高橋克実、「あて書きの成功例」と自信ーー水谷豊&段田安則&堤真一が兄弟役の舞台『帰ってきたマイ・ブラザー』いよいよ大阪開幕

2023.5.18
レポート
舞台

高橋克実

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水谷豊、段田安則、高橋克実、堤真一が扮する4兄弟のコーラスグループが、40年ぶりに迎えた再結成の日を描いた舞台『帰ってきたマイ・ブラザー』が5月18日(木)に大阪の森ノ宮ピロティホールで幕を開ける。大阪公演初日を前に、取材会に応じた高橋克実。本作に向けての意気込みなどを語った。

脚本はお笑い集団「ジョビジョバ」のリーダーであり俳優、演出家としても活躍するマギー、演出はNHK Eテレ『みいつけた!』のキャラクター、オフロスキー役としても人気を博す小林顕作が手掛ける。

その昔、大ヒット曲を放った兄弟のコーラスグループ「ブラザー4」。長男役は23年ぶり3回目の舞台出演という水谷豊、次男役は今年2月に舞台『セールスマンの死』で読売演劇大賞最優秀男優賞を受賞した段田安則、三男役は初主演映画『向田理髪店』も好評の高橋克実、四男役は舞台『みんな我が子』やドラマ『ファーストペンギン!』など硬軟自在の演技で魅了する堤真一。そして、ブラザー4のマネージャー役に寺脇康文、彼らのかつての熱狂的なファンを峯村リエ、池谷のぶえが演じる。

本公演は、4月の東京公演を皮切りに、全国8カ所をめぐるツアーを開催。関西は5月18日(木)から5日間の大阪公演を行い、6月2日(金)~4日(日)に西宮の兵庫県立芸術文化センター、6月29日(木)~30日(金)にロームシアター京都でも上演する。

高橋克実

「ちょっと多すぎるくらい関西に来る(笑)」と高橋、その理由を次のように話した。「寺脇康文さんが大阪、堤真一さんが西宮、ツアーのラストになる京都が段田安則さんの出身地です。それぞれの出身地に錦を飾ろうじゃないかということになりました」。

「見た目は全く似ていない4兄弟」と言うが、キャラクターはほぼあて書きという。「マギーくんが出演者のみんなとそれぞれに仕事をしているので、それぞれを知っているからこそ。一人ずつが濃いキャラクターになっています。個性のぶつかり合いで、特に女子二人がかなりパンチの効いた役で出てまいります。とにかく強烈なキャラクターばっかり出てくる、あて書きの成功例と言ってもいいくらいだと思います」。加えて「実に23年ぶりという水谷さんの舞台も必見です」と声に力を込める。

かつて1曲だけヒット曲を出した「一発屋」の4人兄弟が、それぞれの人生を歩んだ後に、また再結成をするのか、しないのかという一幕を描き、ラストシーンでは大ヒット曲という設定の「マイブラザー」も披露する。 「これがですね、結構いい曲です。豊さんは歌のプロですし、段田さんもかなり歌がお上手で。残る私と堤さんがそれぞれのパートをしっかりとこなしてやっているつもりです。地方公演は、アンコールが来た場合に備えて、ちょっとお楽しみを考えました。いや、そんな大したお楽しみじゃないんですけど(笑)」。

昭和歌謡の世界を描いているだけに、「その辺がお好きな方にはたまらない芝居だと思います」と自信をのぞかせる。また、約1時間30分という上演時間も「観やすいと思います」。

高橋克実

4兄弟のそれぞれのキャラクターを尋ねると、「長男、次男、三男は2、3歳の年の差で、四男だけちょっと若くて、ブラザー4を結成した当時はまだ高校生だったという設定です。長男がグループを再結成しようと言い出し、我々は兄ちゃんに引っ張られたところから、この物語は出発します。長男はリーダー格で次男は心配性、私が演じる三男は一番能天気で風来坊、末っ子がみんなにかわいがられていますね」。

稽古や東京、名古屋公演を経て、実際の兄弟のような関係性は生まれたのだろうか。「暗転中の移動では、段田さんが水谷さんを誘導されていて。それは別にそうと決めたわけではなく、自然とそうなっていました。本当の兄弟みたいに言葉にしなくてもそうなっちゃうところはありました」と高橋。

また、段田とは舞台『セールスマンの死』、『女の一生』で兄弟役を演じている。「この3年、ずっと兄弟の役ですが、今回は特に(役を通してではなく)普段の段田さんに言われているような距離感なのです。「お前、いい加減なこと言ってんじゃないよ」みたいなセリフが劇中に結構あって、そこが違和感がなさすぎる。お芝居をしているのか、していないのかわからなくなるくらいですが、そういうところが(兄弟役をする上で)いい方向に出ているのかなと思います」。

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東京公演では、初日のカーテンコールが特に印象的だったと話す。「お芝居のスタンディングオペーションじゃなくて、ライブみたいな感じで、お芝居ではなかなか感じられないような反応でしたね。ちょっとミュージシャンになった気分でした(笑)」。

歌唱シーンではステップを踏み、4兄弟はソロダンスも披露する。また、寺脇や峯村、池谷も加わる1曲もあり、そこでの注目点をこう話す。「寺脇さんが踊るとき、自然と4人が舞台の後方に下がるんですよ。そうすると踊っている寺脇さんが見えるから(笑)。寺脇さんが踊る時、みんなちょっと下がるところも、見どころかもしれません」。

最後に高橋は、「繰り返し、繰り返し、関西に来ますので、ぜひくまなく観ていただきたい」と公演をPR。「大阪で見逃しても、西宮でチャンスがあります。西宮で見逃してもまたもう1回、京都でチャンスあります。ぜひ関西の方には繰り返し見ていただきたいと思います!」と笑顔でいざなった。

高橋克実

取材・文=Iwamoto.K 撮影=SPICE編集部(川井美波)

公演情報

シス・カンパニー『帰ってきたマイ・ブラザー』
■作:マギー
■演出:小林顕作
■出演:
水谷豊 段田安則 高橋克実 堤真一
寺脇康文 池谷のぶえ 峯村リエ
■特設サイト:https://www.siscompany.com/brother/
 
[大阪公演]
■日程:2023年5月18日(木)~5月22日(月)
■会場:森ノ宮ピロティホール
 
[福岡公演]
■日程:2023年5月26日(金)~5月29日(月)
■会場:キャナルシティ劇場
 
[西宮公演]
■日程:2023年6月2日(金)~6月4日(日)
■会場:兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
 
[新潟公演]
■日程:2023年6月8日(木)~6月11日(日)
■会場:りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館・劇場
 
[札幌公演]
■日程:2023年6月16日(金)~6月18日(日)
■会場:カナモトホール
 
[仙台公演]
■日程:2023年6月23日(金)~6月24日(土)
■会場:電力ホール
 
[京都公演]
■日程:2023年6月29日(木)~6月30日(金)
■会場:ロームシアター京都 メインホール
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