過去最高のBLUE ENCOUNT 「ブルエン史上、最も壮大で強靭な音楽」が完成 6年半ぶりの武道館へ向かう今、その想いを訊く

2022.11.13
インタビュー
音楽
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BLUE ENCOUNT

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11月9日に『コードギアス 反逆のルルーシュR2』エンディングテーマとなった新曲「Z.E.R.O.」をリリースするBLUE ENCOUNT。「ブルエン史上、最も壮大で強靭な音楽を作れたと思います。」とボーカル田邊駿一が語るくらい、バンドの状況は過去最高と言える仕上がりとなっている。ベース辻村勇太が2023年より活動拠点をアメリカに移すことが発表されてから、立て続けのリリースにツアーと精力的に活動してきた彼ら、その集大成となるであろう6年半ぶりの日本武道館でのツアーファイナルへ向けて加速する今、その想いを語ってもらった。

――最新シングル「Z.E.R.O」を完成したBLUE ENCOUNT。2022年は「青」、「終火」も配信リリースしてますが、もう絶好調ですね!

田邊:嬉しいです。最近リリースした曲はどれも今年作った曲ばかりで、どれも良い曲が出来ている手応えも感じているし、いま、やりたいことがすごく明確になってるっていうのも感じていますし。いまも新作に向けて、新曲の制作中です。

――早めに録っておかないと、辻村くんがいなくなっちゃうしね。

田邊:あはは。いまは辻村がアメリカに行ってからのことも想定して、ほとんどをデータでやり取りしていて。スタジオで録っているのは僕と江口で、高村が別日に録るって感じで進めてるんです。

高村:コロナ禍になってすぐの時も新曲を作っていたんですけど、そこからデータでやり取りするってやり方が始まって。

田邊:最初はプリプロぐらいの段階でやり取りする程度だったんですけど、いつしか本チャンまでやっちゃうようになって。色んな楽曲を作りたいと思っている僕らだから、時代に合わせた色んなやり方を試すのも良いと思うし。そのフレキシブルさもブルエンらしいなって思います。

――どちらかに振り切るんじゃなくて、スタジオでも出来るし、データのやり取りでも出来るし。選択肢が増えた感じですかね。

田邊:そうですね。それにいまインディーズの時くらい、一人一人が色んなことを考えて、頭を悩ませながら曲を作れていて。メジャーデビューしてから、なんとなく自分たちのイメージが出来上がって、どこか手慣れた部分もあったんですけど。自分たちが本当にやりたいことや出したい音が見えてきてる中、それを表現するためにそれぞれがイチから音楽を学び直してるみたいな感じなんです。

田邊駿一

――話を合わせるわけじゃないけど、「Z.E.R.O」を聴いて一番聞きたかった話がそこで。今回のアレンジ、凄くないですか? 「ブルエン史上、最も壮大で強靭な音楽を作れた」と紙資料にありますが。強靭さと壮大さもありながら、歌詞の世界観に沿った1曲通しての展開もすごくドラマチックかつ、細部までしっかりこだわれてて。これまでの経験や積み重ねをギュッと一曲に詰め込めてると思うし、個々のやるべきことがハッキリ見えてるのが分かります。

田邊:そう言ってもらえると嬉しいですね。いま、表現したいものがどんどん広がっている感覚があって。今回もプロデューサーさんは入れず、自分たちで試行錯誤しながら作り進めたんですが。その中で「まだ出来ることがあるな」って、自分たちの伸びしろも感じられて。今年リリースした曲って、多岐に渡ってると思うんですけど。それが出来ている理由は、4人が作りたい音像が広がっていってるからこそだと思うんです。

――うん、バンドとしてすごく充実してるのが、音からよく分かります。メンバーみなさんは「Z.E.R.O」が出来ての感想は?

江口:「コードギアス」のタイアップは初めてなんですけど、以前から触れる機会が多かった作品だったので、そこに携われたことが一番嬉しかったし。自分の中の「コードギアス」のイメージがあって、そこにばっちりハマる曲を作れたなって自信もあります。アレンジはすごい苦戦して、何回も作り直しては田邊に聴かせて、「ちょっと違うかも」と言われて、また作り直して、、を繰り返して作り進めていって。自分の手ぐせで作るのは簡単ですけど、それだと今まで通りのブルエンサウンドになってしまうから、その中に新しい面を見せていくっていうのが、本当に大変でしたね。

高村:僕はこの曲のイントロが、久しぶりに心掴まれるくらい好きなんですけど、「イントロのギターフレーズが、これで確定した」ってのを聴いた時、自分の中ですごい締まった気がしたんです。

江口:珍しく、「イントロのギターフレーズ、カッコいいね!」ってLINEくれたもんね(笑)。

高村:そう。自分の好みすぎて、そのフレーズを聴いた瞬間にゼロがイチになったというか。「これはこういう流れで、こういう風に仕上げていこう!」という道筋が明確に見えてたんです。

――辻村くんは楽曲出来ての感想、いかがでしたかですか?

辻村:僕は人生の岐路と言えるタイミングで、この曲が作れたのが嬉しいです。アニメの世界とバンドの世界の時間軸って絶対違うと思うんですけど、言いたいことがどっちにも繋がっているのが嬉しくて。ルルーシュ(アニメの主人公)とブルエンの生き方が、同じ楽曲で同じ捉え方が出来るのが面白いし、それを曲に出来たのがありがたいなと思います。

――そこは俺もすごい思いました。アニメのタイアップだけど、ちゃんとブルエンの曲になってるのが凄い。

辻村:そうですよね。あと、原曲が出来た時、「データの中でどれだけ壮大にするか?」というのが僕の中のテーマで。デジタルだからこそ、余計そこに向き合いたいなというのがあって。4人のやり取りの中ですごくクオリティの高い曲が出来たのが、これからの自信にもなりました。このタイミングで、「Z.E.R.O」って曲が出来たのは、ここから先の未来も見えた気がして、嬉しいです。いま、ライブで「Z.E.R.O」を演ってるんですけど、生だと余計に壮大感が出て。照明や演出も混ざり合って、音源とは違う完成形になっているのかな?というのも感じています。

江口雄也

――話に出てきているように、「Z.E.R.O」はアニメ『コードギアス反逆のルルーシュ R2』のED主題歌ですが。アニメのEDでは、この曲をイントロのど頭から使用されるんですか?

田邊:そうです。アニメチームから“レクイエム=鎮魂歌”というテーマをもらっていて、「最終回に向けて、主人公の沈む気持ちを清める歌」ってところで、レクイエムと呼ばれる曲を色々聴いて。自分の中でイメージしたものを形にしたのが、あのイントロで。それありきでAメロも変えてみたりして。

――でもこの曲で歌いたかったことって、89秒だと収まりきらないでしょう?

田邊:そうなんです。だから最初は一番最後のサビの<僕を殺して>という、ブルエンではなかなか使わないワードを、あえてど頭に持って来ていて。そうしたらアニメサイドから「ネタバレにもなるから」ってストップがかかりまして(笑)。僕の中では一曲の中に、全てのストーリーを描ければいいなという気持ちもあって、主人公がどう歩んでいって、最後に何が待っているのか? というところで物語を広げていきました。

――アニメ尺から全体像をイメージして、曲を作り進めていって?

田邊:そうですね。デモの段階ではサビも全然違ったし、イントロも触りしか無くて。「これを聽かせたら、絶対選ばれないな」と思ってたんですけど、それが選ばれて。「次の日にスタジオで作りましょう」って話になって、「これをなんとか完成させなきゃ!」と思ってたんでしょうね。スタジオに向かう途中に頭がフル稼働して、いまのサビが浮かんできて……サビって、いつも衝動的に生まれてくるんです。絶対、計算で作れないものなので、衝動で生まれることが多いんですけど。今回は久々にビビッとくるサビが来て、「これだ!」と思いましたね。

――心の動きや物語性がよく見える歌詞は、どうやって書き進めていったんですか?

田邊:ちょうどお話をいただいた時、Netflixで「コードギアス」が展開されていて、見始めたら、すごく面白くて。バトルシーンで魅せるというよりは、一人ひとりの感情にフォーカスを当てているところがハリウッド映画みたいで、面白い方向性だし着眼性だなと思って、一気に見ちゃって。「最後、こうなるんだ。しかもこの大事な最後のところを任されてるんだ」と思った時、逆に書きやすいなと思ったんです。僕もファンと同じ感覚で見て、ファンの間では知られている答えを「僕なりに解釈して新訳として書いて見ましたが、いかがですか?」みたいな感覚で書けたので、すごく楽しく書けました。アニメがリバイバルして、もう一回新たなエンディングを作るタイミングで、そこを任されるってことはなかなかないですからね。自分なりの解釈であえてざっくり書いたところもあるし、含みを持たせて書けたところもありました。

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