バレエダンサー・上野水香が登壇 パリ・オペラ座バレエ シネマ 『白鳥の湖』2019年版 公開記念イベントが開催
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2019年版『白鳥の湖』トークイベント
2023年4月30日(日)恵比寿ガーデンシネマにて、バレエダンサー・上野水香とWEBメディア「バレエチャンネル」編集長の阿部さや子氏を招いたトークイベントが実施された。
昨年末から開催してきたYEBISU GARDEN CINEMAのパリ・オペラ座バレエ シネマフェスティバルは、 ついに最終週を迎えた。2019年版『白鳥の湖』は正式な日本劇場公開は今回が初となる作品で5月11日(木)まで上映される。本イベントは、その公開を記念して実施された。
盛況な会場で観客が見守る中、トークイベントでは、パリ・オペラ座バレエ団の『白鳥の湖』のどこに注目したらより面白いか、興味深い話を聞くことができた。
2019年版『白鳥の湖』トーク中の様子
例えば、パリ・オペラ座バレエの2019年版『白鳥の湖』は、振付がルドルフ・ヌレエフによるものだが、上野はヌレエフ・マニアと自称するほどヌレエフが好きとのこと。阿部氏が「本作のどこで特にヌレエフを感じましたか?」と聞くと、「第四幕でオデットと王子のパドゥドゥです。あれはまさにヌレエフイズムだなと思いました」と上野。
「ヌレエフの振付は、高いリフトなどの上下の移動よりも、横の幅を使ってワイドに動くことが多いので、その美学が四幕で出ています。特に、ヌレエフの振付は床と密接な関係があり、床に対して足を使っていきます。ぜひ第四幕ではワイドな魅力を感じてほしい」と解説した。
その他『白鳥の湖』の普遍的な人気の理由や、パリ・オペラ座の魅力などについても触れ、会場は熱心に二人の話を聞く雰囲気に包まれた。
2019年版『白鳥の湖』トークイベント後
登壇者プロフィール
上野水香(うえの・みずか)
《東京バレエ団 ゲスト・プリンシパル》
神奈川県 鎌倉市出身。5 歳よりバレエを始める。1989年 埼玉全国舞踊コンクール、ジュニアの部 第1位。1993年、15歳でローザンヌ国際バレエコンクール にてスカラシップ賞を受賞した後、モナコのプリンセス・グレース・クラシック・ダンス・アカデミーに2年間留学。
帰国後、古典全幕作品やローラン・プティ作品に数々主演。2004年、東京バレエ団に入団。プリンシパルとして日本最高峰のバレエ団で主演を務めてきた。その功績が認められ、令和3年度(第72回)文化庁 芸術選奨舞踊部門 文部科学大臣賞を受賞。
日本のバレエ界を20年に以上に渡って トップランナーとして牽引しており、いま なお世界中のダンサーから共演を熱望されている世界に誇るバレリーナである。
2021年には人間国宝 梅若実玄祥 舞台生活 70 周年記念公演 新作能楽舞踊劇 『鷹の井戸』 やミュージカル 『ドン・ジュアン』 に出演するなど、その活躍はバレエだけに留まらない。現在はかながわ観光親善大使を務めており、また、2022年にはプロデュースブランド 『piuprima di mizuka』を立ち上げた。
2023年2月 ローザンヌ国際コンクール 50周年ガラ公演にゲスト出演。同年2月10日-12日 自身の名前を冠した東京バレエ団公演 「上野水香 オン・ステージ」は連日満席の大成功を収める。2023年4月より東京バレエ団初の「ゲスト・プリンシパル」に就任。
阿部さや子
大分県出身。バレエ専門誌編集長を務めたのち、バレエ専門WEBメディア〈バレエチャンネル〉創刊編集長。新書館バレエ事業部プロデューサー。バレエを全方位的に楽しむための講座シリーズ〈バレエカレッジ〉企画・主催。その他、バレエ・ダンス関連の各種イベントや、DVD・CDなどの商品を企画・プロデュースしている。公演プログラムや専門誌等への執筆・編集、バレエ関連番組の監修や出演、バレエ漫画等の監修なども。
上映情報
※絶賛上映中~2023年5月11日(木)まで