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TikTokで話題のドラマー葵、「青い」でボーカルデビュー フィクション×ノンフィクションで紡ぐ本当の“わたし”

2022.10.2
動画
インタビュー
音楽


ドラム以外の表現の幅を広げたかった

──葵さんといえばTikTokやYouTubeなどで“叩いてみた動画”(楽曲に合わせてドラムを演奏する動画のこと)ですよね。動画を投稿し始めたきっかけって何かあったんですか?

当時“弾いてみた”が流行っていて、ブームに乗っかっちゃおうくらいの軽い気持ちでTwitterにドラム動画を投稿し始めて、そこからルーティン化していきました。コロナ禍に入った頃くらいに思うように音楽活動ができなくなったのもあって「自分を知ってもらうためのツールとしてSNSを続けていくべきじゃないか」って強く思うようになって、TikTokへ移行して。

──従来のミュージシャンとは別方向からオーディエンスが増える分、SNSならではの悩みもあったのではないでしょうか。

はじめに「いいね!」が付き始めた時は純粋に嬉しかったんですが、2回目のバズからは徐々にプレッシャーみたいなものを感じるようになりましたね。意図していないものがたまたま伸びたので、「同じパターンを続けないとこれからキツイかもしれない」という気持ちが強くなってしまって。

──数字や期待といったものが、のしかかってくるわけですね。

 “なりたい自分と評価される自分”の違いにはよく悩んでいました。動画の中には、私が叩いたからじゃなくて楽曲のおかげで伸びているものもありましたし。何を発信するにしても「この発言をしたらフォロワーさんたちは喜ばないかも」って1回は考えますし、「ミュージシャンとしてこの発言はしたい」と思うこともありましたし。

──TikTokerならではのギャップに苦しめられると……。

こういったギャップを、今後のアーティスト活動を通して崩していかなければいけないなと思っています。打破してこそ、ドラムボーカルのアーティストとしてオリジナルを出す意味があるんだろうし、私のなりたいアーティスト像にも近づくためにも必要なことなんじゃないかと思いますね。

──“なりたいアーティスト像”に近づくための一歩として、今回スタートしたのが「青い」というドラムソロプロジェクトです。「青い」ではドラムボーカルにチャレンジするわけですが、歌は前々からやりたいと思っていたんですか?

歌もやるべきだと思ったのはコロナ禍に入ってからですね。スタジオに入ることが簡単ではなくなって、アコースティックドラムから電子ドラムに切り替えたんですけど、電子ドラムではドラムでできる表現の幅には限りがあることに気付いたんです。そこで“声”という自分にしか出せないものが加われば、もっと広がるんじゃないかと思って、チャレンジしたいと思うようになりました。

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