戸田恵子×松尾貴史インタビュー~ニール・サイモンの名作『裸足で散歩』で舞台初共演「ほっこり気楽に見てもらいたい」
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舞台では初共演の2人「この人となら何やっても大丈夫」
戸田恵子、松尾貴史
――戸田さんはコリーの母・バンクス夫人、松尾さんはアパートの住人であるヴィクター・ヴェラスコという役です。それぞれどんな役か教えてください。
戸田:私が演じるのは、はつらつとしたポジティブな女の子・コリーのお母さんです。過去にコリー役を演じたときはお母さんのことをよく考える余裕がなかったのですが、今回この役をやることになって、お母さんはとても保守的な人なんだなということを改めて感じています。私自身はこれまで保守的な役はほとんどやったことがなくて、いつもなんだか“イケイケGOGO!”みたいな感じの役が多いので(笑)、私もとても楽しくチャレンジをさせていただいています。そんな中で松尾さん演じるヴェラスコさんとの出会いがあるのですが、リアルに考えてお母さんみたいな人はヴェラスコさんみたいな人と一緒になった方がいいんだろうな、なんて思いながらやっています。
松尾:まず最初に、ヴィクター・ヴェラスコって名前が本当に怪しいんでね(笑)。昔、国際スパイでヴェラスコっていう人がいたんですよ(注:第二次世界大戦中に活躍した秘密諜報員にアンヘル・A・デ・ヴェラスコという人物がいた)。ヴィクターというのも、これは本当に個人的な印象ですけど、昔やった芝居でヴァンパイアの名前がヴィクターだったんですよ。だから僕の中ではすごい怪しい人の名前というイメージで。実際に台本の中でも怪しい人で、何を考えているかわからなくて最初は警戒されるけれども、発展家のコリーが彼に興味を持って行くプロセスがあって、そこに僕がどうなじんで流れを作っていけるか、というのはやりがいがあるところだなと思っています。
松尾貴史
――お2人はこれまで共演されたことはありましたか?
戸田:舞台での共演は今回が初めてです。過去に、それこそ何十年も前なんですけど、NHKの歌のバラエティ番組でご一緒していたので(注:1989年~91年にNHK総合で放送されていた「音楽・夢コレクション」)、かれこれ付き合いは長いです。キッチュ(松尾の愛称)は、ここ十何年の間は舞台にもよく出演していて、これがまた達者でお上手なんですよ。だから「困ります。私たちの場所を荒らさないでください」と脅しのメールを送っています(笑)。
松尾:絶対に同じ役を取り合うことはないので心配いらないと思うんですけどね(笑)。
戸田:それがついに一緒の舞台に立つのか、という感じですね。私もキッチュも舞台にはいろいろ出演しているのになかなか一緒にできなかったというのは、それだけ世の中にたくさん舞台の数があるってことですよね。共通の知人もすごく多いですし、圧倒的に土台がわかっていて信頼できるので、この人となら何やっても大丈夫だな、どうにでもなるな、って本当に安心してやれますね。
松尾:右に同じです(笑)。
>(NEXT)作品を楽しむポイントは、描かれる「時代」にもあり