Creepy Nuts『RUSH BALL 2022』ライブレポートーー至上の景色の中で提示した、HIPHOPユニットの矜持と生業

2022.8.29
レポート
音楽

Creepy Nuts 撮影=田浦ボン

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『RUSH BALL 2022』Creepy Nuts

オーディエンスがステージに詰めかけ、『RUSH BALL』常連でもあるCreepy Nutsが、いかに愛されているかが伝わる光景が広がる。「合法的トビ方ノススメ」のイントロが流れ、R-指定が「『RUSH BALL 2022』、マスクしてのコール&レスポンスは合法となっております!」と言った瞬間、大歓声が沸き起こった。筆者はスタンディングエリア後方で見ていたが、後ろにいるオーディエンスも口々に歌いながら「手を挙げろ!」、「声上げろ!」、「飛び跳ねろ!」その全てにしっかりと応えていた。この人数を踊らせるのはシンプルにすごい。さらに7月にリリースされた「堕天」では「手に持ってるタオル、思い切り振り回せー!」との合図で、色とりどりのタオルが高速回転! その時の様子をDJ松永がスマホで撮影してSNSに載せていたので、ぜひご覧いただきたい。MCでは「声出せるのええな」と嬉しそうに笑顔を浮かべたR-指定。

Creepy Nuts

『RUSH BALL』が大きな一歩を踏み出した2020年、そして昨年も出演していたCreepy Nuts。自身のラジオでも『RUSH BALL』への想いを口にしていた経緯があり、その想いはひとしお。「コロナが始まった時からルールを守りながら一歩を踏み出した『RUSH BALL』、それを徹底した状況でやろうとしたGREENS。とんでもないリスペクトやし、それに付き合ったお客さんも、それに沿って頑張ったアーティストもそうやし、マスクしながらの声出しは全員で勝ち取った権利やから。音楽業界の中で一発目のめちゃくちゃ勇気のいる挑戦を、色々守った上で踏み出すのは『RUSH BALL』のカッコ良いところ。今日を成功のモデルケースにして、俺たちの本来の景色取り戻していきましょうよ」と少し姿勢を低くして、観客と目線を合わせるように語りかけていた。そして「2年でここまでこれたんやから。俺らにはのびしろしかないんです」と「のびしろ」に繋げ、DJ松永のスクラッチが炸裂した「かつて天才だった俺たちへ」を連続で披露、最高潮の一体感が泉大津フェニックスを満たしていった。

Creepy Nuts

「大合唱して終わるのも最高のプランやけど……」と切り出したR-指定。「俺、この後も梅田サイファーとしてもう一発歌えるんですよ。フェスでラップをすることが当たり前になってきた。だからこそR-指定のラップヤバかったよなと頭に刻み込んで帰ってもらおうと思います」と力強い眼差しで語り、「生業」でラッパーとしての矜持と気迫を熱量高く突きつけた。今年もCreepy Nutsは新しくて濃厚な最高の景色を見せてくれた。

取材・文=ERI KUBOTA 撮影=田浦ボン

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