タイトルは「おにぎり」 BLACK IRISの杉本琢弥、ソロデビュー曲を“とびきりポップ”にした理由

2023.3.10
インタビュー
音楽

杉本琢弥

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9人組ダンス&ボーカルグループ、BLACK IRIS(読み方:ブラックアイリス)のメインボーカルであり、“熊本の彼氏”の名でTikTokにて50万人以上のフォロワーを擁する杉本琢弥が、ソロアーティストとしてメジャーデビューすることが決定した。グループでは洗練された楽曲が特徴だが、今回ソロデビューで発表した曲のタイトルは「おにぎり」。とびきりキャッチーなタイトルにまず目を惹かれるが、シティポップ調の楽曲に、何度も繰り返し聴きたくなるようなサビで構成されている。YouTubeのフル尺でも、TikTokの短時間動画でも、再生数が伸びそうな名刺代わりの一曲は、杉本琢弥本人が制作。ソロとして、シンガーソングライターとしての彼のポテンシャルに迫る。

■「一度聴いたら覚える」を意識
ーー本当、不意を突かれたタイトルでした。「カッコよさ」みたいなところがクローズアップされていくのかなと思っていたので。

タイトルは結構後付けだったんですよね。最初にトラックが出来て、そこからメロディと歌詞を入れて、仮タイトルも最初はそれこそおしゃれに『Take my hand』とかにしようと思っていて。でも、今年1年ぐらいでTikTokでの認知度が高くなってきたんで、そこで曲をバズらせることができたらいいなと、覚えやすい名前にしたんですよね。

「おにぎり」ミュージックビデオ

 
ーー結果、良いギャップが生まれていますね。
 
この曲のフックになる『手を握り』っていうサビのメロディを、頭からシンセで流してたりして、『1回聴いたら覚えてくれる』仕掛けをつくることは意識しましたね。あと僕、踊りながら作ることが多くて。
 
ーー「自分がノれるか」みたいなところも重視してのことですか。
 
そうなんです。『おにぎり』もコード4つで作ってるんで、レガートとかしっかり意識しないと、メリハリのない曲になるなと思って、こう立って……(と、席を立ち上がって軽く踊りだす)。こんな感じで家で『こういう振り付けにすると気持ち良い』とか考えて作っています。

ーーいまソロで色々動かれていると思うんですけど、“グループの中の1人”との違いは感じていますか?

もう5年ほどグループで動くのが当たり前になっているんで、ソロの寂しさっていうのは、めちゃくちゃ感じますね。イベントでも、僕の一挙手一投足が見られているわけじゃないですか。水飲む時のシーンとした間とか、耐えられなくなります。ただファンの方も結構甘やかしてくれて、静かに見守っててくれるので……じっとすることも増えてきました(笑)

■ソロで知名度を上げてグループに還元したい
ーーそのあたりは、やはりTikTokで「熊本の彼氏」として、杉本さんのポップなキャラが広まってるのが大きいのではないでしょうか。

そうですね。そこで根強いファンの方々がついてくれているっていうのも、楽曲とかで『ある程度遊んでいい』っていう心の余裕ができますね。

ーーそのアカウントですけど、「大喧嘩した後彼女の看病に来る熊本の彼氏」とか「兄の子供が実はYouTuberだった熊本の彼氏」とか、設定が細かいですよね。

曲もそうなんですけど、お風呂とかシャワー浴びているときに大体ネタが浮かぶんですよね。もっと細かく言うと、浴槽で歯磨きするのがルーティンなんですけど、そのときに『これだ!』っていう世界観のものが浮かびます。産みの苦しみはないですね。

ーー懸念としては、フォロワーが増えてきて、期待感からハードルが上がってしまうことですよね。あと「毎日投稿」と宣言もしていますし。

本当そうですね。ファンの方に『熊本の彼氏、最近投稿してないですけど、やってほしいです!』とはよく言われますし。ただありがたいことにTikTokのおかげで今年入ってから、お仕事の幅がかなり増えまして、ソロもグループも平行していると、あのシチュエーションで毎日投稿するのは結構厳しくなるかなあ……。自分でハードル上げるのが好きなので、できる限り続けますよ。

ーー3月8日の「おにぎり」リリースパーティーのKANDA SQUARE HALLも結構大きいホールですけど……。

それも、自分が『それぐらいのキャパでやりたい』ってハードルを上げて言いました。みんないやいやいや、みたいな感じだったんですけど、『いや、大丈夫っす、やります』みたいな感じで。ソロで頑張ることの根本には、『BLACK IRISを大きくしたい』っていうのがあって、まだどうしてもボーイズグループに抵抗がある人もいると思うんで、自分がポップな窓口になって、そこから知っていってほしいなと思っています。

ーー「おにぎり」の次も、ポップなタイトルを考えているんですか?

困るところですよね。完成したあと、自分でも思いましたもん。『次置きにいけないな』って。『焼きおにぎり』にするか、熊本出身だから『阿蘇山』にするとか(笑)

■「サウナ」「スマブラ」の“ガチ勢”
ーー最後、杉本さんの最近の“ハマリもの”とか聞きたいです。

ずっとなんですけど、サウナですね。最近ケロサウナ(※室内に「ケロ」という木材を使用したサウナ)が1番好きで、100度を超えるぐらいの室温から、水風呂は1桁台でキーンと冷やす。最高ですね。ちゃんと3セット繰り返しています。基本1人で、たまにメンバーとかマネージャーと一緒に行くことがあります。


ーー地方のライブでの楽しみが増えますね。

そうなんです。大体移動中に狙いを定めて。熊本には日本で1番深い水風呂があるんでオススメですよ。

ーーほかには何かありますか?

ゲーム、というか『スマブラ』(大乱闘スマッシュブラザーズ)ですね。思考を休めるために、毎日1日30分〜1時間ぐらいは必ずやっています。非公式のサイトなんですけど、スマブラ戦闘力ランキングみたいなのがあって、何百万人といる中で、一度日本の80位ぐらいまで上り詰めたんですよ。

ーー相当な“ガチ勢”じゃないですか。

基本オンラインでやるんですけど、普通のプロゲーマーの方とかとよく当たって、『有名人だ!』と震えながらやってます。名前は……普通に『たくや』でやっています(笑)



取材・文=東田俊介 撮影=ともまつりか

プロフィール

杉本琢弥
9人組ダンス&ヴォーカルグループ「BLACK IRIS」のメインヴォーカル。グループ初期メンバーであり、歌もダンスもマルチにこなすだけでなく、 メジャー1stシングル「Super Nova」をはじめ、グループの楽曲で作詞・作曲も担当している。TikTokでは「熊本の彼氏」として、完全セルフプロデュースで熊本弁での”彼氏感”をテーマにした動画を毎日投稿し、約60万人のフォロワーを獲得。
 
 
<BLACK IRIS>
Official HP:https://blackiris.jp/
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