芥川賞作家 柳美里のホラー小説『雨と夢のあとに』が10年ぶり舞台化 出演に神尾佑・芳本美代子・櫻井淳子・オクイシュージら
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Yプロジェクト主催、『雨と夢のあとに』が2023年8月16日 (水) ~2023年8月20日 (日)に渋谷区文化総合センター大和田 伝承ホールにて上演される。
テレビドラマ化もされた柳美里のホラー小説『雨と夢のあとに』(角川文庫)。友情、初恋、嫉妬、秘密、未来など様々な要素が盛り込まれ、そしてホラーでありながらも切ない父娘の心情が描かれている本作は、2006年に演劇集団キャラメルボックスが舞台化(2006年に初演、2013年に再演)。今回の再演にあたっては、新しくも懐かしい“雨夢の世界”を描くため、ほぼ新キャスト・スタッフで構成されている。
主演の桜井朝晴役には「グランマの憂鬱」「シェフは名探偵」などで活躍の俳優 神尾佑。そして神尾とは約6年ぶりの共演となる櫻井淳子、芳本美代子・オクイシュージなど実力派が名を連ねる。また、演劇集団キャラメルボックスのメンバーである三浦剛も約10年ぶりに高柴という同役での参加が決まった。三浦も「今作では白紙の状態で皆さんと一緒に新たな高柴を演じたい」と意気込みを語っている。
キャストは他にも、朝晴の深い過去で疎遠となっている両親役にベテラン役者の側見民雄・中川和恵、そして物語の鍵を握る役どころに鳴海剛、元宝塚歌劇団出身の北嶋マミ、そして元DIAMOND☆DOGSの小寺利光等が豪華に脇を固める。
櫻井淳子
芳本美代子
オクイシュージ
自身も2児の父であり娘を想う気持ちは誰にも負けないという主演の神尾佑は「不器用な父親像の中に、雨に対する揺るぎない愛情とまた戸惑いや葛藤を大切に描いていきたい」と話す。そんな朝晴の友人・早川役にはオクイシュージ。オクイは「これまでの出演作と違うジャンルでの挑戦なので、このキャスト陣でしか生み出せない何かをお見せ出来ればいいなと」と早くも楽しい時間を共有できることを願っていた。朝晴の恩人であり岳男の妻・霧子を演じるのは芳本美代子。コミカルさと強い優しさを滲み出すのは“みっちょん“の右に出るものはいないだろう。
そして秘密を持つシンガー・野中マリア役に櫻井淳子。スター性をもちながら強い愛情を表現してくれるだろう。櫻井は「自分にとって大事な人が何を考え何をどう思って…改めて考えたくなる作品。心に響くこの切ない感動作を楽しんでいただきたい」と語っている。
舞台『雨と夢のあとに』は8月16日(水)~2023年8月20日(日)渋谷区文化総合センター大和田 伝承ホールにて上演。
あらすじ
ベーシストで生計を立てながら娘と2人暮らしの朝晴は、趣味である蝶の採集のため台湾へ旅立つが娘と約束した帰国日を過ぎても戻らず、娘の心配をよそに後日突然帰ってくる。帰国後、普段通りに生活を送るが周りの反応に戸惑いが隠せない朝晴。それもそのはず、朝晴は幻の蝶を発見したその時、台湾の地で深い穴に落ちて既に死んでいたのだ。
しかし彼の強い後悔が、肉体を遠い異国の地に残し、死んでいることも理解できないまま雨の前に姿を現したのだった。雨のために必死に自分を取り繕う朝晴。そんな朝晴が見えるのは友人の早川岳男(オクイシュージ)や息子の北斗(横山統威)そして隣人の暁子(楯真由子)と雨(市瀬瑠夏)だけだった。
しかし雨は朝晴が死んでいるとは気づいていない。
朝晴が見えない人々、必死に朝晴の死を雨に隠し2人を見守っていく人々の葛藤や奮闘の友情溢れた姿がとても切なく胸を打つ