ロイヤル・オペラの『セビリアの理髪師』は絵本のような世界~『英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン2022/23』第8弾

2023.5.9
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ロイヤル・オペラ『セビリアの理髪師』 / ROH Barber 2023 © Bill Cooper

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英国はロンドンのコヴェント・ガーデン、ロイヤル・オペラ・ハウス(ROH)で上演された、ロイヤル・バレエ団、ロイヤル・オペラによる世界最高峰のバレエとオペラを、特別映像を交えてスクリーンで体験できる人気シリーズ『英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン2022/23』。その8作目は、ロッシーニのオペラ『セビリアの理髪師』だ。2023年5月19日(金)より、1週間限定にて全国公開となる。この度、家田淳氏(演出家・翻訳家、洗足学園音楽大学准教授)の解説とともに、本作の見どころを紹介しよう。

【動画】The Royal Opera: The Barber of Seville cinema trailer


 

ロッシーニのオペラの中でも、世界中のオペラハウスで上演され続けている最高傑作といえば『セビリアの理髪師』。今回の演出はモッシュ・ライザーとパトリス・コーリエが2005年に英国ロイヤル・オペラで手がけ、その後も再演を重ねている人気プロダクションで今回が5回目となる上演。

ロイヤル・オペラ『セビリアの理髪師』 / ROH Barber 2023 © Bill Cooper

『セビリアの理髪師』について、家田氏は、「絵本のようなファンタスティックな世界。カラフルな衣裳は18世紀と現代のデザイナーテイストのミックスで、フィガロのいでたちはスーパーマリオのよう。演技達者な歌手達によるハッピーなコメディを存分に楽しめる舞台」とコメント。

ロイヤル・オペラ『セビリアの理髪師』(Rosina) AIGUL AKHMETSHINA, (Figaro) ANDRZEJ FILOŃCZYK / ROH Barber 2023 © Bill Cooper

さらに、今回の再演で最も注目してほしい人物を、「ロシア出身のメゾソプラノ、アイグル・アクメチーナ。まだ20代後半の若さで現在、世界中の歌劇場を席巻し“新生ネトレプコ”とも称される次世代のスター」と大絶賛。

ロイヤル・オペラ『セビリアの理髪師』AIGUL AKHMETSHINA / ROH Barber 2023 © Bill Cooper

アクメチーナは若干19歳にして、超難関のROHの養成機関ジェットパーカー・ヤングアーティスツ・プログラムに入所し、次々と大役を獲得、今後もメトロポリタン・オペラやバイエルン歌劇場で「カルメン」タイトルロール、ROHで「ウェルテル」シャルロットなど大舞台での主演が目白押し。実は日本でも2020年、新国立劇場「こうもり」オルロフスキー役で登場している。

ロイヤル・オペラ『セビリアの理髪師』 / ROH Barber 2023 © Bill Cooper

アクメチーナの魅力について、「『セビリアの理髪師』ロジーナも持ち役の一つ。アリア“Una voce poco fa(今の歌声は)”ではヴェルヴェットのような声とアジリタの確かさに加え、妖艶な炎で一瞬にして独自の世界に引き込む。キュートなルックスに、毒をもつ妖しさ。目が離せないヒロイン」と高く評価している。

ロイヤル・オペラ『セビリアの理髪師』 / ROH Barber 2023 © Bill Cooper

また、家田は、音楽教師バジリオを演じ、今年4月に来日して大喝采を浴びた言わずと知れた大スター・ブリン・ターフェルについても、惜しみない称賛を与えている。

ロイヤル・オペラ『セビリアの理髪師』((Don Basilio) BRYN TERFEL, (Figaro) ANDRZEJ FILOŃCZYK / ROH Barber 2023 © Bill Cooper

ロイヤル・オペラ・ハウス・シネマでは「セビリアの理髪師」の後日譚である「フィガロの結婚」も2023年7月7日 (金)より公開が予定控えている。2作品ともに観ることで、ストーリーと人物たちのつながりを楽しむことをお勧めしたい。

ロイヤル・オペラ『セビリアの理髪師』(Fiorello) JOSEF JEONGMEEN AHN / ROH Barber 2023 © Bill Cooper

※家田淳氏(演出家・翻訳家、洗足学園音楽大学准教授)『セビリアの理髪師』解説全文は下記URLにて閲覧可能です↓

家田淳氏(演出家・翻訳家、洗足学園音楽大学准教授)『セビリアの理髪師』解説全文はコチラ

上映情報

『英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン2022/23』
ロイヤル・オペラ『セビリアの理髪師』
The Royal Opera The Barber of Seville
 
■2023年5月19日(金)より、TOHOシネマズ日本橋 ほか全国公開
 
【上映劇場】
北海道 札幌シネマフロンティア 2023/5/19(金)~2023/5/25(木)
宮城 フォーラム仙台 2023/5/19(金)~2023/5/25(木)
東京 TOHOシネマズ 日本橋 2023/5/19(金)~2023/5/25(木)
東京 イオンシネマ シアタス調布 2023/5/19(金)~2023/5/25(木)
千葉 TOHOシネマズ 流山おおたかの森 2023/5/19(金)~2023/5/25(木)
神奈川 TOHOシネマズ ららぽーと横浜 2023/5/19(金)~2023/5/25(木)
愛知 ミッドランドスクエア シネマ 2023/5/19(金)~2023/5/25(木)
京都 イオンシネマ 京都桂川 2023/5/19(金)~2023/5/25(木)
大阪 大阪ステーションシティシネマ 2023/5/19(金)~2023/5/25(木)
兵庫 TOHOシネマズ 西宮OS 2023/5/19(金)~2023/5/25(木)
福岡 中洲大洋映画劇場 2023/5/19(金)~2023/5/25(木)

 
【STORY】スペインのセビリア。若い貴族アルマヴィーヴァ伯爵は、マドリッドで見かけた美女ロジーナが忘れられず、彼女を追ってセビリアまで来ている。だがロジーナは後見人である医者バルトロによって家に閉じ込められており、言葉を交わすことさえ難しい。伯爵は彼女の家の前でセレナーデを歌うが反応はなく、がっかりしているところに旧知の理髪師フィガロが通りかかる。フィガロの知恵を借りた伯爵は、兵隊に変装してロジーナの家に潜入する計画を立てる。一方、バルトロもロジーナの財産目当てで彼女との結婚を目論んでおり、音楽教師ドン・バジーリオと一緒に作戦を練るが…。
 
【音楽】ジョアキーノ・ロッシーニ
【台本】チェーザレ・ステルビーニ (原作:ボーマルシェによる戯曲「セビーリャの理髪師」)
【指揮】ラファエル・パヤーレ
【演出】モッシュ・ライザー、パトリス・コーリエ
【美術】クリスティアン・フェヌイヤ
【衣裳】アゴスティーノ・カヴァルカ
【照明】クリストフ・フォレ

 
ロイヤル・オペラ合唱団(合唱指揮:ウィリアム・スポールディング)
ロイヤル・オペラ・ハウス管弦楽団(ゲスト・コンサートマスター:ベンジャミン・マーキス・ギルモア)
フォルテピアノ:マーク・パックウッド

 
【出演】
ロジーナ:アイグル・アクメチーナ
フィガロ:アンドレイ・フィロンチク
アルマヴィーヴァ伯爵:ローレンス・ブラウンリー
ドン・バジーリオ:ブリン・ターフェル
バルトロ:グラント・ドイル(歌)、ファビオ・カピタヌッチ(演技)
ベルタ:エイリッシュ・タイナン
アンブロージオ:チャーベル・マター
隊長:ダヴィッド・キンバーグ
公証人:アンドリュー・マックネイル

 
(上映時間:3時間33分)
 
【公式サイト】http://tohotowa.co.jp/roh/
【配給】東宝東和
©Bill Cooper