山崎 一が旗揚げした演劇集団、劇壇ガルバ 何も起きない非日常を描いた『砂の国の遠い声』を上演
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劇壇ガルバ 第5弾公演 『砂の国の遠い声』
2023年11月16日(木)〜20日(月)東京芸術劇場シアターウエストにて、劇壇ガルバ 第5弾公演『砂の国の遠い声』が上演されることが決定した。
劇壇ガルバとは、2018年11月、俳優・山崎一が旗揚げした演劇集団。キャスト、スタッフが能動的に関われる活動を目指し、山崎が信頼する俳優やスタッフに加え、オーディションにより新しい世代が加わる。旗揚げ公演『森から来たカーニバル』於:駅前劇場では、高橋惠子、高田聖子、大石継太らが出演。2020年7月に予定していた第2回目の公演『砂の国の遠い声』はコロナ禍により中止になり、代替企画として劇場から大石継太、高田聖子ら共に、別役実作『門』を生配信した。第3回目の公演は、吉祥寺シアターにて、アーサー・ミラー作『THE PRICE』を、髙田曜子の新訳(第15回小田島雄志翻訳戯曲賞・受賞対象作品)、桐山知也演出で上演。大石、高田の旗揚げメンバーに堀文明が加わり、約60年前に書かれた戯曲を現代社会に共鳴する作品として蘇らせた。第4回目は実験プロジェクトとして初の新作『錆色の木馬』を上演。若手作家、山崎元晴と演出家、西本由香(文学座)を中心にワークショップを重ねて戯曲を作り上げ、1公演40人の小規模なSCOOL(三鷹)で実施。初日前に全公演が完売し、配信
そして今回、劇壇ガルバの活動の中核になる演劇表現のひとつ、笑いを含んだ「不条理劇」を第5弾となる本作で行う。何気ない日常の中で登場人物が予期しない展開に巻き込まれ観客を異次元に誘うが観客に残ったその感情は劇場を出てからもつづく。それぞれが生きる日常の家族や団体での人間関係、会話の端々に不条理な可笑しさや恐ろしさを発見するから。日本の作家の中で、この世界観を牽引してきた宮沢章夫さんが2022年9月に急逝された。本作は、宮沢さんの「砂漠監視隊シリーズ」の代表作で、今回、追悼の意を込めて、上演するとのこと。
演出家には「遊園地再生事業団」に 数多く出演してきた、笠木 泉が務める。出演者は、大石継太、佐伯 新、玉置孝匡、長谷川朝晴、細川洋平、矢野昌幸、山崎 一。
大石継太
佐伯 新
玉置孝匡
長谷川朝晴
細川洋平
矢野昌幸
山崎 一
時代は現代、場所は砂漠。「砂漠監視隊」の7名の男性監視員が砂漠を見つめるだけの日々を過ごしている。他には何も起こらない。
しかし、何か起こってしまっては困るので、砂漠監視隊は監視を続けなければならない。
そんな中、遠くから聞こえるかすかな声。その声を聞いたものは
砂の向こうに姿を消していく。
ひとり、またひとり。そして一度姿を消した者はたいていが帰ってこなかった。帰ってきた者も、その間の記憶は消えている。
残された者は恐れ慄く。自分たちもいつかあの声を聞くかもしれないと。
しかし、監視を続けなくてはならない。
何かが起こってからでは遅いのだ‥…。
劇壇ガルバ主宰 山崎 一 コメント
『砂の国の遠い声』は、宮沢章夫さんが1994年に「遊園地再生事業団」で上演し、私も出演した戯曲です。劇壇ガルバとしては、もともと2020年の第2回公演として予定していたものです。宮沢さんに上演許可をもらい、キャストも決まり、チラシもできて、稽古に入る寸前で、中止になりました。
そうこうしていたら、昨年、なんと宮沢さんが旅立たれてしまいました。
今回、演出は笠木 泉さんに頼みました。宮沢さんの芝居に出演し、制作も担当していた演出家です。彼女を中心にメンバーみんなで、(宮沢さんならこう言うな…)と思ったり、思わなかったりしながら、劇壇ガルバの『砂の国の遠い声』をつくります。
宮沢さんを知っている人、知らない人、思いを馳せたい人、ただ笑いたい人…いろいろな、たくさんの人に見ていただくことでこの芝居がまた新しい命を得るのではと考えています。見ていただいた方の反応が楽しみです。