女主人・ディナには、数々のミュージカルで観客を唸らせ魅了してきた、濱田めぐみを迎える。
トランペット奏者・カーレド役には、三谷幸喜作品へも多数出演し、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」阿野全成役での好演が光る新納慎也。演出の森新太郎とは舞台『BENT』、ミュージカル『パレード』以来3度目。イツィク役には、 ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』でのボブ・ゴーディオ役や、舞台『鬼滅の刃』煉獄杏寿郎役など話題作への出演が続く矢崎広。サミー役にはミュージカル『ウェイトレス』アール役や、ミュージカル『next to normal』ダン役で新たな一面を見せ続ける渡辺大輔。
クラリネット奏者・シモン役には、長年ドラマ映画舞台で活躍し、自身もクラリネット演奏を得意とする中平良夫。電話男役には、2020年M-1グランプリで決勝進出し広くバラエティで活躍する、こがけんが、歌ネタで知られる歌唱力とキャラクターを活かし本作でも印象を残す。そしてアヴラム役には、 数多くの作品で中枢を担ってきたミュージカル界の屋台骨、岸祐二。
さらに、ミュージカル『HOPE』や舞台『パラダイス』など注目作への出演が続く永田崇人、ミュージカル『ヘアスプレー』での“モーターマウス”メイベル役に期待が集まるエリアンナ、体脂肪率3%の脅威の肉体でミュージカル『女の友情と筋肉 the musical』に挑む青柳塁斗、巨体を生かした個性的な役柄が光る辰巳智秋、こまつ座を始めとする重厚な作品に多く出演する山崎薫、ミュージカル界には欠かせない存在感を放つ高田実那、自身もサックス演奏を得意とする友部柚里ら、実力派の俳優陣が並ぶ。
また、警察音楽隊が舞台上で生演奏を繰り広げるのも最大の魅力となる本作だが、それを可能にするのは、錚々たるミュージシャンのメンバー。カマール役には、民族音楽やジャズ、即興演奏を得意とするヴァイオリニストの太田惠資、サックス・クラリネット奏者としてフリージャズを中心に幅広い分野の第一線で活躍する梅津和時、クラシックに留まらずロックからアラブ音楽まで網羅するチェロ奏者の星衛、中東音楽に不可欠なウードの演奏家で日本のみならず東アジア地域におけるパイオニアでもある常味裕司、アラブ音楽をはじめシルクロードにまつわる様々なハンド・パーカッションを操る立岩潤三が、警察音楽隊の一員として出演する。
1段目左から:風間杜夫、濱田めぐみ/2段目:新納慎也、矢崎広、渡辺大輔/3段目:永田崇人、エリアンナ、青柳塁斗/4段目:中平良夫、こがけん、岸祐二/5段目:辰巳智秋、山崎薫、高田実那、友部柚里/6段目:太田惠資、梅津和時、星衛、常味裕司、立岩潤三
演出には、第21回読売演劇大賞・最優秀演出家賞、第47回菊田一夫演劇賞を受賞した森新太郎。古典から現代劇、近年では『パレード』や『ピーター・パン』とミュージカルの演出も務めている。先日発表された、第30回読売演劇大賞の2022年上半期に於いては、舞台『冬のライオン』『奇跡の人』で演出家賞にノミネートされている。
本作の東京公演は2023年2月、日生劇場にて上演。その後大阪、愛知公演あり。
エジプトのアレクサンドリア警察音楽隊が、イスラエルの空港に到着した。彼らはペタハ・ティクヴァのアラブ文化センターで演奏するようにと招かれたのだった。しかし手違いからか、いくら待っても迎えが来ない。誇り高い楽隊長のトゥフィーク(風間杜夫)は自力で目的地に行こうとするが、若い楽隊員のカーレド(新納慎也)が聞き間違えたのか案内係が聞き間違えたのか、彼らの乗ったバスは、目的地と一字違いのベイト・ハティクヴァという辺境の街に到着してしまう。
一行は街の食堂を訪れるが、もうその日はバスがないという。演奏会は翌日の夕方。食堂の女主人ディナ(濱田めぐみ)は、どこよりも退屈なこの街にはホテルもないので、自分の家と常連客イツィク(矢崎広)の家、従業員パピ(永田崇人)と店に分散して泊まるよう勧める。
トゥフィークとカーレドはディナの家に案内される。部屋でくつろいだ後、トゥフィークはディナの誘いで街をみて廻ることにする。レストランに入った二人は、音楽について語り合い、少しずつ打ち解けるが、ディナと関係を持つサミー(渡辺大輔)と彼の妻(友部柚里)が現れると、ぎこちない空気になる。
トゥフィークの筆頭部下のシモン(中平良夫)とカマール(太田惠資)は、イツィクの家に招かれる。義父のアヴラム(岸祐二)は共に食卓を囲んでもてなすが、イツィクの妻イリス(エリアンナ)は、誕生日に見知らぬ人たちを連れてきた夫に不満が募る。おとなしい楽隊員を前に話は弾まないが、話題が音楽のことに向くと、ようやく場がなごんで来る。
カーレドは外に出ると、店の前で待ち合わせをしているパピに出くわす。パピは、友人ツェルゲル(青柳塁斗)とその彼女アナ(高田実那)に紹介されて、ジュリア(山崎薫)と四人でデートをするのだ。カーレドは嫌がるパピに頼み込んで、一緒に街に連れ出してもらう。警備員(辰巳智秋)にすごまれながらも、スケート場で遊びはじめる五人だが、 女性に慣れていないパピは、ジュリアを泣かせてしまう。カーレドはパピの指南役となり、手取り足取り彼女を慰めさせる。
公衆電話の前では、彼女からの連絡をひたすら待ち続ける電話男(こがけん)が立っている。店の外では、 楽隊員たち(梅津和時、星衛、常味裕司、立岩潤三)が、 思い思いに音楽を奏でている。言葉も文化も異なる隣国の人間達が交わる一夜が、更けていく。
迷子になった警察音楽隊は、果たして演奏会に間に合うのだろうか?
カーレド役:新納慎也 コメント
2018年にブロードウェイでこの作品を観ました。今まで観てきたミュージカルとは全く違う大人のミュージカルな印象で、華やかさや派手さこそ無いものの、心に優しく暖かい陽がさす様な感覚でした。聴き馴染みの少ない中東の音楽がとても心地よく、静かに口ずさむ様な物語に心が洗われたのを覚えています。
英語圏独特の面白さもあったので、日本での上演は難しいと思っていましたが、森新太郎さんの演出できっと素晴らしく美しい舞台になると信じています!
異質なものを異質とせず受け入れる姿は、今の世界が目指す人間本来の姿だと思います。世界的に大変な状況の今こそ、劇場で味わって欲しい作品です!
最後に、2018年の観劇後に「もし僕が演じさせてもらえるのなら…」とプロデューサーに立候補した役は、まさにトランペットの“Haled(カーレド)” 役なんですっ!
この事を覚えていてくださったのかは分かりませんが、願ったり叶ったりのこの役、 心を込めて演じさせて頂きます!
公演情報
日程:2023年2月
会場:日生劇場
主催:ホリプロ/TOKYO FM
企画制作:ホリプロ
※ほか大阪、 愛知公演あり
風間杜夫:トゥフィーク(指揮者)
濱田めぐみ:ディナ
矢崎 広:イツィク
渡辺大輔:サミー
エリアンナ:イリス
青柳塁斗:ツェルゲル
こがけん:電話男
岸 祐二:アヴラム
山崎 薫:ジュリア
高田実那:アナ
友部柚里:サミーの妻
太田惠資:カマール(バイオリン)
梅津和時:警察音楽隊(マルチリード)
星 衛:警察音楽隊(チェロ)
常味裕司:警察音楽隊(ウード)
立岩潤三:警察音楽隊(ダルブッカ)
原作:エラン・コリリンによる映画脚本
音楽・作詞:デヴィッド・ヤズベック
台本:イタマール・モーゼス
演出:森 新太郎
公式Twitter= https://twitter.com/bvjp_tweet #バンズヴィジット