工藤美桜、次は江戸の心中者をゼロへーー映像と舞台が融合した映画『まくをおろすな!』から始まる2023年は「良い年になりそう」

2023.1.27
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工藤美桜 撮影=ハヤシマコ

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『仮面ライダーゴースト』(2015〜16)とスーパー戦隊シリーズ『魔進戦隊キラメイジャー』(2020〜21)に出演し、二大特撮ものでヒーローに変身した初の女性キャストとなった工藤美桜。日曜劇場『TOKYO MER~走る緊急救命室~』(2021)の「死者は……ゼロです!」というセリフで注目を浴びてからは、さらに活躍の幅を広げている。そんな工藤は1月20日(金)に全国ロードショーとなった超デラックス時代活劇『まくをおろすな!』に出演中だ。同作で工藤は、ふぉ~ゆ~の越岡裕貴が扮するブン太(紀伊国屋文左衛門)とバディを組み、江戸でブームとなった心中を未遂にさせるべく奮闘するモン太(近松門左衛門)役を務めた。日光江戸村で撮影したロケシーンと劇場で撮影されたシーンが融合するという、挑戦的な内容の同作の魅力、そして工藤にとっての越岡の存在とは。

工藤美桜

●実在した近松門左衛門を演じる難しさ

ーー『まくをおろすな!』の台本を初めて読んだ時の感想を教えてください。

2022年の2月に映像の撮影をして、8月に上演した『まくをおろすな!LIVE』で舞台パートの収録をしたのですが、最初から台本にはどちらのパートも書かれていました。内容も時代物なのに今風だし、「これは一体どうなるのだろう」というのが率直な感想です。でも今まで観たことのない、芝居とミュージカルがうまく融合しているところが魅力だなと思っています。歌、ダンス、殺陣と、いろんなエンターテインメントがぎゅっと詰まっているので、観た後にハッピーな気分になってもらえるはずです。時代物に堅い印象を抱かれる方もいらっしゃいますが、気軽に観ていただける作品になりました。​

ーー今回工藤さんは、越岡さん演じるブン太とともに心中希望のカップルに芝居を打たせ、遊女を新吉原から逃がすためのストーリーを書いているモン太役を務められています。工藤さんから見たモン太はどんなキャラクターですか?

『曽根崎心中』を書いて、江戸に心中ブームを起こしてしまった元凶は自分だということで、罪滅ぼしとして「心中コーディネーター」をしています。あんなに良いストーリーを書けないけど、私も不器用で感情がうまく出せなくて、考えて考えて行動するタイプなので、モン太と似ている面があるなと思います。自分が死のうとしたときに手を差し伸べてくれたブン太には感謝してるし、でも不器用だからこそ強くあたっちゃう。でも人の気持ちはわかるので強くは当たるけどそこには愛があって。繊細ではあるのですが、喜怒哀楽はハッキリしていて表情がコロコロ変化するので、観ていて飽きない子です。

工藤美桜

ーー今作は演劇ユニット30-DELUXを主宰する清水順二さんが、初めて監督を務められました。清水順監督からの要望で印象的だったことはありますか?

リアクションを素早くするとか、反応が速い子であってほしいとかを言われていました。ブン太に対する「は? こいつ何言ってんの?」という返しを速くすることを心掛けて欲しいということだったので、監督とも相談して実写版の『銀魂』の神楽を演じた橋本環奈さんをイメージしていました。あとは作戦会議で自分の台本について考えている時に、好きなことをしているので、夢中になっている感情を溢れ出して良いとも言っていただきました。

ーーモン太は女性だけど男性として過ごしています。そのあたりも何か指示はありましたか?

で育っているので、嫌な扱いを受けたはずです。だから強く生きたいという思いで男勝りな面があるのではないかなと思っていて。男の子に振った方が良いかと監督にも聞いたのですが、「そこはあまり気にせずそのままやってくれて良いよ」と言ってくださったので。近松門左衛門は男の子、私は女の子で、でもモン太はちょっと男勝りなところもあるし。本当に難しいところです。

『まくをおろすな!』

ーー実在する偉人を演じられているのでより難しいですよね。近松門左衛門について勉強はされましたか?

一応作中の実在する人物は全て、どんな人なのかなというのは多少調べてみたのですが、難しくて。こんな事件だったんだなというのは調べつつ、台本を読んだ方がわかりやすかったので、台本から勉強した部分もありました。『曽根崎心中』は買って読みましたが、難しいですよね。それも古文のものを買っちゃったんですよ(笑)。難しくて難しくて、ネットで解説を調べてみたりしました。でもストーリーがおもしろかったので、今でも流行ると思います。

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