海宝直人は「頭脳派」、平間壮一は「人たらし」?~二度目の共演を果たす二人が語る音楽劇『ダ・ポンテ』その魅力とは
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■平間壮一は「人たらし」(海宝)、海宝直人は「頭脳派」(平間)
――お二人は、今回が二度目の共演になりますね。
海宝:平間くんとはミュージカル『バイオハザード』(2016年)で共演しています。すごくこう、いい意味で「人たらし」というか(笑)、周りから愛される人ですね。みんなに可愛がられて、現場の空気がほっこりするような。また、役に誠実に向き合う表現者、アーティストだなという印象もあります。今回新しい作品を一から一緒に作ることができるのは、とても楽しみですね。
平間:海宝くんは、常に頭を使ってお芝居を考えているというか、にらめっこして作っていってるんだな、っていう印象があります。それに比べると自分は感覚派で、まずやって出してみて、気づいたことを後でメモしていくというタイプなので、真逆の二人が集まったなという感じがしますね。頭脳派の海宝くんと話すときは、自分が失礼なことを言ってしまっていないかといつも緊張します(笑)。
――そうなんですね(笑)。でもその真逆な感じがダ・ポンテとモーツァルトの関係性にも生きてくるかもしれませんね。平間さんから見て、役者としての海宝さんの魅力はどんなところに感じられていますか。
平間:以前、海宝くんが出演したミュージカル『イリュージョニスト』(2021年)を観に行きまして、コロナ禍で演出を変えて上演されたものだったんですが、それがすごくかっこよかったんです。役者同士の対面を抑えて、客席の方を向いて芝居する場面が多く、個人的にも好きな演出だったんですが、観ていて「本当にお芝居が好きなんだろうな」というのが伝わってきて。歌は皆さんご存じの通り素晴らしい方。でもそのときは“歌の人”というイメージより、芝居好きな面を感じて、より魅力的な役者だなと実感しました。そんな方とがっぷり四つに組んで作っていくのは、緊張もしますが楽しみですね。
――他にも楽しみにされている共演者の方はいらっしゃいますか。
海宝:皆さん楽しみですが、サリエリ役の相葉(裕樹)くんは『レ・ミゼラブル』や『アナスタシア』でも共演していているので、とても心強い存在です。女性陣は初めてご一緒する方が多いですが、ナンシー役の田村芽実さんとはTOHO MUSICAL LAB.で、それぞれ別作品に出演していたり、『雨が止まない世界なら』というミュージカルのコンセプトアルバムにお互い参加していたりというご縁があって。本当に素晴らしい歌声で、表現者としていつも素敵だなと思っているので、ご一緒できるのが楽しみです。
■オリジナル新作に「みんなで意見を出し合ってチャレンジしていければ」
――演出は青木豪さんです。
海宝:青木さんとご一緒するのは今回が初めてで、未知ではありますがとても楽しみですね。以前、青木さんが演出されたミュージカル『バケモノの子』を拝見させていただきましたが、パペットの使い方や舞台転換など、多彩な手法を用いていたのが印象的でした。ビジュアル撮影のときにご挨拶した程度で、まだちゃんとお話ができていないんですけれども、これから一緒に作品を作っていけることにワクワクしています。
平間:最初にお会いしたのが、佐藤健くんが主演の『ロミオ&ジュリエット』(2012年)で、その次に僕が出演した『黒白珠』(2019年)という作品で豪さんが脚本を書かれていて。あと、観劇の際に劇場でたまにお会いすることもあって、休憩中とかにちょっと話したりする時に、「視点が面白い方だな」と感じます。「どこを見ているんだろう?」って気になる人なんですよね。あのまん丸の可愛い目で、どこに注目して、何を大事にされているのかなって。
――『黒白珠』はストレートプレイということもあり、平間さんのお芝居が印象に残った作品でした。当時の青木さんとのエピソードで覚えていることはありますか。
平間:けっこう大変な作品で、役者と脚本家と演出家、舞台監督も含めて、みんなで作っていったところがありましたね。脚本を書くためにエチュードをして、「こういう状況だったら、役者はなんて言いたくなるのか」とディスカッションして、すぐに青木さんが脚本を書き直したりとかしていて。今回も意見を出し合いながら、みんなで作っていけたらと思っています。
――今回、オリジナルの新作になりますが、新作に挑む醍醐味はどんなところに感じますか。
海宝:やはり面白さと大変さ、両方ありますよね。みんながそれぞれ必死になってアイデアを持ち寄って作っていくので。どんな現場もそういった場面はありますが、例えば動きなどすべてがきっちり決まっている中で自分の個性を乗せていく、という作品の作り方とはまた違う工程が必要になってきますし。各々が自分の引き出しをどんどん開けていって、毎回いろんなことにチャレンジしていく、そういったみんなの姿を体感できるのが刺激的であり、面白く感じるところですね。
■音楽劇ならではのエンターテインメント性と人間模様に注目
――作品の公式サイトに、ダ・ポンテとモーツァルトとの関係性を謳った「君は最高の相棒」というキャッチコピーがありますが、お二人にとってそう思える“相棒”はいますか。
平間:そんな風に呼べる存在に出会いたいですね、これから。やっぱりこの世界で役者をやっていると、周りの仲間は友達であると同時にライバルでもあるので、“完全なる味方”って言える存在がいると心強いなと思います。
海宝:僕は音楽活動でバンド(シアノタイプ)をやっているんですが、バンドメンバーの仲間は、相棒と言える存在ですね。彼らといると、自分のホームにいるような気持ちになれるので。
――バンドも結成10周年を迎えられて、益々充実しそうですね。それでは最後に、お客さまへメッセージをお願いいたします。
海宝:演出の青木豪さんをはじめとする、素晴らしいキャスト、クリエイティブチームの皆さんと一緒に新しい音楽劇を作ってまいります。笑いあり、グッとくるところもある、そして音楽劇ならではの聴きどころや見どころの詰まった、エンターテイメント性の高い作品に仕上がっていくのではないかと感じています。自分の人生を生き切ったダ・ポンテという人物を通して、観終わったあとはきっと前向きな気持ちになれる作品だと思いますので、ぜひ楽しみにしていてください。
平間:「人間は愚かだな」、と思うことが年を重ねるごとに増えてきたのですが、そう感じる事態に直面して立ち向かったときに、人間は成長できるのだと思います。でも、現実世界で体験すると辛く感じることもあるので、舞台の上で起きている人間模様をご覧いただいて、こういうところに気を付けよう、身近な人にこうやって接してみよう、と振り返って感じてもらえる作品をお届けしたいと思っています。ぜひ劇場に足をお運びいただけたらうれしいです。
ヘアメイク=友森理恵
スタイリスト=津野真吾(impiger)
衣装協力=D/him(フィルム)ジャケット(アウター)¥83,600、ジャケット(インナー)¥53,900、ニット¥37,400 ※全て税込
【平間壮一】
ヘアメイク=菅野綾香
スタイリスト=岡本健太郎
取材・文=古内かほ 撮影=池上夢貢
公演情報
音楽:笠松泰洋
演出:青木 豪
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト役 … 平間壮一
アントニオ・サリエリ役 … 相葉裕樹
フェラレーゼ役 … 井上小百合
ナンシー役 … 田村芽実
コンスタンツェ役 … 青野紗穂
皇帝ヨーゼフ二世役 … 八十田勇一
【プレビュー公演】
日程:2023年6月21日(水)~25日(日)
会場:シアター1010
お問い合わせ:シアター1010
03-5244-1011 www.t1010.jp ※窓口販売・予約引取開始 3月13日(月)~
2023年7月9日(日)~16日(日)
会場:東京建物Brillia HALL
料金:S席(1、2階席) \12,500(税込)
A席(3階席) \9,500(税込)
お問い合わせ:キョードー東京(平日11:00~18:00・土日祝10:00~18:00)
0570-550-779 www.kyodotokyo.com
6月30日(金)・7月1日(土)日本特殊陶業市民会館ビレッジホール
お問合わせ先:キョードー東海052-972-7466
7月20日(木)~7月24日(月)新歌舞伎座
お問合わせ先:新歌舞伎座06-7730-2121
企画製作:東宝