大規模プロジェクトでソリストを務める仁田原祐さんに聞く

2015.12.27
インタビュー
クラシック

ベートーヴェンという作曲家自身の精神と向き合うことが必要

「ベートーヴェンの音楽には生命力があって、弾いていると元気になるんです。自分自身、彼の音楽にとてもフィットする感覚があります。とても大事な作曲家です。」

そう語るのは12月28日にティアラこうとうで行われる国連難民援助活動支援チャリティーコンサートでピアノ協奏曲第2番のソリストを務める仁田原祐さんだ。仁田原さんは国内外のコンクールで優勝や入賞を果たし、2013年には東京藝術大学を首席で卒業した注目の若手ピアニストだ。そして今年の9月からはオーストリアのザルツブルクにあるモーツァルテウム音楽大学でさらに研鑽を積んでいる。

今年の9月というと日本でも難民問題がよく報道されるようになった時期だ。その報道を見ながら慌ただしく留学準備を進め、9月末にザルツブルグに到着した仁田原さんは「テレビで見ていた光景を目の当たり」にすることになった。

「ザルツブルクはドイツとオーストリアの国境に位置しているので、中央駅前にテントが張ってあったり、警察が立っていたり…。そして向こう側には難民の人たちがずっと待っているんです。」

その光景を見て、“世界のニュース”から“身近な話”へと変わっていくような思いがあった。そんな時、日本からこのチャリティーコンサートの出演依頼があり、「自分は直接彼らに何かできるわけではないが、こうして演奏することで回り回って少しでもお役に立てるのであれば…という想い」で引き受けたという。

「第2番の協奏曲はベートーヴェンが16歳の頃に書き始めた作品で、生気に満ち溢れています。第1番にも通ずるものがありますが、爽やかなエネルギーを感じます。また、この曲に限らずベートーヴェンの作品はどれだけ真剣に作品と向き合ったかが特に演奏に出てしまうように思います。彼の作品を通して、ベートーヴェンという作曲家自身の精神と向き合うことが必要」とベートーヴェンに対する想いを語った。

9月から新天地で勉強を始めた仁田原さんは「今までと違う環境、違う先生との勉強を通して、新たな引き出しができてきているように感じている」という。そして「『何かを伝えること』が演奏することの意味だと思うので、作曲家の想いをきちんとくみとった上で自分の個性を加えながら『弾く』だけではなく本当に『音楽』を伝える演奏家になりたい」と目指す演奏家像について話してくれた。

イベント情報
国連難民援助活動支援チャリティーコンサート
■日時:2015年12月28日(月)15:00開演
会場:ティアラこうとう 大ホール
出演者:
指揮/曽我大介、碇山隆一郎、和田一樹、中島章博、西谷亮
ピアノ/石井楓子、仁田原祐、冨永愛子、今川裕代、髙橋望
ソプラノ/辰巳真理恵
メゾソプラノ/成田伊美
テノール/芹澤佳通
バリトン/吉川健一
ヴァイオリン/中村太地
管弦楽/ブロッサムフィルハーモニックオーケストラ
合唱/平和を祈る《第九》特別合唱団
曲目:
ベートーヴェン
ピアノ協奏曲第1番
ピアノ協奏曲第2番
ピアノ協奏曲第3番
ピアノ協奏曲第4番
ピアノ協奏曲第5番
ヴァイオリンと管弦楽のためのロマンス 第1番
ヴァイオリンと管弦楽のためのロマンス 第2番
交響曲第9番
■料金:
S席 ¥10,000
A席 ¥9,000
B席 ¥8,000
学生席(大学生まで) ¥4,000
■公式サイト:http://www.blossom-phil.or.jp/concert/charity2015/