WANIMA『RUSH BALL 2023』ライブレポート ーー「あなたの心が晴れますように!」と願いノンストップで駆け抜けたストイックな35分
WANIMA 撮影=瀧本JON...行秀
『RUSH BALL 2023』WANIMA
2015年にATMCでクロージングアクトを務めた初登場から8年。昨年は大トリを務め、さまざまな時間帯で伝説をつくってきたWANIMA。KENTA(Vo.Ba)、FUJI(Dr)、KO-SHIN(Gt)がお馴染みのSE「JUICE UP!のテーマ」とともにアジテートするときの高揚感はいつも特別だが、飛び出して来た勢いにのせ、「Japanese Pride」のシャウトから始めるというオープニングは、いつにも増して切れ味が鋭くて最高だった。「楽しまないとなー?」とハンドマイクのKENTAが挑発的な目線を送ったあと、ベース音が加わり、WANIMAの音になるときのカッコ良さったらない。重心の低いリズムに乗せ、「大阪ジャンプ!」と引き込むと、大地が揺れるジャンプが起こった。
WANIMA
<はじまる ここから>自分たちが何のために音楽をやっているのか、常に真正面から向き合い進んできた3人だから、初期曲、「ここから」は、いつ聴いても新鮮な説得力を持って響く。そして、「35分つづけていきます!」と宣言し、伝えたいことはすべて音楽の中にある、ということを示すような濃密なセトリを展開していった。
WANIMA
心地よい風も相まって、KO-SHINのギターカッティング、FUJIの乾いたドラムの音色が夏の野外に溶けこみ、最高に気持ちがいい。レゲエのリズムがフィールドを熱くさせる「BIG UP」は、歳を重ねるごとに、若い頃のギラつき感は抑えられ、よりタイトにタフに変化。懐かしいショートチューン「昨日の歌」では、高速スカダンスを誘発すると「懐かしい曲のあとは今のWANIMAを感じてくれ!」と、KENTAが曲への想いを熱く語り、2022年リリースの「眩光」へ。静かな闘志を感じられるこの曲は、今後のアンセムとして輝いていくのだろう。そして、「あなたの心が晴れますように!」と鳴らされた夏の青空に映える「雨あがり」は、昨日の雨の悔しさを晴らしてくれるようなハイライトに。心踊るサウンドがすべてを吹き飛ばしてくれるようだ。
WANIMA
「ともに歌ってくれますか? 全部出して! 全員で歌おう!」(KENTA)
声を出せない時を経て、「ともに」をみんなで作り上げた時間は尊く、特大のシンガロングで想いがひとつになると、「残りちょっとあるから!」とアンコールを自ら促し、「Hey Lady」で全10曲をフィニッシュ!地に足をつけて、どこまでもピュアなエネルギーを全力で届けた3人。WANIMAの歴史を感じるようなステージに胸が熱くなった。
WANIMA
取材・文=岡田あさみ 撮影=瀧本JON...行秀
(『RUSH BALL 2023』オフィシャルレポートの一覧はこちら)
セットリスト
イベント情報
ACIDMAN / BIGMAMA / Creepy Nuts / EGO-WRAPPIN' / OAU / SUPER BEAVER / THE ORAL CIGARETTES / 04 Limited Sazabys / 9mm Parabellum Bullet / ストレイテナー / the shes gone(Opening Act)
[ATMC]
chelmico / Cody・Lee(李) / KUZIRA / LITE / mol-74 / NEE /toconoma / w.o.d. / 梅田サイファー / サバシスター
一般(中学生以上):¥8,000- / キッズ(小学生):¥3,000-
※通しはありません。
https://www.greens-corp.co.jp/