上村祐翔、保住有哉、堀江瞬、吉永拓斗による声優ユニットSparQlew、夏の爽やかさあり、大人の色気ありなツアー『“We will be united.”』で魅せた進化
SparQlew 撮影=ハヤシマコ
『Kiramune Presents SparQlew Live Tour 2023 “We will be united.”』 2023.8.6(SUN) サンケイホールブリーゼ
声優の上村祐翔、保住有哉、堀江瞬、吉永拓斗による音楽ユニット「SparQlew(スパークル)」が8月6日(日)に『Kiramune Presents SparQlew Live Tour 2023 “We will be united.”』大阪公演を、サンケイホールブリーゼにて開催した。SparQlewは、男性声優が声優だけでなく、表現の可能性にチャレンジすべく立ち上げたエンターテインメントレーベル「Kiramune(キラミューン)」に所属。レーベル内からは人気声優が多数所属していることもあり、2019年のメジャーデビュー以来、グループは大きな注目を集めていた。
上村祐翔
今年8月2日(水)には2ndミニアルバム『we will....』をリリース。今回の公演は久しぶりの声出し解禁ということもあり、開演前から熱気に溢れていた。今回はSPICE独自のライブレポートをお届けするが、9月には東京公演が控えているため、セットリストの公開は控えめでお届けしたい。
SparQlew
会場にはグループカラーのライトグリーンのアイテムを身につけたファンが集まり、開演の時を今か今かと待ちわびていた。客席が暗転するとライトグリーンのサイリウムが一斉に輝き、その光に導かれるようにメンバーがステージに姿を現すと、割れんばかりの歓声が響き渡る。待望の1曲目はアルバム『we will....』のリード曲でもある、「Stay Gold」。5月に開催されたレーベルイベント『Kiramune Music Festival 2023』でも披露された新曲で、爽やかだけど内から沸き上がる熱量も感じる、夏にぴったりなナンバーだ。<clap>の歌詞に合わせ、メンバーも観客も一緒になって手を叩き、会場を盛り上げていく。
保住有哉
「みんなに会いたかった! いっぱい声を聞かせてくれますか! 最高の夏にしよう」(保住)と声を懸けると、「リアル『保住有哉いるじゃん!』」(自身が担当するラジオ番組のタイトル)と声を漏らして卒倒しそうになるファンの姿も見える。声出し解禁になったことでマスクを外して公演に参加する人も多く、「もっと声を出して!」「みんなの笑顔を見せて!」(上村)と、メンバーは観客ひとりひとりの笑顔を確かめるように言葉を送る。
久しぶりのライブとなると楽曲はもちろん、衣装にも注目したいところ。前回よりもさらに豪華になった衣装をお披露目しつつ、この日を楽しみにしていたと語る4人。(終演後に届いたスタッフからの情報では、ライブ直前にはステージ袖で円陣を組んでいたらしく、ステージに懸ける想いもひとしおのはず。)
SparQlew
ライブ中盤には、新作で初挑戦したという、ユニット内でのデュエット曲を披露。まずは保住&吉永による「MONSTER」。攻めこんだスリルある楽曲を雄々しく歌い上げる2人。互いに向かい合い、声を高め合うように歌う姿からは、いつもとは違う表情も見える。上村&堀江による「マジックアワー」ではカジュアルだった衣装から、色気のあるスーツにチェンジ。メンバーの個性に合わせてデザインされたスーツ、それだけでも会場からは割れんばかりの歓声が聞こえるのだけど、2人の美しいハーモニーにさらに酔いしれる観客たち。ソロパートでは歌声だけでなく、その一挙手一投足に、悲鳴にも似た歓声が響き渡る。上村はしっとりと艶があり、吉永ははつらつと。凛とした保住の歌声に、堀江は耳なじみのよい歌声を響かせ、各人各様の歌声で観客を魅了していく。
SparQlew
ライブ後半は衣装だけでなく、ステージもシャンデリアが輝くシックな雰囲気にチェンジ。「Make you mine」ではマイクスタンドを使い、しっとりとした歌声と美しいコーラスも聴かせる。大人な一面を見せたかと思えば、MCでは4人の素顔が垣間見えるトークで会場が大いに盛り上がった。1曲目に披露した「Stay Gold」のMVでは、上村がドライブするシーンをいくつか撮影していたが、まさかの全カットになったとか。そこからなぜか保住のドライブテクにまつわる話に流れ、メンバー全員からダメ出しを喰らいタジタジになるなんていうアットホームな場面も。グッズ紹介では、MVで着用した靴をデザインに配置したり、メンバープロデュースアイテムについての秘話を語ったり、和気あいあいとした雰囲気に。
吉永拓斗
ほっこりとしたところへ、「こっからブチ上がっていけますか!? カッコ良い姿を見てください」(吉永)と繋げた「All my heart」では、メンバー4人それぞれがラップパートを披露。新作を発表するたびに、メンバーの歌唱力や表現力が高まっているのをひしと感じるが、その後のステージでは歌声だけでなく、フリーダンスも見せるなど、グループのパフォーマンス力も一層高まっていることを体感。とくにダンスについてはメンバー自身もめきめきと実力を上げていることを実感しているらしく、過去の公演を懐かしむトークもちらり。「成長しているところを見せたい」と、初期の頃の楽曲披露ではソロダンスにも挑戦。楽曲のイメージにあわせ、時にはなまめかしくセクシーに腰を振り、その度に客席からどよめきにも似た歓声が沸き起こっていた。
最後は「LIVE COALS」、タイトルのままに観客と一緒にコール&レスポンスでステージをより一層団結力あるものに仕上げると「これからもSparQlewをよろしくお願いします!」と感謝の言葉を伝え、本編は終了。
SparQlew
アンコールは自己紹介ならぬ、他己紹介でメンバーの個性を伝える「Welcome to SparQlew」から。めいっぱいのファンサービスで最後まで全力のパフォーマンスを届ける4人。終演が間近となり疲れもあるだろうが、あまりの楽しさに、9月に開催される東京公演へ早くも気持ちが昂っていると語りつつ、「story」では広いステージの中央にぎゅっと集まり、グループに懸ける想い、そして観客ひとりひとりに想いを伝えるように丁寧に歌声を届ける。
堀江瞬
ラストは「元気と笑顔をありがとう」と、リリックにたっぷりの愛をこめて歌う「Precious Days」。「素敵な、忘れられない思い出になりました」(堀江)と、最後はノーマイクで感謝の言葉を大きな声で叫び、大阪公演の幕が閉じた。
ツアータイトルの通り、グループの団結力、そしてファンへのかけがえのない思いを見せてくれたこの日のステージ。9月17日(日)に開催される東京・LINE CUBE SHIBUYAでのステージ、さらにパワーアップした4人に出会えるに違いない。
SparQlew
取材・文=黒田奈保子 撮影=ハヤシマコ
ライブ情報
※3歳以上有料