読売演劇大賞優秀作品賞を受賞したミュージカル『FACTORY GIRLS』が再演へ! 柚希礼音、ソニン、実咲凜音、清水くるみ、平野綾らによる座談会レポート
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好評だった初演の「1億倍上でやる」
柚希礼音、ソニン(前列左から)、平野綾、実咲凜音、清水くるみ(後列左から)
ーー最後にお客様のメッセージをお願いします!
柚希:出演してきたどの作品よりも「『FACTORY GIRLS』をやってほしい」という声を頂戴してきたなと思いますし、友達や同期たちも「機械のように働かされてんねん」などこの作品のセリフを引用してくるほど(笑)、気に入ってくれている。実際働いている女性たちにすごく突き刺さったと思いますし、そうでない方々も――当時は終演後楽屋に来ていただけたので、女性のみならず男性からも好評のお声をいただいて。だからこそ、この再演では私たちはあの初演の1億倍上でやらないと。再演だからとなんとなくさらってやっても、全然ダメ。初演以上に、細かく心情の持っていき方から全て作っていかないと、お客様も感動できないと思います。精一杯頑張りますので、 楽しみにしていただけたらと思います!
ソニン:私がちえさんに信頼を置いているのはストイックだから。私以上に真面目で、練習魔。モチベーションにズレがあると遠慮しちゃったりするんですけど、ちえさんが謙虚に向き合っているのを見てて、私も遠慮なくストイックにやろうという気持ちになれたんです。これは女性の物語だけど、やはり実在したこの2人が軸にないと、ふわっと大まかな話になってしまう。それぞれサラとハリエットの人生をしっかり背負わないとという気持ちがあります。
3年という時間が経って、コロナ禍を経て、今の人たちにどうしたら伝わるんだろうとちょっと考えたんですが……女性と男性というものしか存在していなかった時代から今はそれを超えた次元になってきているじゃないですか。その中で女性の中でもいろいろなタイプの女性がいたということ、つまり一人一人のキャラクターが立つことによって、豊かさを感じるというか。女性を一つのフェミニズムとしてまとめるわけではない事も伝われば。それこそマーシャの裏側の背景もそうですけど、そこが見せられていくと、多様性を重んじる現代の中でより響いていくのかな、なんて。(演出の)板垣さんは男性ですから、男性側の視点ももらいつつ、偏らないようにもっと彩り豊かに作れたらなと思ってます。
初演時舞台写真
実咲:今回新たに加わるメンバーの方もいらっしゃったり、初演から変化するところもたくさんあったりする中で、私自身、もう一度台本をしっかり読み込んで、どういう立場でいるべきか、初めて参加するぐらいの気持ちで取り組めたらなと感じています。そして、また今回観てくださった方に「素晴らしかった」「感動した」「また頑張ろうと思った」「勇気をもらった」と言っていただけるように、精進したいなと思っています。
清水:私は大事な部分はもちろんなんですけど、ちょっとポップな部分を担っているのかなと思うんです。多分マーシャと私がちょっとポップな部分になっているので、全体のバランスを見ながらうまくやっていきたいなって思います。……私は先輩方に比べて努力がまだまだ苦手なので、ついていきます!(笑)。
柚希:そんなことないよ! 頑張ってるやん!
平野:今のお話だけでも、皆さんが初演から関わってこられて、セリフの一言一言、音符の1つ1つに、どれだけこだわりを持って作品を作っているかが伝わってきました。本稽古が始まる前にこの取材あってよかったです(笑)。すごく気合いも入ったし、自分が関わるからにはもっとより作品を深められるように頑張らなきゃなと思いました!
ミュージカル「FACTORY GIRLS~私が描く物語~」初演ダイジェスト映像
取材・文・撮影=五月女菜穂
公演情報
出演:
柚希礼音 ソニン/実咲凜音 清水くるみ・平野 綾/水田航生 寺西拓人
松原凜子 谷口ゆうな 能條愛未/原田優一・戸井勝海/春風ひとみ 他