WANIMA『RUSH BALL 2022』ライブレポートーー「進め君らしく心躍る方」1歩ずつが大きな道へ繋がる、2日間を締める幸せいっぱいのステージ

2022.8.30
レポート
音楽

WANIMA 撮影=瀧本JON…行秀

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『RUSH BALL 2022』WANIMA

断続的なコール&レスポンスが可能となり、一歩ずつ音楽の楽しみ方を取り戻してきた『RUSH BALL 2022』、2日間を締めくくる大トリはWANIMA。昨年は出演キャンセルとなってしまい、苦い思いをした彼ら。リベンジとなる今年は大トリでの出演ということもあり、ステージへの気合の入りようは尋常ではなかった。ここから始まるステージはバンドの進化をまるっと見せつける、圧倒的なパフォーマンスが待っていた。

WANIMA

いつもの「JUICE UP!!のテーマ」でメンバーがステージに登場すると、警告音が鳴り響きステージが真っ赤に染まる。KENTA(Vo.Ba)がステージを右へ左へと走り込み、「ラララララッシュボール」と口ずさむと、それに合わせて観客が高くジャンプ! いやいや、曲が始まってもないのにこの盛り上がりよう……ここから先どうなるんだ? と期待が募る。「この一瞬に伝えたいこと、このライブで伝える! みんなで助け合って、1歩1歩進んでいくぞ!」と「BIG UP」から早速、観客のボルテージを最高到達点へと持ち込んでいく。

WANIMA

FUJI(Dr.Cho)のご機嫌なビートに腰を揺らし、KO-SHIN(Gt.Cho)の心地よく刺さるギターフレーズに誘われ、歌詞のまんま夢中で踊りまくるオーディエンスたち。2日間存分に音楽に塗れて、体力は大いに削られているはずだけど、彼らの音でエネルギーチャージは満タンになったようだ。爆音&疾走感が気持ち良い「ララバイ」では歌詞の随所に『RUSH BALL』の名前を差し込み、特別感たっぷりのナンバーに仕上げていく。

WANIMA

いつもならステージ上でふざけてみたり、目がなくなるくらい満面の笑顔でパフォーマンスする3人だけど、この日のメンバーはギラついた貪欲な表情をしていた。スクリーンに映るKENTAの目は鋭くて、このステージに懸ける熱量の高さが窺える。遠慮は一切なし、全力投球のパフォーマンスで「Japanese Pride」、「つづくもの」とぶつけていく。

「テンション上がるなー。やっぱライブ最高やな」、「落ち着いてやれんて!」などと、曲の合間に気持ちがこぼれるシーンもあり、声が出せるライブの楽しさを満喫する3人。オーディエンスと同じように、この日のステージを楽しみにしていたようで「ナニワでWANIMAを見せる! ここにおる全員に届けとか、贅沢言わんから。お前ひとりに届けるチャンスをくれよ。誰に支えられてここに立っとるのか、それを忘れかけてた時に出来た曲」と、「眩光」へと繋ぐ。

WANIMA

より高みへと昇りたい、前へ進みたい、そんな思いを真っ直ぐに届ける言葉の数々。KENTAの歌声がより際立つエネルギーに満ちた楽曲を、拳を突き上げ受け止める観客たち。マスクをしていても満足げな表情はステージにいる3人も伝わっていて、「大好きっちゃけんね。『RUSH BALL』、大阪、みんなが大好き。もう失いたくない。一緒に作っていこう!」と、共に歌おうと「ともに」へ。

<進め君らしく心躍る方>、歌詞に込めた想いはこの2日間すべてのステージに表れているようで思わず涙腺が緩んでしまう。前へ前へと突き進むビート、心震わすメロディ、観る者を鼓舞する歌、その全てが多幸感に満ちている。その楽曲に呼応するように、この日一番の大きな声で歌い、騒ぎ、踊るオーディエンスたち。

楽しい時間は本当にあっという間に過ぎてしまい、ラスト「オドルヨル」に。もちろんタイトルのまんま、足元がフラつくまでとことん踊り尽くすと、まさかのそのままアンコール「Hey Lady」へ。少しの暇も与えない、怒涛のパフォーマンスで突き進み、花火が打ちあがるなかライブは終了。

2日間に渡って繰り広げられた『RUSH BALL』。この日の一歩がバンドへ、そしてライブハウスへ還元されていくことを期待したい。

WANIMA

取材・文=黒田奈保子 撮影=瀧本JON…行秀

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