キック無敗王者の原点は「猪木vsタイガー・ジェット・シン」だった! あえて異種格闘技戦にのぞむ龍聖のルーツとは?
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キックボクシング13戦13勝(10KO)無敗という華々しい経歴のエリート・アスリートである龍聖。もちろん、このままキックのスター街道をひた走るものと思っていたら、なんと今回の「INOKI BOM-BA-YE×巌流島」で異種格闘技戦への挑戦を表明してきたから驚きだ。しかし、よく話を聞いてみると、幼い頃からアントニオ猪木の異種格闘技戦を見て育ったという、思わぬルーツを持っていることがわかった。2000年代生まれの若者にも“猪木ボンバイエ”との運命を感じさせる選手がいた。
僕が転落で勝ったところで、めっちゃつまらない。普通にぶっとばしたい
――MMAはいつから練習していた?
龍聖 試合が決まってからです。なので12月の頭とかですね。初心者です。
――グラップリングもまったく経験がない?
龍聖 ないです、ないです。むずかしいけど楽しいです。まだ寝技で決めようというのはないですけど、対応できるように。
――今回は相手がムエタイの選手なのでスタンドの打撃の攻防になりそうですが?
龍聖 そうだと思いますね。いつもどおりの立ち技プラス寝た時の対応というイメージで練習してきました。
――打撃でやったら負けることはない?
龍聖 相手にならないと思います。
――オープンフィンガーグローブでやってみてどうですか?
龍聖 そこが一番ちがうというか、むずかしく感じたところです。グローブとオープンフィンガーの厚みの少しの違いで、ミートした感じとか、パンチの威力とか、タイミングとかすごく違うくて、そこがむずかしかったなって。それでも当たったら相手は倒れるので、そこは変わらないですけど。
――巌流島ルールだと「転落」がありますが、押し出しについては?
龍聖 そうですね。普段、落ちてしまうような場所で練習することってないので……(笑)。そこはもう未知というか、ヨーイドンでやるしかないですね。でも僕はもともと下がりながら闘うタイプじゃないので、そんなに気にしてはないです。
――相撲をやったことは?
龍聖 ないです(笑)。でも首相撲で投げます。
――相手はムエタイ選手で首相撲は本職ですよ。
龍聖 まあ、それも負けないと思いますけど。
――相手が押し出し勝負できたらどうします?
龍聖 押し出してきたところで回せるのでべつに。そうはこないと思うし、それだと向こうも疲れると思うし。僕のほうが若いですから、押し合いになったら僕が有利だと思います。相手は休憩しながら消極的に闘うと思うので、そこをどう潰すかですね。あっちがガンガンきたらカウンター合わせればいいし。
――今回の試合は1Rに3回転落してもKO負けにはならないルールですよね?
龍聖 そうですね。ラッキーって思いました(笑)。
――転落でKOにはならないですが判定時のポイントとして影響する、というルールになります。それでも場外には落ちたくないものですか?
龍聖 もちろん落ちたくないですね。流れを切りたくないので。でも仮に転落KOがあったとしても、僕が転落で勝ったところで、めっちゃつまらないじゃないですか? そこは狙ってなくて、普通にぶっとばしたいです。
――そこはプライドがルール?
龍聖 そうですね。
――もともと異種格闘技に対するロマンって持っていたんですか?
龍聖 はい。僕の叔父さんがアントニオ猪木さんの大ファンで、小学生の頃に異種格闘技戦などのビデオを見せられてて。
――見せられた(笑)。
龍聖 夜中とかに一緒に見るぞと言われて、よく二人で見てたので今回すごく感慨深いというか。今回このイベントに出ることを叔父さんが一番喜んでて。誰よりも喜んでるので。
――ある意味、猪木さんの試合が格闘技を始めるきっかけにもなっている?
龍聖 そうですね。僕が格闘技を始める前から見ていたのがプロレスなので。
――猪木さんの試合で印象に残っているものは?
龍聖 タイガー・ジェット・シンの試合ですね。あとハルク・ホーガンに負けてしまう試合。失神して舌を巻いてしまうやつ。最初は「プロレスってどうせガチじゃないし。ショーだし」と思いながら見たんですよ。そしたらタイガー・ジェット・シンの腕を折ってしまったじゃないですか? あれは本当にびっくりして。すげえなと思って。あとプロレスって負けないように決まってるものだと思っていたら、(ホーガンに)負けちゃったので、すごく衝撃的で。
――龍聖選手って2001年生まれですよね?
龍聖 はい(笑)。でもビデオで見せられてたので。当時のプロレスは熱気がぜんぜん違うくて魅せられましたね。
――猪木アリ戦も見た?
龍聖 はい、見させられました。でも子供の頃だったので、ちょっと理解するのがむずかしい試合でしたね。今の格闘技はプロレスから始まってると言ってもいいと思うので、自分にとってすごく大きな存在です。
記事提供:INOKI BOM-BA-YE 巌流島事務局