PK shampoo『RUSH BALL 2023』ライブレポートーーオーディエンスとの距離の近さで、魂と感情を震わせた迫真の演奏

2023.8.28
レポート
音楽

PK Shampoo 撮影=田浦ボン

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『RUSH BALL 2023』PK shampoo

「良い時間ですね」とヤマトパンクス(Vo.Gt)が夕陽を見て気持ち良さそうに目を細める。ATMCの日没時間に登場したのは、関西発のPK shampoo。8bitのバトルゲーム音楽が流れ、「夜間通用口」を爆音で響かせる。福島カイト(Gt)の叙情的なギターリフが懐かしさを思わせる一方で、真っ赤な照明がバチバチに光り、西岡ケンタロウ(Ba)もカズキ(Dr)も頭を振って激しくプレイ。その熱に煽られて観客も一斉に拳を突き上げる。凄まじくエネルギッシュな演奏ながら、確立したメロディーラインとヤマトの美しい歌声がまっすぐ届き、彼らの演奏力の高さをひしひしと感じさせられる。

PK Shampoo

ヤマトは全力で「『RUSH BALL』!」と叫び、1曲目から柵の上によじ登る! そのまま「奇跡」へとなだれ込み、スパークするビートに合わせて観客の元へ。アッパーチューン「SSME」ではわちゃわちゃになりながら観客と心底気持ち良さそうに歌う姿が印象的だった。

続く「二条駅」「京都線」では、ヤマトの豊かな歌声が伸びやかに夜空を駆け、バンドの表現力の幅広さをうかがわせる。

PK Shampoo

MCもなく豪速球で5曲を終えたため、時間が巻いたとスタッフからのアナウンスを受け、「あと1曲できるそうです。何やろか?」とヤマトが言うと観客からリクエストが飛び、2度目の「夜間通用口」を披露。「もっと! 『RUSH BALL』もっと!」と煽りに煽り、求めまくるヤマト。<いつまでも 月が照らす光に>と歌いながら、泉大津の空に浮かんだ美しい月を指差す。人間臭く泥臭く、ロマンティックな彼らの飾らないサウンドは、見る者の感情をダイレクトに揺さぶった。今年日本コロムビアとメジャー契約を結んだ4人。新たなフィールドに進む彼らの今後も楽しみだ。

取材・文=久保田瑛理 撮影=田浦ボン

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