ナナヲアカリ 新曲とライブとファン、人生と音楽と恋と夢を語る
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ナナヲアカリ 撮影=大橋祐希
ナナヲアカリは不思議な人。カワイイ人。そしてかっこいい人。10代のSNSネイティブ世代に圧倒的な共感を呼びつつ、マニアな音楽ファンを瞠目させるマジカルポップスを生み続けるスーパーな人。およそ1年ぶりのニューシングルは、アニメと映画のタイアップに支えられた「恋愛脳/陽傘」で、どちらもリアルな片想い恋愛ソングでありながら、ぶち上り系ライブチューンとしっとりバラードの二面性を見せつける強力カップリングだ。新曲とライブとファンと、人生と音楽と恋と夢について、彼女は今何を考えているのだろう? ナナヲの本音を聞いてみよう。
――7月7日の「770(ナナヲ)の日」に初めてライブ(『ナナヲアカリ Presents ライブ&パーティー第十一話‐770の日‐』)を観せてもらいました。楽しかったです。
ありがとうございます。ゲストがたくさん来てくれたから、いつもより楽しかったかもしれない。
――ゲスト、みんな良かったですね。玉屋2060%(Wienners)さん、000(おれそ)ちゃん、澤田 空海理さん、TAKU INOUEさん。みんな2、3曲でどんどん入れ替わっていくという。
すごい贅沢使いをしてしまいました。ありがたいです。
――しかもバンドサウンドとDJセットの両面を見せてくれて。それってナナヲさんのすごい武器だなって思いましたね。あと思ったのが、ナナヲさんとファンとの関係性というか。ゲストの誰かが客席を見て、「統率感すごいね」って言った時に…。
あ、玉屋さんですね。
――そこでナナヲさん、「みんな! ほめられたよ!」って言ったんですよ。客席に向かって。その言葉がすごく印象的で、それってもう身内じゃないですか。
そう、身内の気持ちなんです。私、SNSずぶずぶ系アーティストなんで、リプとかもだいたい一致しちゃってるんですね。めっちゃ来てくれる子とか、毎回教えてくれるんですよ。「今日はカトリーヌ(香取真人/Gt)側の3列目にいました」とか言ってくれるから、「じゃあこのアカウントはあの子だな」みたいな。わかっちゃうから、身内感が強いんです。
――その関係性が、ほかのアーティストとはちょっと違うなあと思ったんですね。ナナヲさんにとって、ファンってどういう存在ですか。
えー、でも、本当に身内というか、ほっこりさせてもらってるというか。支えなのはもちろんですけど、「楽しませなきゃ」とか、そういうことはあとからついてきた感覚で。最初はこっちが「ほっこりさせてもらう人たち」っていう。
――あはは。なるほど。
だから逆に、自分にとって必要すぎる存在だから、裏切れないし、裏切りたくないなという感覚が、あとから付随している感じですかね。そんな子たちです。
――アイドルを応援する感じとも、アーティストをあがめる感じとも違って、独特で、いい雰囲気だなあと。
確かに。独特な感じは自負してます(笑)。
――それってデビュー当時とかと比べると、変わってきてるのかしら。
でも、最初に比べると、さっきの“統率感”というものが年々上がってきてて。今も若いですけど、最初はもっと年齢層が低くて、「あかりん好きになって6年目です」みたいな子が、やっと大学生になりましたとかだから。それこそシモキタ(下北沢)のライブハウスで、30人か40人の前でライブしてた時は、「えっ、こんなとこに来て大丈夫?」って思うぐらい若い子がだったんで。「初ライブがあかりんです」とか、ノリ方もわかんないし、謎の手拍子をしてくれたりとか。そういう子たちが今や、ノリノリのプロみたいになってるんで(笑)。ノリ方で成長を感じます。
自由に“好き”なり“卒業”なり、していいものだと思ってる。義務にしてほしくもなければ、成長過程と共に聴く音楽が変わっていくものだと思うから。
――ナナヲさんの存在と、それを求めるみんなの存在と、その関係性と。そんなことも考えるライブでした。あと、「こうやってみんなが集まってくれることがいまだに信じられない」って言ってたじゃないですか。
はい。
――すごく素直な言葉だなと思ったんですけど、あれって本音ですか。
本音です。毎回思うんです。自分がナナヲアカリになる前、大阪でバンドしてた頃には、お客さんがほぼゼロに近い経験も全然あるので。こんなに人が集まるのって不思議だなって毎回思います。すごいありがたいなって心底思います。同時に、いついなくなってもおかしくないものだとも思ってるので。
――ああー。それも思いますか。
そうです。自由に“好き”なり“卒業”なり、していいものだと思ってるので。自分だってそうだし、別に義務にしてほしくもなければ、成長過程と共に聴く音楽が変わっていくものだと思うから、そこでサイクルしていくのかな? ということも、常に思ってるんで。それこそ、「あかりん好きになって6年目です」みたいな子には、「あんたすごいよ!」ってなるし。自分事じゃないみたいな、不思議な気持ちです。
――そういう関係が楽だというのもありますかね。過剰に思い入れされてもちょっと無理、みたいな。
過剰に思い入れしてもらうのも、めっちゃうれしいんですけど。それだと、その子にとって枷(かせ)になっちゃったら嫌じゃないですか。自分がそういうことが嫌いだから、ファンの子たち、自分が好きな人たちに、枷をつけたくないなというか、それは常々思ってます。
――優しいですね。すごくいい言葉。
メンタルが安定してないと、好きなことはできないじゃないですか。だったら無理に聴かなくていいし、また元気になったら聴いてくれればいいし。みたいな感じです。
――昔のインタビューとか読ませてもらうと、悩んでる時に音楽に救われました、みたいな話もされてますよね。今のナナヲさんのファンも、それだけじゃないと思うけど、そういう時期に必要なものとしてナナヲさんの音楽を聴いてる人もいるだろうし。ナナヲさんとファンは同じところにいるのかなと思います。
うん。そういう立ち位置はわかる気がするので。自分もそうだったから。
――ナナヲ学校みたいなものかもしれないですね。3年ぐらい義務教育で、中には6年通う人もいる(笑)。でも今話してて腑に落ちた気がします。ナナヲさんのライブの自由な感じって、誰にも強制しないその感じが、風通しがよくて気持ちいのかもしれない。
強制は得意じゃないです。
本体とナナヲアカリという存在がいい意味で切り離されて存在しているので。ナナヲアカリであるうちは若い層が「あー、助かる」と思う曲を歌っていたいと思います。
――長々話しちゃいました。新曲の話に行きましょう。「恋愛脳」は、「770の日」のライブで初披露したんですよね。
そうです。その前に大阪のラジオで、フルで1回かけたんですけど。生では初披露です。
――どうでした? ライブ初披露の手ごたえは。
すごくキャッチーな曲なので、どこでやっても大丈夫な曲なんだろうなって、肌感で感じました。
――確かに、この曲の覚えやすさは異常ですね(笑)。1回でサビを覚えちゃう。
ド頭からつかみもあるし。セクションがたくさんあるから長く感じるんですけど、短いから、何度でも聴ける。
――これって、そもそもタイアップもの(TVアニメ『Engage Kiss』7月クール エンディングテーマ)として、依頼を受けて書いた曲ですか。
ナユタン星人(ナユタセイジ)さんの曲で。もともと歌詞が違う状態で、ストックであった曲です。それがすごいラブコメっぽいサウンドとメロだったんで、じゃあ歌詞を変えてアニメ寄りにして出そうという感じでした。ここぞという時に出したいねと思って、持ってた曲なんですけど、“ここぞ”が来たんじゃないか? ということで。
――そのあとにナナヲさんのポエトリーも、歌詞に付け加えて?
そうです。
――最初にこの曲を聴いた時の印象って覚えてます?
最初はたぶんワンコーラスしかなかったんですよね。結果的にミュージックビデオもそうなったんですけど、最初からレトロアニメというか、平成初期のアニメのイメージが浮かんでました。初めてなのに懐かしい感じがする曲だなと思ったんで。でもナユタさんには意外に珍しいノリなんですよ。「Higher’s High」(TVアニメ『戦翼のシグルドリーヴァ』オープニングテーマ/2020年)とはまた違った、ナユタン星人なんだけど新しいなというものを感じました。
――なるほど。挑戦してみた。
私にとっても、挑戦の時だったので。と思ったら、フルを作った時に、ポエトリーパートのところに、フューチャーベースサウンドが突然入って来て。「ナユタンさん、こんなのもできるんですか!」って、驚きました。ちょうどその時期、フューチャーベースとか、ラップとかを聴いてたんで、ポエトリーもノリにノッて書けました。
――あいまい、ふわふわ、不安定。歌詞に、ファジーな感情表現がいっぱい出てくるのが印象的です。
アニメのキャラクターの、主人公の女の子に当てはめて聴いたら、本当にそう聴こえるんですけど。今片想いしてて「うわー」ってなってる子にも、すごい当てはまる曲だと思うので。アニメだけの曲にはなってないなと思います。
――《不安定でいたい》って、なかなかのキラーフレーズじゃないですか。片想いの恋愛ソングにおいて。普通は安定したいのに。
そうですね(笑)。《アイなんて歪んでていいさ》とかもすごい好きです。
――そこもいいですね。それって自分の恋愛観ともクロスするところがある?
すごいわかりますね。ちょっと揺らいでる、振り回される時が一番というか。「うわー、しっちゃかめっちゃか!」みたいなのが、意外と楽しかったりするんで。
――かもしれない。女子ならもっとわかる気がする。男はどう聴くのかな。
でもそれこそ、今日、大阪の友達(♂)から突然ラインが来て、「恋愛脳ヤバイ」って。「ナニヤバ?」って聞いたら、「むちゃくちゃわかるわ」って、すごいわかるらしくて。「空回ってるわー」って言うから、男の子がこんな共感してくれるんだーって。
――じゃあオールラウンド行けますね。年齢性別を問わない。
片想いに悩む人たちは、問わないかもしれない。
――片想いを応援する曲。いいですね。不安定、空回り上等だぞと。
じたばたするがよい(笑)。
――あの日のライブ初披露では、ミュージックビデオも同時に流していて。「過去イチ好きな作品」と言ってましたけど。確かにめっちゃカワイイ。
レトロアニメのURLをいっぱい送って、「こういう感じの」ってめっちゃ言いました。忠実に反映してくれました。
――MVは作画・寺田てら、アニメーション制作・森ノ爺、撮影・野良いぬ。一丸となって楽しく作ってる感じがします。
安定のメンバーですね。
――そういう、映像のスタッフもライブのスタッフも、楽曲制作のスタッフも全部含めて。自分がナナヲチームのリーダーっていう感じですか。
いえ、全然。一員です。リーダー不在です。
――あ、そういう意識なんですね。
「どうしたい?」という時に方向性を決めるのは、ナナヲなんだけど。わかんないことは全部聞くし、「どうしたらいいと思う?」って全然言うし。音にしろ映像にしろ。
――ふむふむ。じゃあナナヲチームを動かす原動力って何なんでしょう。
原動力は……でも、リーダーではないんですけど、ナナヲが「これしたいあれしたい」とは言います。そしたらみんなが「はーい」って。「しゃーないなー」みたいな感じで、そういう感じだと思います。
――それをリーダーシップと言うんじゃないですか(笑)。
違うと思います(笑)。
――でも、そうなのか、そうやって作られていくんですね。面白い。そしてナナヲチームが届ける相手は、やっぱり若い子たち、10代ですかね。対象年齢は。
そうですね。若い層向けではあると思います。
――それって、これから自分の実年齢と、対象年齢とが離れていっても、いつまでも歌っていたい感じですか。
それは、けっこういろんなところで言ってるんですけど、ナナヲの「ああしたいこうしたい」を全部含めて、演じるのがナナヲアカリという存在だと思っていて。なので、演じたい気持ちが続く限りは、何でも歌えるんじゃないかなと思ってます。
――ああー、はい。なるほど。
そこはたぶん、本体と、ナナヲアカリという存在が、いい意味で切り離されて存在しているので。自分の中では。だから、ナナヲアカリであるうちはずっと、若い層が「あー、助かる」と思う曲を歌っていたいなと思います。
――素敵ですね。そうじゃなきゃ、これだけバラエティ豊かな曲は歌えないと思います。今回のシングルも、ほかの2曲はがらっと変わって、しんみりせつない曲になってますし。もう1曲のリード曲の「陽傘」と、カップリングの「二度目の花火」は、映画の曲なんですよね。『日曜日のマーメイド』という短編映画。
そうです。短い映画なんですけど。
――どんな映画なんですか。
えっと、アニメーターを目指してる女の子と、昔、人魚に助けられて、人魚になりたいと思ってる女の子がいて。二人は親友だったんですけど、あるきっかけで疎遠になっちゃって。アニメーターになりたい子は、周りの人にはそれが言えなくて、人魚になりたい子は、誰も信じてくれなくても、私は人魚を見たと信じていて。というような話ですね
――言いたいことがあるのに言えないとか、言っても信じてもらえないとか、そういう心の動きがテーマなんですかね。ネタバレしなくていいですけど、ハッピーエンドですか。
ハッピーエンドです。
――良かった。じゃあ見ます(笑)。ナナヲさんも出演してるんですよね。
そうなんです。監督さんが、ナナヲアカリ楽曲や、ナナヲアカリの人間像からインスピレーションを受けて、書き下ろしてくれた脚本なんです。だからアニメーターだったり、親友同士が引き裂かれるせつない部分があったり。そこにナナヲアカリとして出演させてもらってます。
――そこで「陽傘」と「二度目の花火」を歌うと。2曲とも映画のための書きおろしですか。
そうですね。
――「陽傘」はいい曲ですね。「770の日」で生で聴いて、すごく沁みました。
むちゃくちゃいい曲です。
――MCでも言ってましたよね。自分の曲って普段は聴かないけど、これは何回も聴いてるって。
そうなんです。いい曲すぎて。
――どのへんがいい曲ですか。
なんだろう、すべてのもどかしさというか、成長しきれない感じを、こんなに美しく表現できるのか!と。成長する時に、失うものってたくさんあるじゃないですか。失ったものだらけだなって、振り返ると思うんですけど、その中でも絶対に大切なものがあって。ここでは“君”」だと思うんですけど、絶対失ってはいけないものに気づける歌だと思うんですよね。がむしゃらに生きてる感じもすごくして、“うう~”ってなる。
――うーん。なるほど。
中高生の時に救われた曲ってこういう曲だったなって、自分で思い出して、すごくいいなあってなります。
――いいですよね。失ったものを嘆くばかりじゃなくて、一番大切なものに気づくというところにフォーカスしてるのが。
気づけたから、前を向けてるので。
――あと、何でしたっけ、ライブの時に空海理さんが言ってた、「ナナヲさんをイメージして書いた歌詞があって…」という。
あー、《見えない敵を作ったって/決して生きやすくはならなかった。》。
――そうそう。そのつもりで書いたら、ナナヲさんに「ここが好き」と言われてうれしかったって。
「ここ大好き!」って送ったら、「ここ、ナナヲさんをイメージしてたからすごいうれしい」って。
――そういうタイプでしたか。
そういうタイプでした。今もすごい刺さりますもん。最後は《見えない敵がいなくたって、決して生きやすくならなくたって。》になるんですけど、今はそっちのほうが刺さりますね。
――《差し出された手だけは握り返せるように。》いい歌詞です。この歌の届く範囲は、年齢層は広いと思います。昔を思い返す30代、40代とかにもきゅんと来る。
それを今聴ける10代の子が、むしろうらやましいくらいですね。ナナヲとしては(笑)。
――素敵な曲です。そしてもう1曲「二度目の花火」はどんな曲ですか。
これもテーマが夏で、せつない感じです。
――「陽傘」とつながってる感じはしますね。ストーリー的に。
そうですね。“君”との話なのか、まったく違う話なのか、わかんないですけど。つながってると考えても、全然いけますよね。この2曲は。
――「二度目の花火」は、「陽傘」よりも音が分厚くて、ロックバラード的な曲調になってます。この曲のお気に入りポイントは?
《八月、人混み。/合わない歩幅すら、/いつか思い出になる。》ここの三行です。パンチライン!
――あー。そこいいですよね。
今の年齢だから、ここがぶっ刺さるんですけど。この曲を聴いてくれる大多数の10代、20代前半の子とかは、一連の、甘酸っぱいというか、この距離感を壊そうか壊すまいかとしているところで、もどかしい気持ちになってくれたらいいかなと思います。「恋愛脳」はしっちゃかめっちゃか、じたばたしてくれって感じなんですけど、「二度目の花火」は、一度でも恋をしたことがある人は、誰でもチクリとくるような曲になってると思うので。花火大会に行ったことがなくても、この感覚ってわかるよねっていう曲になってると思います。曲もわかりやすいので、王道だし。
――めっちゃカワイイ歌詞。乙女心といいますか。
めっちゃカワイイですよ、この子。幸せになってほしい。
――そう思いますね(笑)。こんなに恋に一生懸命な子は幸せになってほしい。これは、演じると言う意味では、歌う時に相当気持ちが入るんじゃないですか。
そうですね。演じる部分が多いんですけど、こういうのは大好きなので。夏は全然好きじゃないけど、夏が好きになりました。これを歌うことによって、夏、けっこう好きだなって。
――よかった。という、個性豊かな3曲が揃ったニューシングル。
この一枚だけでも、すごい幅広いですよね。
――ですね。それでいて、どこかつながる部分があるというか。恋することで揺れる想いとか、ピュアなところとか。
未熟な感じもしますよね。全部。
好きなことを好きなまま、それをいかに長く続けていけるかに挑戦していきたい。どこまでナナヲアカリができるか。そういうことだと思います。
――そうそう。すごくいいパッケージだと思います。そして、次のツアーがもう決まってますね。というか、もう始まります。8月11日の札幌から、10月16日の東京まで。タイトルは『DELICIOUS HUNT TOUR 2022』。セトリや演出はどんな感じになりそうですか。
このパッケージ(CDシングル)のツアーなので、どこで「陽傘」を持って来るか? とか、どこで「恋愛脳」を聴かそうかな? とか、いろいろ考えてます。もちろん、ぶち上る部分も作るんですけど、それはナナヲアカリのライブの醍醐味だから。でもなんか、“ああ…”って、感嘆の息を漏らしてほしいですね。見終わったあとに。そういう一連の流れを作れたらいいなと思います。
――いいですねえ。
盛り上がるだけだったら簡単なんですよ、ナナヲの楽曲は。そのためにあるような曲がたくさんあるので。爆音と体力を引き換えにすれば、いくらでも盛り上げられるんで。でも、もう一個違う段階のナナヲを与えれたらいいなと思ってます。
――もう少し先のこととして。でっかい会場でやってみたいとか、野望はありますか。
私、野望はないんですよ。でも、そうだな、野音の夜はやってみたいです。でもリハが昼だから嫌だな(笑)。
――演じるという意識の先で、舞台っぽいステージとかも見てみたいですけどね。個人的には。演出盛り盛りみたいな。
あー、そうですね。がっつり演出というのもやってみたいですね。確かに。
――あと最近はファッションブランド(「Internet Boy Meets Girl」)も始めましたし。あれすごくカワイイです。
そうなんです。ありがとうございます。
――シンガーで、ソングライターで、ブランドをやったり、いろいろ広がっていくだろうなと想像してます。10年後とか、面白いことになっていそう。
私、好きなことしかできないんです。スナックもやってるかもしれない。お酒が好きなんで。
――そっちか(笑)。じゃあ最終的な、ナナヲアカリの夢って何ですか。
難しいなー。でも、野望を抱いてそこにたどり着く、ということは考えたことがないんですけど、ずっと好きなことができてるのが、一番幸せだと思うんですね。それって難しいことだと思うんですよ。ずっと好きなことだけをするって、もちろん無理だし。好きなことを好きなままでいて、続けるのって、すごい難しくないですか?
――難しいと思いますね。たとえば途中で仕事になっちゃうと、また変わって来たりするんで。
そうそう。好きなことを好きなままで続けることって、難しいと思うんですけど、それをいかに長く続けていけるかに挑戦していきたいです。目標とかはないんですけど、……どこまでナナヲアカリができるか、でいいです。そういうことだと思います。
――いい言葉。今日はお話しできてうれしかったです。いろいろ楽しみにしてます。
ありがとうございます。がんばります。
取材・文=宮本英夫 撮影=大橋祐希
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