宮沢賢治「銀河鉄道の夜」を起点とした小池博史のオリジナル舞台『幻の光』まもなく上演
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『幻の光』
2022年12月2日(木)~12月4日(金)シアターグリーンBASE(東京都豊島区)にて舞台演出家・小池博史の新作舞台『幻の光』が上演される。
本作は宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を見直し、宮沢賢治の思想を現代へのメッセージとして宇宙や自然の映像のプロジェクション、カメラで撮影される水と光の照明美術、ダンス、生演奏の音楽 を融合した約70分の舞台芸術作品の公演となる。
演出家の小池は「自然の前で謙虚であれ」という宮沢賢治の思想が新しい叡智の世界を築くためのヒントであることを察し、2012年から2015年まで宮沢賢治の3作品「風の又三郎」、「銀河鉄道の夜」、「注文の多い料理店」を能やバリ舞踊の実演家、現代アーティスト、様々なジャンルの音楽家たちと舞台化する事業を実施。
その作品群は現在小池博史ブリッジプロジェクトのレパートリー作品として国内外で公演を続け、累計動員数は1万人超の人気作品群となっている。
宮沢賢治の作品の舞台化を開始してから11年後、日本と世界はさまざまな自然災害や人災に直面している。資源の枯渇や気候変動の危機から発展している戦争は止まない。「人新世」という言葉も浸透し始め、わたしたちは人間と自然の関係性を問い、宇宙的な規模で物事を考え、人間中心の社会からあらゆる生物、異なる人間や文化との共存の実現へ多角的な方面からアプローチし、新たな価値観を育むことが求められている。
宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」では生と死や現実と夢の境目が交じり、銀河の壮大なちからとそこに生きる人間の愚かさを感じさせられる要素が読み取れる。その要素を宇宙や自然の映像プロジェクション、カメラで撮影される水と光の照明美術、ダンス、生演奏の音楽を融合させた舞台作品「幻の光」で表現し、環境問題や人と自然の危機をあらゆる視点から問う機会を届ける。
演出家・小池博史 コメント
光には必ず影があり、ぼくらはそのうちの明るい方に引き寄せられるが、暗いところでじっと息を潜めている人々がいる。だが、それは、実は世界のほとんどの人々なのだろう。ぼくたちの欲望は、元来はこんな世俗にまみれた世界にはない。宇宙の彼方と呼吸を合わせて、ぼくらは自分のからだの存在を確かめ、安堵したいのだ。そして光をじっと見つめ、光を浴びたいのだ。ぼくらは本当は自由なのだ。と、光を見て叫びたい、と、思っている。
『幻の光』
公演情報
2022年12月2日(金)開演 20:00/開場 19:40