サンボマスター『EIGHT BALL FESTIVAL 2023』ライブレポートーー「俺たちに証明させろ！」MWAMとのコラボでも魅せた濃厚ライブ

『EIGHT BALL FESTIVAL 2023』サンボマスター

『EIGHT BALL FESTIVAL』の歴史的第一歩となった昨日の喧騒が早くもよみがえる2日目、SOLID STAGE。BGMがカットアウトされ、暗転と同時に流れ出したオープニングムービーに一気に引っ張り出される大歓声。ブルーの照明がゆらめく中、おなじみのゴダイゴの「モンキー・マジック」のSEが流れるや、割れんばかりの喝采がサンボマスターを迎え入れる。

サンボマスター

その喝采とシンクロするようなイントロから、まさに「輝きだして走ってく」のタイトル通りに静かに力強く疾走するビート。「よく来たな！　ロックンロールの準備はいいか？　俺たちがサンボマスターだこの野郎！」（山口隆、Vo.Gt、以下同）とあおりつつ、「ヒューマニティ！」へ。軽快なリズムとカッティングに乗せ「岡山は踊っちゃダメな条例とかないですよね？」と、オーディエンスをあっという間に非日常へといざなっていく。

サンボマスター

「どっちか決めろ！　愛と平和で、ミラクルを起こすのか起こさねぇのか？」と流れ込んだ「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」が、じんわり体に染みわたり、得も言われぬ力が湧いてくるこの感覚。これがライブで、これがサンボマスターだ！　「皆さん最高です！　この時間にピークを持ってこれる人、この岡山から世界中に「愛と平和」と叫べる人！」と投げ掛ければ、巨大なSOLID STAGEを目に見えない絆がひとつにする。

サンボマスター

「俺はここにライブをやりに来たというか、忘れ物を届けに来たんだ。コロナもあって、戦争まで起こっちゃってよ。だけど、忘れてないか？　フェスができてすげぇってことじゃないぞ。ここに集まったおめぇのことだよ！　忘れてねぇか？　おめぇがクソじゃねぇってことを。ダメなヤツなんかじゃねぇって、自分のことを美しいって忘れてねぇか？　ここに集まって、今こんな空気を作って。当たり前じゃねぇぞ。皆さん、いろいろあったけど、生まれてきてくれてありがとうございます」

サンボマスター、Tokyo Tanaka

何度も何度も諦めず、心をすくい上げるそんな言葉に添えた「ラブソング」に、胸を揺さぶられないわけがないだろう。ここで、「やるんだよ。できるんだ。ロックンロールはできるんだ。俺たちに証明させろ！」と叫ぶと、何とMAN WITH A MISSIONのTokyo Tanaka（Vo）がステージへ！　サンボ×マンウィズによる「できっこないを やらなくちゃ」が、『EIGHT BALL FESTIVAL』の歴史にいきなり名シーンを刻み付ける。「おめぇのことを探し出しに、おめぇの居場所を作りに来たんだ。悲しいことがあっても、またこうやってみんなで笑える呪いを掛けに来たんだよ！」と最後に捧げた「花束」まで、不屈の精神でロックンロールを鳴らし続けたサンボマスターだった。

サンボマスター

取材・文＝奥“ボウイ”昌史　撮影＝日吉“JP”純平

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