COMBO波乱の一年の総決算!! 11・20新宿FACE、熱いカードを見逃すな
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プロレス団体COMBOの年内最後の大会が、11月20日(日)、新宿FACEに決まった。年末に毎年、同所で一年の総決算の大会を開催している同団体。今年の大会の見所を紹介しながら、COMBOの魅力も探ってみよう。話を荒川公光(ひろみつ)GM、山本SAN代表兼選手、クレーン・ユウ改めクリーン・ユウ選手に聞いてみた。
――年末の新宿大会が11月20日に迫ってきました。ここでは、まだCOMBOの会場に行ったことのないプロレスファンにも、存分に楽しんでもらえるように、まずCOMBOという団体の紹介から始めたいと思います。まずCOMBOの正式名称は、THE EXTREME FIGHTING STAGE(EFC)COMBOですよね。
荒川GM:はい。COMBOの代表になる山本SANと、ある格闘技道場で出会ったのが、そもそもこの団体を立ち上げるキッカケでした。僕は総合格闘技の大会の組織側だったんですけれど、山本SANは練習生。そこから知り合って、12年前の2010年に山本SANから「COMBOという名のイベントをやりたい」という話がありまして。
山本SAN:練習仲間と始めた、格闘技色の濃いイベントがCOMBOの始まりなんですよ。COMBOは色々なものの集合体という意味です。その頃は、広めの飲食店のスペースにマットを敷いて開催していたんですけれど、そこを会場として紹介していただいたのが、荒川GMでした。それから2年間、そのまま活動していたんですけれど、どうせやるなら本格的にリングでやろう!という話になり、そこからGMに本格的に協力していただいて、現在のCOMBOに至ります。第1回は西台のセントラルスポーツで開催して、1年後には西調布アリーナで開催しました。その後は固定の会場がなかったので。
荒川GM:道場とかイベント会場で、大会を開催していましたね。
山本SAN:その後、板橋グリーンホールをメイン会場にして、定期的に活動しています。
――当初はインターネットで、まだ今ほど情報は活発に流れていなかったはずです。広報活動は、どのように?
山本SAN:ホームページを自分で作ったり、自分でフライヤーを作り、選手たちにもフラーヤーやポスターを渡して、いろんなお店を回って、宣伝していましたね。
荒川GM:大会
山本SAN:底辺からコツコツと、積み上げてきました。
――そこから力をつけて、定期開催が出来るまでになったんですね。選手も育ち、ゲスト選手も参加するし、カードは華やかになりました。
荒川GM:山本SANは試行錯誤していましたね。僕が自分の本業に忙しくて、かかわらない時期もあったんですけれど、10年くらい前に再会して。本格的にプロレスをやるならリングでやろうと。苦労話も聞いて、いい経験になったなとは思ったけれど、運営していくとなると、ほかのやり方もあるなと思って。スポンサーさんを集めたり、新しい運営方法で始めたのが、10年くらい前。で、板橋グリーンホールを借りることが出来まして。ここで年3回、新宿FACEで年1回。あと、COMBO夏祭りと、忘年会か新年会も開催しています。これはファン感謝祭みたいな形で、毎回試行錯誤して。
山本SAN:ファンとの交流イベントですね。
荒川GM:選手の試合以外の側面も、ファンに見ていただけるようにと。最初は見切り発車だったんですけれど、思ったよりお客さんに来ていただいて。それが定着して、年2回は試合以外のイベントをしています。
――長井満也選手や折原昌夫選手など、メジャー団体のリングで活躍してきた選手も、参戦していますよね。
荒川GM:ストロングスタイル・プロレスのスーパータイガー選手は、いわば準レギュラーですね。アレクサンダー大塚選手とか田中稔選手とかAKIRA選手とか雷神矢口選手とかも呼びながら。力選手もですね。
山本SAN:COMBO本隊の方に助っ人ゲストとしてスーパータイガー、雷神矢口。
荒川GM:あとは外敵になるんですね。大和ヒロシとかも。
山本SAN:ウチはスポンサーさんがCOMBOを盛り上げるために呼んでいる選手がいまして。『スポンサーズ』っていう軍団なんですけれど。そこにリーダーとして長井満也、AKIRA、大和ヒロシ、竹田光珠(666〈トリプルシックス〉所属)がいまして。
荒川GM:竹田は売出し中の若手です。あと西口プロレスから、よしえつねお(笑)。
山本SAN:会場を盛り上げてくれるのが『スポンサーズ』で。
荒川GM:COMBOには本隊のほか、ヒール側に『シャドウ軍団』がいまして。
山本SAN:その助っ人に折原昌夫選手が参戦していました。あとは“はぐれ”で来ているのが、将軍岡本選手。
荒川GM:フリーで参戦していますね。
山本SAN:そして毎年最後の大会は、新宿FACEでビッグイベントを。今年は11月20日(日)に。
荒川GM:一年の総決算ですね。ちょうど昨年の12月の新宿FACE大会から、新設王座争奪に向けてのタッグトーナメントをスタートさせて。8組参加で、今年の6月の3大会目で決勝戦をおこないました。そして山本SAN&雷神矢口の『GOLDEN ROCKERS』が、『スポンサーズ』の長井満也&大和ヒロシを見事に下して。頑張って頑張って優勝して、初めてCOMBOが創設したベルトを巻いたんですね。その初防衛戦をやるんです。
山本SAN:『スポンサーズ』はCOMBOで一度も負けたことがない軍団だったので。そこと、自分と雷神矢口が組んでの決勝戦で、王座を取ることが出来たので。次の11月20日の大会では、それ以上のどんな選手が挑戦してくるのかっていう流れだったんですけれど。前回の8月の大会のシャッフルマッチ、6人タッグマッチで、COMBO出身の若手の佐藤将太から、自分が丸め込みで一本取られてしまって。それをキッカケに、この佐藤将太と浦野裕太が組んで、挑戦することになりました。浦野は9月のクレーン・ユウさんの還暦記念大会で、1年半ぶりに復帰したんですけれど、試合ではCOMBO同士の真っ向勝負を見せられる大会になると思います。
荒川GM:浦野裕太と佐藤将太は『GOLDEN ROCKERS』からベルトを取って、おまえらがCOMBOを引っ張っていくようになれ!と。そのぐらいの意気込みでやってみろ!ということですね。
――この試合が第5試合・メインイベント。EITC(EFSインターナショナル・タッグ・チャンピオンシップ)になるわけですね。
ユウ:私は第1試合に出ますよ。
山本SAN:COMBOはね、1試合目がホント、裏メインなんですよ!
荒川GM:第1試合は、プロレスをよく知らない人とか、プロレスは血が出て怖い、暴力的って先入観を持っている人とかにも、そうじゃないんだよと。プロレスは、激しいけれど楽しいよ、っていうことを、どうにか伝えたいっていう思いが、僕には当初からあったので。どうにかそういう試合をやっていこうと。男女混合で、イイ者とワル者が出てくる、わかりやすいヒーローショーのような設定で、カードを組んでいるんです。毎回ストーリーがありまして、ワルの誰かが裏切ってイイ者になったり、その逆があったり、ドラマがあるんですけれど。それでずっと8年ぐらいは、やっているんです。クレーン・ユウさんが7年前、2015年10月にCOMBOで復帰してから、結構それが形づいて。第1試合目当てに来るお客さんも、結構いらっしゃるようになったんですよ。初めて連れてきてくれるお客さんにはまず、ぜひ第1試合から見ていただけるよう、お願いしています。それを見ると、次からも会場に来てくれるんですよ。昔みたいに2、3年トレーニングして、前座で使える技も制限される中で、ようやくデビューしていくのも、プロとして素晴らしいと思います。けれどウチは王道のプロレスではなくて。もちろんケガはしないように練習は積みますが、初めて見た人でも楽しく見てもらえるものを、第1試合では提供しています。
ユウ 初めて見た人でも「超楽しかった~!」って言ってくれるの。女性は特に。
荒川GM:プロレスに興味を持ってくれるキッカケになってくれればいいかなと思っていて。プロレスが怖いとか固定観念を持った人を、そのままにしておいて良いとは、僕は思わなかったんです。そういう人も取り込みたいと思った。それがCOMBOの第1試合です。
ユウ:私はいま、人生で初のベビーフェースよ。今年から名前はクリーン・ユウ。
荒川GM:ずっとヒールのチーム『極黒惨(ごっこくざん)』のリーダーだったのに、全然勝てないんですよ、反則負けとかもあって。で、ユウさんが怒っちゃって。
ユウ:「おまえら、今度負けたら解散だ」と。で、「勝ったら私がイイ方に行ってやるよ」って、勢いで言っちゃったの、マイクで。
――それほど、勝てる見込みのない、情けない手下どもだったんですね。勝つことなんて、ありえないとユウさんは思っていたと。
ユウ:でも、手下たちが頑張って、次の試合で私が勝てちゃったの。
――手下たちは、これで解散しなくてすむ、と思ったわけですね。
ユウ:だけど私は「極黒惨がもし勝つようなことがあったら、ヒールを辞めてやる」ってタンカ切っちゃってたもんだからさ。イイ側に行かなきゃいけないじゃん?
荒川GM:ユウさんは本当は、そう言ったこと忘れてたんですよね(笑)。
ユウ:「言った!? そんなこと!!」ってね。
荒川GM:でも映像にちゃんと残っていて。だからユウさんを呼んで、映像を見せて、「言ったことはやらなきゃならない」と。
ユウ:「じゃあ、いいよ! 有言実行だよ!」って言って。クレーン・ユウからクリーン・ユウに変わったの。でもベビーフェースって大変だね。まず、やったことがないんだから。
荒川GM:試合が終わったら「こんなに疲れるとは思わなかった!」って、弱音吐いてるんです。
ユウ:もう辞めたい!って思ったね。昭和55年の全女でのデビュー当時はさ、ベビーもヒールも決まってないけどさ、そのうちなんとなく決まっていっちゃうじゃん。決められる前に、いつも青コーナーから出るようになって。そうなるとセコンドに付くときは、池下ユミさんとかマミ熊野さんとか、外国人選手が試合をするときのセコンドじゃん。で、池下さんとかに「出てこい!!」って言われたら、「エーッ!!」って思いながらも出て行かなきゃならないじゃん。そういうのしか、なかったのよ。赤コーナーじゃ、なかったの。……でも今、楽しい。
――ミニスカートはいて、試合に出てますよね (^_^.)
ユウ:可愛いよ~。意外と好評なんだよ!! たまに試合の途中で、悪いことやりそうになっちゃうんだけどさ。
山本SAN:自分たちが若い頃には、プロレスのリングに圧倒的なヒーローがいたんですけれど、いまのプロレスからは子供離れが進んでいて、親も野蛮なものは見せないという時代になっています。それを考えて、1試合目は子供が見たくなるようなヒーローのいる試合を提供して、子供たちにも会場に来たいなと。自分たちの時代の子供たちの気持ちを取り戻せるような入口として、提供したいんです。ボランティアのイベントとかにも提供できる試合です。
ユウ:イケメンはいないけどね(笑)。覆面が多いから。
山本SAN:その中のヒーローの軍団が『AGGREGATION(アグゲーション)』で。極黒惨の絶対的象徴がクレーン・ユウさんだったのに、ユウさんの先走った言葉で「行く」って言ってしまった以上、約束は絶対守るという形で、本当に行ってしまいました。
ユウ:余計なこと、言っちゃったな……。
山本SAN:今はベビーを貫くクリーン・ユウです。デビュー42周年にして、初めてのベビーフェース。
ユウ:来年はどうかな。
――本人は、どうしたいんですか?
ユウ:……迷ってる。……迷ってる。
――でも拍手浴びるのって、嬉しいものなんでしょう?
ユウ:嬉しいでしょう? 私にブーイングはないよね。
山本SAN:イヤイヤ転向をOKしたはずなのに、思ったより浴びた歓声に、喜びを感じているんですよね。
ユウ:私と同年代とか、子供の頃にクレーン・ユウを見ていた人がお客さんに多いから、「まさかね!」って感じで驚かれているの。
――第2試合はキックルールなんですね。
山本SAN:最初にお話しした通り、COMBOは集合体。プロレスだけでもなく、キックルールの試合もやります。
荒川GM:プロレスの試合と違って、グローブやキックの音がバシバシ響くし。お客さんの反応も良くて。チームが固まりつつある中で、抗争が始まっているところです。
ユウ:じゃあまた私が壊しに行こうかな。「私にも殴らせろ」って。
荒川GM:いろんな所に顔を出そうとするんですよ。
ユウ:「私はババアだから、顔は殴るなよ。でも私は、やりたい放題」みたいな勝手なルール、作っちゃおうかな。三原じゅん子も言ってただろう?「顔はヤバイよ、ボディにしろよ」って。
――なんですか、それは?
ユウ:『金八先生』知らないの?
――『ワールドプロレスリング』の裏番組は、見たことないですよ(笑)。
山本SAN:もともと『レッドドランカーズ』と『ちょい悪おやじ軍』というのがありまして。『レッドドランカーズ』の赤羽秀一、DAI、RIKIYAと『ちょい悪おやじ軍』のシゲKING、丹波麟、セダーTAKUYAの抗争だったです。でもシゲKINGと丹波麟が分裂しまして、この新たな2人の抗争に、チーム構成が変わっていったんです。今回出場するRYOは、以前K-1 Krushに出ていた選手です。
――それぐらいのレベルの選手が、出ているっていうことですよね。
ユウ:COMBOには老若男女、いろんな選手が出ているよ。
荒川GM:K-1 KrushやRIZINのキックルールに出ていた瀧谷渉太も、このまえ会場に来ていて、いつ出してもらえるんですかとアピールしていました。
――Krushでは元-55キロ級王者です。
荒川GM:RIZINにはドラゴンボールの衣装で出ていましたね。
――こうして話を聞いていくと、COMBOの大会って全5試合ですけど、第1試合から間に合うように来ないと、損しちゃいますね!
ユウ:そうだよ。ホントなんだよ。見所満載なんだから。
――第3試合は3WAYマッチですね。
荒川GM:今回久しぶりに男盛が出ます。
山本SAN:男盛と洞口義浩のシングルマッチが決まっていたんですけれど、『スポンサーズ』が「さらに面白くしてやろう」って言うことで、長井満也を入れて3WAYマッチになりました。
――男盛が中心に、試合は回るんでしょうか。
山本SAN:それじゃあ面白くないからって、そこに長井選手を投下してくれたわけです。
荒川GM:洞口もいるので、どうなるのか本当に読めないですね。長井選手は出てくれないだろうと思ったんですけどねえ。「試合は頑張ります」とは言ってくれてましたけど、まるっきりキャラが違うじゃないですか。そういう試合はしないと思ってたから、逆に楽しみって言えば楽しみですね。
――セミファイナルの第4試合は。
荒川GM:COMBO連合軍の舞牙(ぶき)&スーパータイガーと、COMBOのヒール軍シャドウ軍団のシャドウG&シャドウ・リーが対戦します。
山本SAN:シャドウ・リーはイギリス人で666から呼んだ選手です。シャドウ軍団はタッグトーナメントに負けたときから、GMに「ベルトに挑戦させろ」と言ってきて。「俺らしか当たるのはいないだろ」と主張して。「それならば、やれるもんならやってみろ」とGMが、挑戦する前に今回、舞牙とスーパータイガーを、ぶつけたんですね。
荒川GM:本来はシャドウ軍団のリーダーの神楽(かぐら)がシャドウ・リーと組んでタッグトーナメントに出ていたんですけれど、神楽は、今回は自分が出なくてもこの2人で十分だろう、みたいに言ってきて。
山本SAN:この試合で勝ったら、挑戦する権利はあるだろうと、GMに直訴しているわけです。
荒川GM:トーナメントに出ていたんですけど、上まで来ないで敗退してるのに「トーナメントなんて、どうでもいい。チャンピオンになった奴らに、すぐ挑戦させろ」と、ずっと言ってきたんです。で、いきなりってわけにも、いかないので。
山本SAN:どうせここで負けて、自分らに挑戦は出来ないと思うけれど。今まで何回もスーパータイガーはシャドウ軍団と当たってますからね。ここで一度ギャフンと言わせて、もう「挑戦させろ」なんてデカイ口を叩かせないようなカードを組みました。
――では査定試合というよりGMとしては、蹴落とすような。
荒川GM:どっちかって言うと、そうです。ちょっと個人的な感情も入ってます。4年前の新宿FACE大会で、試合後にリングに呼び出されて、マイクでやりとりしているとき、いきなりシャドウ軍団に蹴っ飛ばされて、アバラ骨2本折れたんです。本当に!
――え~~っ!!(絶句)
荒川GM:本当はいけないんですけど、ちょっと感情入ってるんです。そこをスーパータイガーと、ウチの舞牙に託してますから。僕の中でも楽しみなカードでは、あるんです。本当に悪いことを上手にやるんですよ、シャドウ軍団は。
――ユウさんはCOMBOにとって、どういう存在なんですか?
山本SAN:7年前に、ひょんなキッカケで会場にきてくれたユウさんに、いつのまにかCOMBOの主導権を握られてました。
――会場に来て、試合見て、「私も出来るかも」って言ったのが最初なんですよね。
荒川GM:「昔、女子プロレスラーだった(本庄)ユカリちゃんと飲んでるんだけど、知ってる?」って、ママ友同士のつながりでユウさんと飲んでいた人から電話があって。「大森ゆかりなら知ってるよ」って言ったら「クレーン・ユウって言うんだって」って言うから、「知ってる、知ってる! 極悪同盟じゃないか!」って驚いて。「会場に連れていってもいい?」って聞くから、「ぜひ連れてきて!」って頼んだんです。
ユウ:最初は飲んでいたら「プロレス見に行こう」って言われたの。だから「どこのプロレス? 新日本?」って聞いたら「COMBOっていうの」って言うから、「なにそれ!? 聞いたことがないんだけど」って言ったら、「え!? 知らないの!?」って驚かれて。「誰か有名な人が出てるの?」って聞いたら「わかんなーい!」て言われて。「それならいま電話で話している人に、『私の友達にクレーン・ユウっていうのがいるんだけど、今度連れていっていい?
荒川GM:で、初めて会場に来てくれたときに、選手たちにはユウさんが来ることを隠していたんですよ。で、第1試合の男女混合マッチが終わってから、両軍で言い争いしているとき、僕がマイクを取って「ちょっと待て。今日は大変な人が、見に来ているんだよ」と言って。ユウさんを紹介したら、選手が土下座しましたからね、リングで。で、ユウさんにマイクをふったんですよ。
ユウ:あらかじめ、適当になにか言って下さいとは、言われていたんだけどね。でも全女では「(ヒールはファンの前で)喋っちゃダメ」って言われていたから、喋ることに慣れていなかったのよ。
山本SAN:まさかあんな電撃的なことを言うとは、思っていませんでしたよ!
ユウ:その2週間くらい前に大田区総合体育館で、電流爆破マッチをやったの。長与千種が大仁田厚さんと組んで、ダンプ松本がTARU選手と組んで。私はそのセコンドに行っていたのね。そのあとだったから、COMBOの第1試合を見て「とてもしょっぱくて楽しかったですー」って言ったのよ。
荒川GM:それはそれで良かったんですよ、ウケて。
ユウ:それから「もしなんなら、練習台ぐらいにはなれるから」って。
荒川GM:「このぐらいだったら私も、やっちゃおうかな」みたいなことを言ってくれたんですよね。
ユウ:「いつでも声かけて下さい」って。
山本SAN:いや、「こんなしょっぱい試合しやがって。こんなしょっぱい試合だったら、私が上がってやるよ」っていうくらいの勢いでしたよ。
荒川GM:「プロレスを教えてやるよ」みたいに言ってくれたもんだから。こっちは「これ、もしかして参戦ですかね!?」って、あわてて言ったんだよ。
山本SAN:そうしたら第1試合に出ていた選手たちが土下座して、ユウさんの近くに行って「お願いしまーす!」って。
荒川GM:そこが本当に始まりなんです。たぶんユウさんの中では、全女のときのように血ヘドを吐いて巡業するような、あの頃のようなことはしたくないけれど、いま見た第1試合の範疇なら、ちょっと体を動かすのも久々にいいのかな?」と思ったんでしょうね。
ユウ まだ受け身も取れるし。
荒川GM:たぶん血が騒いだんですよ、バッと血が。
ユウ:で、大会のあと、打ち上げをやっているときに、「荒川さん、すいません。私これぐらいなら、本当に出来るかもしれない。次から出ま~す」って言って。その4カ月後ぐらいに出ちゃったの。
荒川GM:こっちから頼みに行かなきゃいけないのに、言ってくれたんです。
山本SAN:ちゃんと練習にも来てくれています。
ユウ:でも9月の還暦興行が終わってから体が痛くて、最近休んでるんだよ。
――かなり痛めつけられていましたからね。井上京子に雪崩式ブレーンバスターで叩きつけられている映像で見て、ビックリしました。
山本SAN:あれは衝撃的でしたよね。
ユウ:いまね、ベビーフェースでやっているけれど、これまではベビーにやられる側で、やったことがないクリーンな技でも、やれるわけよ。で、男性選手には抱えられちゃったりするワケ。まあ嬉しいよね。いままではジャガー横田さんが、セカンドロープから飛んできたのを必死に受け止めて、そこからやり返すみたいなことをやってたけれど、受け止められる側をやったことがないから。まあ楽しい!
――ユウさん、まだまだ頑張るということですね。
ユウ:還暦記念興行の最後に「もうちょっと頑張ろうかな。細々と」って言ったんだよ。
山本SAN:でもあのときは、みんなウルウルしていて。いかにも辞めちゃうような感じだったじゃないですか。レフェリーのTommyさんも泣いてたじゃないですか。本当に、これから引退宣言するんだな、という感じでしたよね。
荒川GM:最後、立てないくらいにやられて、マイク持ってましたからね。
山本SAN:マイクをリングに置いて、山口百恵みたいに辞めていくのかとね。
荒川GM:でも結果的には、あのラストシーンは良かったと思います。ユウさんとダンプ松本が組んで、セコンドにブル中野がいるのを見ちゃうと、またどこかで、こういうカードを組んでみたいとね。年に1回くらいはレジェンドマッチをやれればなあと、思ってもいます。
――長時間に渡ってお話、ありがとうございました。では最後に、11・20新宿大会へ来て下さるファンの方々に、届けたい言葉をどうぞ。
山本SAN:今回のメイン、久々のCOMBO軍対決。浦野裕太と佐藤将太。死ぬ気でベルト取りにくると思うので、叩きつぶして、今のCOMBOの現状を見せつけたいと思います。ぜひみんな会場で、GORDEN ROCKERSが勝ち名乗りをあげるのを、応援に来てくれよな! よろしくお願いします。
――雷神矢口選手との連携は、磨いていますか?
山本SAN:本物のタッグチームを見せるために、数々の連携を完成させています。そのへんもお楽しみに。
ユウ:第1試合も大事ですよ。どうなるかな? 悪い奴を成敗してやる。クリーン・ユウの赤いハートのTシャツも売ってるし。還暦記念興行Tシャツは残りわずかで、たぶん買える最後のチャンスだから。ぜひ会場に来て買ってね。笑顔で売ります、クリーン・ユウだから(笑)。
荒川GM:今年最後の11月20日(日)、COMBO新宿FACE大会なんですけれど。第1試合からメインイベントまで見所たっぷりな内容で、対戦カードを組みました。たぶんゲストも来てくれると思いますが、ひとつずつの試合はバラエティに飛んでいて。ほかの団体とは違う、頑張っているCOMBOの色は、見に来てくださるとわかると思います。今年最後の大会、ぜひ会場に足を運んで下さい。絶対に納得できる内容で、笑顔で帰っていただける大会になると思います。
ユウ みんな、待ってま~す!!
(文/フリーライター安西伸一)
▼対戦カード
【第一試合】
COMBO笑激情
(またまた?悪くな~る! の巻)
AGGREGATION(Angee & クリーン・ユウ & スペルアルコン & 筋王 & ザ・フライトマン & マッハ井原 & 蔦神ぴよ太郎)
VS 極黒惨(MlHOんだ☆ラメら~ラウジー & サンダーG & 怪人カルボンガーZ & 怪人エル ポーデヌー & ブラック3 )
【第二試合】
COMBOキックルール10分1ラウンド
(THE JAIL GUNS VS チーム丹波麟)
シゲKING & 赤羽秀一 & DAI VS 丹波麟 & セダーTAKUYA & RYO
【第三試合】
3WAYマッチ 30分1本勝負
長井満也 VS 男盛 VS 洞口義浩
【セミファイナル】
タッグマッチ 60分1本勝負
(COMBO連合軍vsシャドウ軍団)
舞牙 & スーパータイガー VS シャドウG & シャドウ・リー
【メインイベント】
EITCタッグ選手権試合 60分1本勝負
山本SAN & 雷神矢口 VS 浦野裕太 & 佐藤将太