NightOwl、デビュー3年で辿り着いた大本命 豪華作家陣の起用で話題となった初全国流通音源のリリースを前にその想いを訊く

2022.8.25
インタビュー
音楽

NightOwl

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折原伊桜(オリハラ イオ)、百城凛音(モモシロ リノン)、雨夜憧(アマヤ アコ)、長谷川 嘉那(ハセガワ カナ)の4人からなるアイドルグループNightOwl。2019年8月のデビューより3年、名だたるアイドルフェスでも欠かせない存在になるまで成長した彼女らが、遂にファン待望の初全国流通音源となるEP『ヨルニトケル』をリリースする。池窪浩一、藤永龍太郎(Elements Garden)、草野華余子という豪華作家陣を起用で既に話題となり、満を持してというリリースとそのリリースツアーを前に、今の想いを率直に訊いた。

――最新EP『ヨルニトケル』をリリースするNightOwl。変わらずライブ活動も積極的に行ってますが、僕も先日イベントでライブを見させていただいて。新曲もすごく良かったし、短いステージにNightOwlの魅力がギュッと凝縮されてたし。なにより、4人がすごく仲良く楽しそうにパフォーマンスしてる姿が印象的で、現在の状態の良さを感じました。

折原:『不完全な夜でも』をリリースした頃(22年1月)と比べて、私たちの中でよりハッキリしたテーマが、「フロアを一番踊らせるグループになろう」ということでした。イベントのセットリストを決める時も、「初めて観た人も踊りたくなる雰囲気を作る」ということを考えて。自分たちも最近、少しアッパーなライブになってきたかな? と思います。

百城:「フロアを踊らせる」ってことを意識し始めてから、お客さんがライブ中に一緒に踊ってくれてたり笑顔になってくれると、クールな曲でも嬉しくて思わず、笑顔になっちゃうんです(笑)。でも、そこの笑顔の受け渡しが、ライブの新しい一体感になってる気がして。もちろん、曲のメッセージを届けたいと思っているんですけど、ライブに来る人は「楽しい」を求めてるし、私たちも「楽しかった」と思ってもらいたいので。少しずつライブの形が変わって、そんなライブを届けられるようになってきたかな? と思います。

雨夜:私は明るいNightOwlを見せることで、届けられる夜の幅が広がったと思ってて。ライブのこだわりや根っこの部分は変わらないし、伝えたいものはもちろんありますけど。それをどう伝えるかってことと、お客さんが持って帰った時、キラキラ輝くものであって欲しいという気持ちがあって。シンドい夜もライブの楽しかった記憶で夜を抜けられるように、私たちが寄り添えるように。ちょっとずつパワーアップ出来てるかな? と思います。

長谷川:新しい曲がどんどん増えてきて、楽しい気持ちや笑顔の行き来がどんどん出来るようになって。お客さんに「楽しい」って気持ちを持ち帰ってもらえてるなっていうのを最近、ようやく実感出来るようになってきていて。それっていまの新曲のおかげで、気づけたところもあったので。新曲がこの曲たちで、すごく良かったなと思っています。

――長谷川さんにとって、『ヨルニトケル』の新曲たちの存在は大きかった?

長谷川:大きかったですね。「一緒に踊る」というのを軸に置いて、新曲が出来て、一曲一曲の意味を自分の中でどんどん理解出来るようになってきて。それはいまの新曲のおかげだなっていうのを、私はすごく思っています。

折原伊桜

折原伊桜

――そんなお話も出ましたが、最新EP『ヨルニトケル』が完成しての率直な感想は?

折原:今作は池窪浩一さん、藤永龍太郎さん、草野華余子さんと、名だたる方々に曲を提供していただいて。最初に聞いた時は、「ホントに!?」ってすごく驚いたんですけど。実際歌わせていただくことになったら、NightOwlの曲として成立させなきゃいけないので。現在はまだまだだと思うんですけど、後々、曲を作っていただいた方に見てもらった時、「一緒に仕事して良かった」と思ってもらえるくらいに仕上げていきたいと思ってて。

百城:今回、みなさんが“ヨルニトケル”をテーマに書いて下さったんですが、全部が今までのNightOwlにないタイプの曲だったし、雰囲気の違う曲になってて。それぞれの曲の雰囲気を掴みつつ、自分のものにするのに結構、苦労したり悩んだりしたんですけど。「これが4人の新しいNightOwlだ!」って表現出来るようにしっかり魅せていきたいし、ここからもっと曲を成長させていきたいと思っています。

雨夜:私は“届けられる夜の幅が広がった”と言ったんですが、『ヨルニトケル』の新曲も曲によって自分の知らない自分を見つける機会がよくあって。例えば、「melt blue」の今までにない感じの歌詞をどう表現しよう? と思って。最初は頭で考えちゃってたんですけど。曲を聴きながら自分に落とし込んでいくうちに、自分の中にあった、またひとつの夜が勝手に出てきた感じがあって。そういうところで、今までと違う表現の仕方を見せられたらいいなと思うし、新曲たちをもっと自分たちの曲にしていけたらいいなと思います。

長谷川:私はダンス面で、振り付けもちょっと関わらせていただいて。それぞれの曲に振りが付いていくうちに、どの曲も違ったNightOwlが見せられると思ったし、4人の違った面も見せられると思って、「ここはこの2人が歌うからこういう振りで」とか、「ここは誰々が歌うからこう見せよう」などの構成の仕方とか、いつもとは違う面から曲を見ることがすごく勉強になったし。もっと自分の中で曲を消化して、もっとメンバーのキャラも出せていけるようになったら、それも強みになるなと思って。毎曲、勉強勉強で頭がパンパンになりながら、色々学ばせてもらっています(笑)。

――では『ヨルニトケル』の新曲について、さらに詳しく聞きたいですが。まずはSEとして使用されていた「Night Cruising」について、長谷川さん聞かせて下さい。

長谷川:いまはSEが変わってしまったんですが。私が加入して5人になった時から、SEとして使用していた曲で。私がNightOwlとして初めてステージに立って、初めて踊った曲がこの曲でした。お客さんから、「「Night Cruising」は音源として出ないんですか?」ってよく聞かれてて、今回のEPにこうして収録しているのが嬉しいし。私の中では今までのことも大切にしながら、ここからも進んでいくみたいな気持ちがこの曲にあって。ここまでの過程の一歩として、私たちにとってもお客さんにとっても大切な曲が、1曲目に収録されて。そこから、新曲を3曲を楽しんでいただけるのがすごく嬉しいです。

――長谷川さんは、「Night Cruising」を聴くと思い出す風景や、あの時の気持ちといった、特別な想いもあるでしょう?

長谷川:ありますね。緊張したことばっかりを思い出します(笑)。

雨夜:このタイミングで「Night Cruising」が入ってくることによって、NightOwlはいままでもこれからも、ひとつなぎっていうのを個人的には解釈してて。今後、さらに曲が増えて、SEが変わってというのがあると思うんですけど。「いままで発表した全ての曲を背負って、NightOwlは進んでいくよ」って表れにもなればと思っています。

――続いて、MVや歌詞のフレーズもキュートな印象の「グッドナイト」について、百城さん聞かせて下さい。

百城:「グッドナイト」は、ライブでもすでにやっていて。振り付けも分かりやすくて、パッと見た感じは振り付けもキュートで、サビもテンション上がるんですけど。歌詞をしっかり聴くと苦しい曲だったりして、苦しい中でも明るく楽しくって表現に頭を悩ませた曲でもあったんですけど。何度かライブでやっていくうちに掴めてきた部分があって、この曲はお客さんと一緒に作り上げていく曲なのかな? って。これからもっと成長していく曲だと思うし、変わっていく曲だと思うし、色んな受け取り方が出来る曲だと思います。

折原:この曲には歌詞の元となった物語が別にあって。私たちはしっかりした物語を読んだ上で、レコーディングに挑んだという経緯もあって。もちろん、みんなにいろんな解釈をしてもらって良いんですけど、実はちゃんとした物語があったという裏話もあるんです。

――面白いですね。ちゃんと物語があって、それを理解してレコーディングしたのに。ライブでやってみたら、自分たちにもまた違った解釈が生まれてきているという。

折原:この曲がどこかに着地するのか? もっと変化していくのか? みんなにも楽しんで欲しいし。すごく振り幅のある曲なので、セットリストでどこに置こうかも悩むんです(笑)。

百城凛音


百城凛音

――では、こちらもすでにライブで披露していて、すごくライブ映えする曲でもある「Beyond the Night」について、折原さん聞かせて下さい。

折原:「Beyond the Night」は、個人的にアイドルになる前の自分を思い出させてくれる曲で。何かになりたいとかやりたいことはあるけど、なかなか進めなくて、変わらないいつもの日常を過ごしてしまう。そんなあの頃の自分に、いまの自分が歌っているような感じもあって。聴いてくれてる人の中にも、なかなか前に進めない人もいると思うので。そんな人の応援歌になればいいなと思うし、そんな人がもう一歩踏み出すって時のために、私たちは「夜を超えていく」ってテーマを歌い続けたいと思っています。

――ライブで披露した時、折原さんが「いつ来ても「楽しい」ってことが約束されてる場所があるのが、それぞれが暗い夜を乗り越える力になればと思います」と曲紹介をしていて。それってこの曲のテーマでありながら、NightOwlのテーマでもあると思いました。

折原:そうですね。コロナ禍の現在って、まだ夜の中にいると思ってて。ライブに来れなかった方も多かったり、不安を抱えながらライブに来る方もいらっしゃるので、「今日、来て良かった!」と心から思ってもらえるライブを届けたいなと思ってて。自分たちでもこの曲を歌う時、気持ちが引き締まる部分があるし。この曲を歌ってるからには、自分たちも夜を超えていかなきゃいけないし、そうじゃないと伝わらないと思うし。

雨夜:私たちとお客さんが、一緒に走っていく曲だよね?

百城:そうだね、未来って感じだよね。この先を見る曲は他にもあるんですけど、この曲はみんなと一緒に未来を見るって感じで。みんなの未来も私たちの未来も一緒に見てるし、光が強めって感じで。シャン!って感じがあって……。

――すごく希望のある曲ですよね。

百城:そう、希望だ! 未来があって光が強めで、シャン!って感じは、希望です。

雨夜:希望って言葉が出てこなかったんだ(笑)。

――あはは。この曲は4人で歌うこと前提で書かれてますが、そこには深い意味はない?

雨夜:確かにそうですね。でも、そう思われても良いというか。「4人だと完全じゃない」というのは、絶対に思わせたくないし。今後、5人目のメンバーが入るとしても、シャン! と鳴ってる希望に飛び込んで来てくれる人だと思うので。メンバーがどうとか考えず、いまのNightOwlを全力でやっていきたいと思っていて。

折原:「Dear,Night」も3人の頃の曲で、ラストは一人ずつ歌って締めるんですけど。それもいまは4人でやってて違和感ないし、歌うところも変わらないので。NightOwlのいまのベストを常に見せ続けて、それを引き継いでいくというやり方は変わらないです。

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