髭『RUSH BALL 2023』ライブレポートーー昇天必至の最強セトリで初日の分まで楽しみ尽くせ

2023.8.28
レポート
音楽

髭 撮影=田浦ボン

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『RUSH BALL 2023』髭

「『RUSH BALL』、25周年おめでとうございます。俺たち、(デビュー)20周年」と須藤寿(Vo.G)がニヤリとしたら、心がざわつくギターが響いて「黒にそめろ」でワクワクのスタート。宮川トモユキ(B)と斉藤祐樹(G)が前に出てのプレイでじわりと重みを加えれば、観客から歌声が上がる。

すると須藤はそこに「ちょうだい」のジェスチャーを投げて先月発表のアルバム『XX』から「彼、どんな顔して鎮座しておられるんでしょうね」を。曲の中毒性、佐藤"コテイスイ"康一(D.Per)のアジテーション、斉藤のハイトーンなどで人々を平原へ誘えば、須藤のMCは絶妙に煙を巻き、人気曲ひしめく後半へ。

まずは「ボニー&クライド」のご機嫌なメロディと色あせない物語で掲げられた多くの手を揺らし、次は須藤がギターをかき鳴らしてからの「ロックンロールと五人の囚人」。そのリフは脳内をめぐり、「死刑!」のワードも思わず口をつく。全員が思い思いに踊って、須藤が「ダーリン!」と大放射すれば、頭上には天を指す指がずらり。

そしてキラーチューンを予感させるモータウンビートのなか、須藤は前日の悪天候による中止を振り返り、「今日は晴れてるよ。昨日のアーティスト、昨日の友達のために楽しもうよ。僕らにできるのはそれだけでしょ? 気持ちを一つにできる数少ないチャンスだ!」と、ラストはもちろん「テキーラ!テキーラ!」。柔らかに胸を締めつけるサビ、シンガロング、「大阪!」「Yeah!」のコール&レスポンス、大クラップ、膝をつき空に手を伸ばして轟かすボーカルetc.。最後の最後まで圧倒的な楽しさと高揚を生み出し、髭の11年ぶりの『RUSH BALL』は5曲とは思えない満足感で幕を下ろした。

取材・文=服田昌子 撮影=田浦ボン

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