画餅第2回公演『ホリディ』神谷圭介×佐久間麻由×小野カズマ×波多野伶奈インタビュー ビジュアル撮影を皮切りに続く、豊かな”画づくり”
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左から佐久間麻由、神谷圭介、小野カズマ、波多野伶奈 写真/吉松伸太郎
2023年1月19日(木)より下北沢 小劇場B1にて、神谷圭介のソロプロジェクト画餅(えもち)の第2回公演『ホリディ』が上演される。自身がメンバーとして参加するテニスコートのコント公演をはじめ、玉田企画や東葛スポーツ、マレビトの会、劇作家のケラリーノ・サンドロヴィッチや犬飼勝哉が作・演出を手がける作品など話題の舞台に数多く出演をしてきた神谷が「画餅」を立ち上げたのは昨年のこと。4月に上演された旗揚げ公演『サムバディ』は連日満員、作り込まれたキービジュアルや複数台のカメラを駆使した配信公演も話題を呼んだ。
そんな画餅の第二回公演となる本作だが、前作同様前売
■”画づくり”の基本となるビジュアル撮影は七五三?!
画餅『ホリディ』キービジュアル 上段左上から右に向かって佐藤有里子、小野カズマ、波多野伶奈、神谷圭介、海上学彦、佐久間麻由、髙畑遊 写真/南阿沙美 デザイン/いすたえこ スタイリング/神田百実 ヘアメイク/山口恵理子
――画餅のキービジュアルは世界観がすごく作り込まれていて旗揚げの際から話題になっていました。演劇のチラシや媒体ではなかなか見ないタイプのビジュアルで、私自身も今作『ホリディ』のお披露目を今か今かと楽しみにおりました。
佐久間 すごく楽しい撮影時間でした。デザインは前回と同じいすたえこさんが手がけて下さっていて一目で「画餅のビジュアルだ!」と分かるムードではあるのですが、前回とは少し違うトーンも散りばめられていて……。個人的には台本もビジュアルに沿っている気がしていて、今回はどこか映画的というか物語感がより強まっている印象を受けました。作品もそんな風になっていくのかなとドキドキしています。
神谷 そうですね、ビジュアルに引っ張られる部分は少なからずあるかもしれません。前作の時と同じくキャスト顔合わせがビジュアル撮影日だったので、挨拶もほどほどに各々いきなりメイクが始まって……。ふと思ったのは、これって多分七五三みたいなものじゃないかと。ここまで作り込んで写真を撮ることって記念や行事以外にはほぼないですよね。
佐久間麻由
佐久間 小野さんは前日からドキドキして眠れなかったそうですよ。
小野 そうなんです。自分の身に一体何が起こるんだろうって楽しみ過ぎて……。眠れなかった分時間が余ってサウナに行ったので、最高の肌状態で臨めて良かったです(笑)。何より、その道のプロの方たちが撮影中すごくはしゃいでいらして、嬉しかったんですよね。俺の写真を撮りながら大人がこんなにはしゃいでくれるものなのか!って。
佐久間 わかります! 撮影しながらスタッフさんが「かわいい」って言って下さるのがすごく新鮮で嬉しくて。稽古場で「かわいい」って言われることってなかなかないですよね(笑)。
小野 実家にいる時ぐらいですよね、あんなにかわいいかわいい言ってもらえるの。
神谷 え、小野くん、実家でそんなに可愛がられてるの?
小野 いや、さすがに今はそんなことないですけどね(笑)。でも、初孫だったからすごく可愛いがられていたんです。そんな幼少期を思い出しました。まさに七五三の追体験。
小野カズマ
波多野 衣装もメイクも含めて体験したことのない撮影だったので、私もすごく高揚していました。でもみんなとは初対面だったから、興奮をまだ誰にも伝えられず、スタジオ中を探検してみたりとずっとウロウロしてました(笑)。
佐久間 そうそう。私もすごく興奮していたんですけど、「もしかして、私1人だけはしゃいでるんじゃないかしら」と内心思ってました(笑)。
小野 でも、あの撮影を経てちょっとほぐれましたよね。同じ体験を通じてコミュニケーションをとったような。
神谷 僕自身が美大出身ということもあり、デザイナーや写真家など様々な表現の分野で活躍している知人や友人の力を借りながら、まずは「画づくり」から始めるのがいいかもと思ったんですよね。そこに小劇場の俳優さんをはめていくことで、まずかっこいいビジュアルに収めてみようと。ビジュアルは最初の画づくりだと思っています。
波多野伶奈
■餅食べたくて絵にまで描くって、すごくないですか?
――画餅という屋号も「絵に描いた餅」からきているんですよね。ビジュアル撮影へのこだわりもそこと通じているような気がしたのですが、改めて命名の由来をお聞かせいただけますか?
神谷 「絵に描いた餅」ってあまりいいイメージを持たれていない言葉だとは思うんです。でも、僕が自分の座右の銘にするならそういうものがいいなと思ったんですよね。餅が食べたいけど、ないから絵に描いた。だけど絵だから食べられない。そういう話ですけど、むしろ「食べたくて絵にまで描いちゃうってすごくないか?」と思うんですよ。
小野 たしかに、そのパッションたるや!ですよね。
神谷 そうそう。そこまで思い焦がれて描いた絵となると、実物の餅が手に入ることよりともすれば豊かなことなんじゃないかって……。なんなら、実物の餅を見ても、「俺のイメージしたやつの方がいい」って思うんじゃないかとかね(笑)。よく「思ったのと違う」とか言うけど、あれってそういうことだと思うんですよ。三島由紀夫の『金閣寺』なんかもそうですけど、その人が描いていたものが実物を越えていたっていうね。僕は「絵に描いた餅」をそういう意味合いでとらえているんです。だから、自分の妄想や想像上で描いているものをとにかく絵に描く、画にするっていうことを重んじていて、絵空事でもいいからやりたいことを詰め込んでやってみようと始めたのが画餅だった。ビジュアルや映像にこだわっているのもそこに通じている気がします。
画餅を手がける神谷圭介
■続々と顔が浮かぶ、魅力溢れるプレイヤーたち
――なるほど! 創作の元本となるイメージや想像力の無限さを感じる、興味深いお話でした。稽古がいざ始まって、 “画づくり”はより進化しているのではと思うのですが、稽古場の雰囲気はどうでしょうか?
神谷 俳優さんの生き方を作品の中にどう出していけるのか。前作から引き続き、そこを一番考えている気がしています。今はまだ本読みの段階なので、それを掴む作業という感じでしょうか。活躍されている界隈やジャンルが違う方が集まっていることも強みだと感じています。僕なりにはそこはかとない繋がりを感じてお呼びした方々ではあるのですが、普段交わらなさそうな人たちが融合した時の新たな面白さもあるだろうなと。そんな反応に助けてもらいながら作っていけたらと思っています。
佐久間 馴染みの方とクリエーションを重ねるのももちろん嬉しいことなのですが、コミュニティ内で役割や立ち位置が決まっていっちゃう側面もあると思うんです。そういう意味では、こうして初共演の方々とお芝居をしたり、新しいカンパニーに入れてもらえることはすごく貴重で……。自分の新たな役割やポジションを見つけられるんじゃないか、という期待もあってすごく楽しいです。
神谷 佐久間さんは出演される作品によって全く違う役をやられている印象があったので、それらを一つのヒントにしつつ今回の座組だとどの役や立ち位置がハマるんだろうと考えています。基本的には自分も含めて俳優さんの新しい顔を見たくて始めた企画でもあるので、揃った面々のムードを受けてアレンジしながら作って行けたら思っています。
――波多野さん、小野さんもまた様々な作品で活躍されていますが、神谷さんからみた印象は?
神谷 波多野さんを最初に観たのは、劇作家・犬飼勝哉くんの『アイランド 弐』という映像配信のみでやっていた作品で、それがすごく印象的だったんですよね。犬飼くんの作品の系統としては、僕自身がすごく影響を受けている松田正隆さん主宰のマレビトの会などの印象に近しい空気があったので、波多野さんもそういうジャンルで活躍される性質をお持ちかと思っていました。でも、実際には不条理コントに出演されていたりと全く違うこともやられていて、印象が更新されていくような感じがありましたし、世代感も含めて出てもらえたらいいなと思っていました。小野くんは、実は画餅を始める時に早々に声をかけていて……。でも、初回ではタイミングが合わなかったんだよね。
小野 そうです。これには紆余曲折のモヤモヤもありまして! というのも、2回目をやるという情報は入ってきていたのですが、自分が出るかは分からなかったんですよ。だから「これ、俺って出るのかな」ってしばらく考えてました。そんな中で別の流れからご飯に行った時に神谷さんが思い出して……。多分、神谷さん忘れっぽいですよね?(笑)
佐久間 実は私も「1回お会いしましょう」となってから結構時間が空いたので、「忘れられちゃったかなぁ……」と思ってました(笑)。
神谷 いやいや、忘れていたわけでは決してないのですが、自分の出演公演があったりして時間が経ってしまって……。でも、性格としては忘れっぽいとこはあるかもしれない(笑)。そもそもお声がけしたい俳優さんがたくさんいる、というのもありますね。
小野 もし第3回公演で呼びたい方がいたら、もうこのタイミングで連絡しちゃった方がいいかもしれないですよ! もはやこの記事がリマインドになるかも。ちょっと、これ書いておいてもらえますか? 俳優のためにもこれだけは!
全員 あははは!
神谷 そう言われてみれば、髙畑遊さんもそうだ! 「呼びたいんだった!」って思い出して膝を打ちました。作品との相性や配役を自分なりに色々と考えているうちにだんだん抜け落ちていくことがあるんですよね。頭の中に浮かんでいる人は本当にたくさんいるんですけど。
佐久間 よかったですね。私たち、こうやって無事集まれて……(笑)。
■「違和感」がクリエーションのキーに
――前作『サムバディ』は短編3作という構成でしたが、今回もそのような構成で上演されるのでしょうか?お答えできる範囲で今作の構想を教えて下さい。
神谷 構成的には同じく3つの短編で考えています。前回は『サムバディ』というタイトルで「誰かにとっての誰か」みたいなイメージがあったので、人物の構図も自ずと2:2:2となっていたんですね。でも、今回は各エピソードにキャスト全員が少なからずとも出てもらうことになりそうです。『ホリディ』というタイトルには旅行や非日常みたいなイメージがあり、前作よりも空間がひらけていくのではないかと思っています。前作はワンシチュエーション的な趣があったのですが、今回はシーンが切り変わるので、エピソードも多くなるだろうなと。そこが前回と違うところで、映像配信も含めてどういう景色を見せていけるか考えているところです。
稽古の一幕。移動中の機内で隣り合った他者と交わされる何気ない会話。男(写真左:海上学彦)が腹の内に抱える”思惑”が見え隠れするシーンに思わず笑ってしまう。
――前作を拝見して、神谷さんが紡がれるユーモア溢れる会話劇には、言葉には描かれていない景色をもが立ち上っていくような瞬間があると感じました。セリフそのものは難解なものではなく普遍的な人間同士の会話なのですが、そこから人物像やその背景の複雑さが見えてくるような感触がすごく印象的で……。言葉やセリフ選びにどんな魔法が仕掛けられているんだろう、というところをお聞きたいのですが。
波多野 私も前作を拝見したのですが、単語一つのワードチョイスにもインパクトが光っていて、神谷さんならでは視点を随所に感じました。例を挙げるなら、前作の最初の短編に出てきた「トランポリン」。そのワード自体は全員知っているものだけど、日常にはそう登場してこないワードだとも思うんです。その単語一つでどれだけ景色を広げるか、遊ぶかっていうのがすごく魅力的で一番好きな作品だったんですよね。
神谷 難しい言葉はなるべく使いたくない、とは思っているかもしれませんね。
佐久間 波多野さんのお話にも通じるかもしれないのですが、神谷さんが「セリフに依り過ぎないようしている」というお話をされていたのも印象的でした。セリフで説明はされていないんだけど登場人物に流れる時間を感じるというか、それぞれが生きてきた人生を感じる瞬間があって……。興味深く感じながら稽古をしています。
波多野 今回もそういった神谷さん独特の視点が溢れている気がしています。同時にそもそもが面白い、インパクトのある単語や一言が散りばめられているので、自分がそれらを扱い切れるかということは考えますね。どんな風に発し、どう運んでいくか。ただでさえ面白いものをきちんと面白く届けないと、という緊張感もあります(笑)。
互いのリアクションにおける強弱や間合いを綿密に探る神谷。回を重ねる毎に言葉の奥に潜む意図が景色として立ち上がり、会話劇の可笑しみは加速する。
神谷 「違和感は、それまで見てたものの見え方が変わっておもしろいな」っていう意識はあるのかもしれません。これはコントを作っている時と変わらない感覚なのですが、デザインやアートの分野でも既存のものへの視点が変わることで別のものに見える、ってことがあるじゃないですか。そこと遠からずのことをやっているような……。言葉一つにしても、なぜかそこだけが浮いている、独立しているもの。そうなっちゃっているものや現象がそもそも好き、という僕個人の趣向もあると思います。だから、映像での見え方も含めて俳優さんには突如謎の位置に移動してもらうこともあるかもしれません(笑)。
小野 謎の位置(笑)。ドキドキしますね。
佐久間 「違和感」って画餅のクリエーションの大きなキーワードな気がしますよね。ビジュアル撮影の時もデザイナーさんや写真家さんが「もうちょっと違和感つけよう」と言いながら、演出を足したり引いたりされていたし……。
波多野 そのギリギリのラインというか、瀬戸際なのがまた面白いですよね。ビジュアルでもパッと見ではその違和感に気付かないというか、一見した時は変じゃないんですよ。でも、よくよく見たらすごい変なトロフィー持っていたり(笑)。そういう目を凝らしてみたら気づくような違和感が作品にも生まれるのではないかと感じます。
神谷 でも、なるべく変なこと言い過ぎないようにとは思っているんですよ。本当です、変なこと言う勝負!とは思っていないので(笑)。何もない中に風景が立ち上がっていく演劇が好きなので、美術も具体的なものを多く盛り込もうとは思っていなくて……。目の前の空間がどんなものかを時間をかけずに伝えるために必要なものや技術は出てくるかもしれないですが。でも、あれだけビジュアルに美術や装飾をかけて、本編はほぼ素舞台っていうのがまた絵に描いた餅=“画餅”というか(笑)。
小野 そこはもう、もはやスタイルですよね。かっこいいです。
画餅『ホリディ』キービジュアル 写真/南阿沙美 デザイン/いすたえこ スタイリング/神田百実 ヘアメイク/山口恵理子
■「コント」と「演劇」、その違いや融合について
――前作の画餅では、短編という尺感も含めてコントの軽やかさも確かに感じたのですが、観劇後には「演劇観たぞ!」という充足感もあって……。コントと演劇って、どういう差があるんだろうということも不勉強ながら考えさせられました。
神谷 個人的には長さだと思ってはいますね。尺が短く、「ドラマ」よりは「笑い」を主軸に演技態や設定を寄せていくのがコントで、演劇との違いはそのバランスや歩合なのではないかと思います。画餅は通常のコントよりは明らかに長い、でも演劇よりは短い。そのぐらいの尺で作品を作っていくのが今の自分には合っていると思っています。そこに「不条理」が入ってくると、また少し勝手は違ってはくるのですが……。画餅では、シーンによっては笑わせるための演技態が入るところもありますし、そういう意味では随所にどちらもの要素が入っているのかもしれません。
波多野 たしかに、コントには「ここで笑ってください」みたいなセリフやタイミング、その導線がよりある気がします。ツッコミのあるなしも演劇とコントの違いかもしれないですね。
――小野さんは劇団「地蔵中毒」などの公演でもコントに近しいことをやられている印象がありますが、画餅ではご自身のカラーやキャリアをどう活かしたいと考えていらっしゃいますか?
小野 自分がこれまでやってきたことが画餅の作品に通用するかは正直まだわからないんですよね。でも「違和感」や「不条理」といったところで言うと、今回僕が演じる人物は「違和」を担うキャラクターなのではないかと感じています。こいつさえいなければ普通に進んでいる物事がこいつがいることで進まないという役。だから、効果的に存在できたらいいなとは思うのですが、お客さんに「こいつ、いらないなあ」と本気で思われるのは嫌なので、適度に浮かないよう、嫌われないようにやっていけたらと思っています(笑)。
佐久間 小野さんの仰る俳優のキャラクター性にも通じる話なのですが、神谷さんが以前「俳優のタイプはご飯とおかずに分けられるんじゃないか」って仰っていたのがすごく印象的で、稽古中も時々思い出します。
神谷 マレビトの会に参加した時に俳優間でそういう話が出て、なるほどと思ったんですよね。そういう意味では濃いおかずは白米が美味しいし、しかし白米がなければ意味がなかったりもする。ちなみに僕はその時チャーハンだと言われたんですけどね。だとしたら、出汁のきいた炊き込みご飯になるのも一手だし……って、この話、合ってる?大丈夫?
全員 あははは!
神谷 つまり、いろんな個性とバランスがあるよっていう話です。
小野 みんなで美味しくやっていきたいですね。
■7種7様の強者で目指す、画の完成
――楽しいお話の数々、ありがとうございました! 本番に向けてさらなる“画づくり”が続いていきますが、今後どんな画を目指していきたいか、みなさんの展望を教えて下さい。
小野 とにかくまずは、舞台上で笑わないようにすること。髙畑さんと以前共演した時、すごい剣幕で怒鳴りつけられるシーンがあったんですけど、僕がゲラなのと、髙畑さんが面白すぎるのとで「もう少し弱くしてもらえたら耐えられそうなのですが」と相談をしたことがあって……(笑)。今回はそんなお願いをしないように気を引き締めて挑みたいと思います。佐藤有里子さんも要注意ですね。顔合わせの時から「あ、この人はやばいかも」とセンサーが感知しました。
劇団普通、くによし組、MCR、桃尻犬、みそじんなど多様なカンパニー作品に出演が相次ぐ佐藤有里子。そのただならぬ存在感を以て本作でどんな役柄を担うかが気になるところだ。
佐久間 私はそんな髙畑さんと佐藤さんという強者に挟まれる役柄なので、本読みでは最後まで笑わずセリフを言えたことがまだないんですよ(笑)。個人の課題としては、セリフの言い方をより見極めることかなと思っています。ツッコミとして言うのか、物語の感情に沿って言うのか。そういった絶妙なバランスが必要なので、神谷さんの天才的な塩梅をしっかり体現しなきゃと思っています。コントや笑いの起きるお芝居にそこまで多く出たことがなかったので、空いている時間にコントを沢山見ています。皆さんの面白どころに慣れながら、いろんなアプローチを試したいですね。
波多野 私はこれまでは結構おとなしめのキャラクターというか、相手に振り回される立場の役が多かったんです。でも、今作では人を振り回す側のパッションある役柄を演じるので、そこと自分との距離をどう詰めていけるかを日々考えています。俳優としては元より自分の人生でも経験したことのないような、ある強烈なシーンがあって(笑)。本番を観てくださる方には「ここか!」と気づいてもらえると思うので、そこも含めて楽しみにしていただけたら……。共演者の皆さんの爆発的な面白さにも慣れなきゃいけないし、そもそも自分が発するセリフの面白さがヤバすぎる問題もあるので、まずはそこを笑わずしっかり読める様にしなくては!(笑)。日々の稽古で「笑い」に慣れながら頑張りたいと思っています。
佐久間 舞台上で神谷さんとどう絡むことになるんだろう、という楽しみもありますよね。
小野 そうですね。今はまだ神谷さん演じるキャラクターは出てきていないですもんね。
神谷 画餅は自分が楽しくやるために始めた企画なのですが、たくさんの魅力ある方々のお力をお借りしているので、それらを全部活かそうと台本を書いていると、自分があんまり出て来なくなっちゃうんですよ。今は自分をどこに入れ込むかにも苦戦していますが、それがうまくハマれば完成に近づくんじゃないかなと。僕自身、これからの稽古でどうなっていくんだろうっていうシーンがめちゃくちゃあります。まだそこが野放しになっている状態なので怖くもありますが、楽しみながら描いていきたいと思っています。
取材・文/丘田ミイ子
取材写真/吉松伸太郎
公演情報
19日(木):19:30
20日(金):19:30
21日(土):13:00/17:00
22日(日):13:00/17:00
前売一般:4300円 がんばれ画餅応援
映像演出:髙木考一(HOEDOWN)・高畑陸(ニュービデオシステム) 音楽:ビデオテープミュージック
Art Director / Designer:いすたえこ Photographer:南阿沙美 Retoucher:三島佑季子 Stylist:神田百実 Hair & Make up:山口恵理子 Prop Stylist:たなかともみ(HOEDOWN) Web Design / Development:HAUS 宣伝:ヤマグチナナコ 衣装協力:babaco、balloonbala