『氣志團万博2022』3年ぶりの現地開催で痛感した、生じゃないと伝えられないこと、あの場にいないと受け取れないメッセージ
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仙台貨物 撮影=上山陽介
ゴールデンボンバー 撮影=青木カズロ
ももいろクローバーZ 撮影=上山陽介
湘南乃風 撮影=釘野孝宏
HYDE 撮影=上山陽介
私立恵比寿中学 撮影=釘野孝宏
RIP SLYME 撮影=釘野孝宏
開場時から荒天に襲われながら、土砂降りの中で体を張ったパフォーマンスを見せてくれた仙台貨物で幕を開けた2日目。2012年の初開催時から出演し、氣志團と共に『氣志團万博』の歴史を作ってきたゴールデンボンバー、ももいろクローバーZ、湘南乃風、HYDEに加え、これまた『氣志團万博』の物語や伝説を作ってきた私立恵比寿中学、RIP SLYME、岡崎体育といった“万博ファミリー”が大集結。土砂降りさえも笑顔で楽しみ、圧倒的なパフォーマンスを見せてくれたゴールデンボンバーやももクロのステージも最高だったが、悪天候さえ演出として利用し、新たな伝説と会場の一体感を生んだ岡崎体育のステージは実に印象的だった。
岡崎体育 撮影=上山陽介
2016年の初出演時からYASSAIステージへの出演を懇願するも、一向に願いが叶わなかった岡崎。開き直ってMOSSAIステージを守る“MOSSAI様”を名乗り始めたところで、YASSAIステージに抜擢! というここまでの物語だけで十分面白いのだが。MOSSAI様をいたずらにYASSAIステージに動かした天罰か、YASSAIに立てた感涙か。この日のために作った1曲目「MOSSAI様 鎮静の儀」が終わった瞬間、豪雨が会場を襲う。しかし、長年夢見て、ようやくたどり着いたこのステージ。豪雨も意に介さず、巧みなトーク術とライブ運び、「Quick Report」のEDMの爆音で会場を熱狂の渦に巻き込んでいくと、観客のボルテージは一気に最高潮。こんな状況だからこその強い一体感が会場に生まれる。ラスト「The Abyss」を気持ちいっぱいに歌い上げる中、雨は小降りになり、空が明るくなっていく様子は決して計算できない自然の演出が効きまくって、感動的でさえあった。豪雨になったり、気まぐれに晴れたりと、すっかり天気に振り回された2日目だったが、こういったライブはその時の風景や気持ちも含めて、きっと忘れられない思い出になるはず。
聖飢魔II 撮影=青木カズロー
2日目のトリは、袖ケ浦の地に7年ぶり2度目の降臨となった聖飢魔II。棺桶から蘇ったデーモン閣下が「フハハハハ!」と高らかに笑い、ヘヴィなハードロックサウンドに痛烈なシャウトを響かせると、会場は暗黒世界へと叩き落とされ、この時間、この場所を聖飢魔IIが完全占拠。この日登場したHYDEもそうだったが、フェスながらワンマンさながらのバンド世界を構築し、短い時間ながらその世界観にどっぷり浸れるのも『氣志團万博』の楽しさ。代表曲「蝋人形の館」では、悪魔に血を売った鬼死團(氣志團)と血の色クローバーMAD(ももいろクローバーZ)が召喚され、ここでしか見られないスペシャルなコラボを披露。ラストはすっかり雨も上がった袖ケ浦の空に2日目の終わりを告げる花火が上がり、大団円で終演。力強い万博ファミリーが大集結した上、悪魔も来たりてヘヴィメタり、悪天候さえ良い思い出となった2日目だった。
聖飢魔II 撮影=青木カズロー
聖飢魔II 撮影=中野修也
>>次のページは、ライブ最強アーティスト揃い踏みの最終日をレポート。