【X Games】5分で分かるBMX パークの魅力とは？

『X Games Chiba 2023』が5月12日（金）～14日（日）、ZOZOマリンスタジアム（千葉県）で行われる。

BMXは大まかに分けるとレースとフリースタイルという2つのカテゴリーが存在する。このうち『X Games Chiba 2023』では、フリースタイルの競技から「ストリート」、「パーク」、「フラットランド」、「ベストトリック」の4つが実施される。

中でも、BMXパークは『東京2020 夏季オリンピック』よりオリンピックの正式種目となり、日本人では中村輪夢が出場している。中村は2019年に『X Games』のアメリカ大会で2位となり、『X Games』における日本人初の表彰台に上がった。昨年4月の『X Games Chiba 2022』では6位と悔し涙を流しただけに、今年はリベンジに燃えている。

今回は、そんなBMX パークについて、知っていると観戦がもっと楽しくなる情報をおさらいしておきしたい。

BMX パークって、どんな競技？

BMX パークは大小様々なセクション（ジャンプ台）で作られたパークの中で、制限時間内にエアトリックや独創性を競う採点競技だ。

『X Games Chiba 2023』では、ファイナルに8名のライダーが進出。競技は30分間のコントロールジャムセッション形式で実施され、ライダーは1人ずつ順番にランを行い、各ランでは45秒間のライディングが可能。これを30分間により多く行なっていく。

競技ではジャンプ中にトリック（技）を繰り出していくため、いかに高く飛んで対空時間を長くして、高難易度のトリックを出すかが鍵となる。このジャンプの高さが観戦時のポイントとなり、日本人選手が世界で活躍するためには、海外選手と同じくらい高く飛べるかが一つの基準となる。

トリックで注目したいのが回転数で、一回転は「360」、二回転は「720」と呼ばれる。回転数は技を出す際に重要視されるポイントで、例えば「コーク」（斜めに飛ぶ技）や「キャンキャン」（片足を横に出す技）を繰り出す際に、720以上の回転数で決めると相当なポイントになる。見てる方も凄さが伝わりやすいので、注目して観戦したい。

なお、トリックの採点は難易度や高さ、完成度などを基準にしているが、コース全体を使った流れも大切になる。ただ闇雲に技を出せばいいわけではないので、どういった工夫をしているのか、選手のセンスが問われるだろう。

今大会の招待選手として名前が上がっているキーラン・ライリーは、世界で初めて「トリプルフレア」という技を成し遂げた。「フレア」というのは後方宙返りをした後に、180度の方向転換をするというもの。この後方宙返りを、1つのジャンプで3回転させるのだから、とんでもない快挙といえるだろう。ちなみに、「フレア」は昨年大会で優勝したローガン・マーティン（オーストラリア）が3本目で多用しており、今大会でも注目しておきたい。

なお、大会ではランの順番も大切で、前の選手が高得点を叩き出すと、後の選手は一か八かで難易度の高い技に挑まなければならなくなる。最初から高得点が出た場合、他の選手がどのようなアクションを取るか？　という駆け引きも見所の一つだ。

また、コースは大会ごとによって異なり、それに合わせてトリックの構成をイメージする必要がある。これがうまくいかないと失速したり、トリックが出せない。昨年の『X Games Chiba 2022』では、折り紙をイメージしたコースが登場したが、今年はどんな姿を見せてくれるのか楽しみだ。

今年の注目選手は？

『X Games Chiba 2023』には国内外から多くのトップ選手が出場する。

その中でも注目したいのが、唯一の日本人選手である中村輪夢。国内では1つ抜けた存在で、BMXシーンのアイコン的存在である。野球で言うところの大谷翔平のように、海外選手と真っ向から勝負ができる選手で、毎回会場を沸かせてくれる。3月に行われた記者会見では、昨年のイージーミスを笑い話のように話しており、今大会ではリラックスして技のオリジナリティを出して頑張ると宣言した。

一方、海外選手で注目したいのは、昨年大会で優勝し、『東京2020 夏季オリンピック』でも金メダルを獲得したローガン・マーティンだ。

ローガンは2月に行われた『2023 UCI BMXフリースタイルワールドカップ サウジアラビア大会』でも優勝しており、コンディションは抜群。今大会も注目間違いなしだ。

ちなみに、昨年の『X Games Chiba 2023』でも、ローガンは前評判通りに圧巻の走りを見せている。

3本目にフレアウィップ → トリプルテイルウィップ → テイルウィップトランスファー → 720 → ダウンサイドウィップ → ノーハンダー → ポケットダウンサイドテールウィップ → トリプル逆テールウィップ → フレアダウンウィップ → フレアというベストなトリックを決めると、会場からは歓声が沸いた。

一方、中村輪夢は予選を堂々の1位で通過するも、ファイナルの1本目にイージーミスをしてしまい6位に終わった。

今年の大会スケジュールは？

『X Games Chiba 2023』のBMX パークは、5月12日（金）に予選、13日（土）に決勝が行われる。現在の出場予定は15人で、中村輪夢以外は全て海外のトップ選手だ。

なお、金曜日の予選は発売がないため、ライブ配信（予定）で楽しみたい。そして、土日は会場のZOZOマリンスタジアムで大いにヒートアップしてほしい。