ヨーロッパ企画『あんなに優しかったゴーレム』大千秋楽をライブ配信、ノーミーツが協力、ライブコメンタリーには松居大悟参加

2008年に劇団10周年記念公演で上演した作品を、サイコ味を増幅する形で再演した、ヨーロッパ企画『あんなに優しかったゴーレム』。9月16日の京都公演を皮切りに、現在全国ツアー中だが、11月6日（日）の大阪大千秋楽公演のライブ配信が決定した。

プロ野球投手のドキュメンタリーを撮影していたTVクルーたちが、投手の故郷にあるゴーレム伝説に巻き込まれる様を描いた群像コメディ。舞台上に鎮座するゴーレム像を前に、ゴーレムの不在／実在をおもしろおかしく語り合うかと思えば、この町や住民たちの暗部がフッと垣間見える恐怖もあり。ヨーロッパ企画が得意とする集団漫才のような会話の中に、現代の風刺めいた苦味も加えた、充実の再演となっている。

この作品のライブ配信が、前回の『九十九龍城』に引き続き、オンライン演劇のスペシャリスト「ノーミーツ」の全面協力で実現。さらにコンテンツ好きのヨーロッパ企画らしく、ただライブ配信するだけでなく、2つのサブカメラを用意している。

まず一つは、作・演出の上田誠と「ゴジゲン」の松居大悟によるライブコメンタリー。松居は『ゴーレム』初演で上田の助手を務めており、その時の裏話も飛び出るはずだ。また『九十九龍城』の時と同じく、チャットに書き込まれた観客の質問に上田が応えるなどの、インタラクティブな楽しみがあるはずなので、すでに舞台を鑑賞済みなら断然オススメ。

そしてもう一つは「ゴーレム定点カメラ」。舞台上のゴーレムだけを、ひたすら映し続けるという、ストイックにも程があるカメラだ。しかし上田は「ゴーレムが動くかもしれない」と煽っているので、貴重な瞬間を期待するならば、ウォッチしてみる価値はあるかも？ また公演終了後も、一週間見逃し配信が行われるので、当日は本編映像を観て、後日サブをチェックするということも可能だ。

また既報だが、今回のツアーから外れてしまった福岡＆広島では、本公演の記録映像の上映会が実施される。いずれも出演者の石田剛太＆永野宗典が登壇予定で、とっておきのエピソードが披露されるはずだから、近隣の方はぜひ足を運んでみてほしい。