深作健太演出で『未婚の女』を能舞台にて上演 夏川椎菜、サヘル・ローズ/宮村優子(Wキャスト)、山村美智ら出演
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(左から)夏川椎菜、サヘル・ローズ/宮村優子(ダブルキャスト)、山村美智
2021年、2022年と「深作組ドイツ三部作」、「新ドイツ三部作」と銘打ち、ドイツ戯曲を立て続けに5作品上演した深作組が、「新ドイツ三部作」完結篇として『未婚の女』を、2023年10月18日(水)~10月22日(日)銕仙会 能楽研修所にて上演することが決定した。
『未婚の女』は、2014年にウィーンで初演され、ミュールハイム劇作賞を受賞し、今回が日本初演となる。戦争と今とを結びつけるこのドイツの話題作を、演劇やオペラ、映像作品などで活躍する深作健太が、現代社会が抱える問題をえぐるような鋭い視点で演出する。
本作品に登場する三世代の「未婚の女」たちの孫娘役は、昨年上演の深作組『オルレアンの少女』の主演で好評を博し、声優、アーティストとしても快進撃を続ける夏川椎菜が演じる。母役には、女優、タレント、キャスターなど幅広い顔を見せるサヘル・ローズと、『新世紀エヴァンゲリオン』アスカ役など数々の有名作に出演する声優・宮村優子がダブルキャストで出演。祖母役は、元フジテレビアナウンサーで、現在は女優としての活躍も目覚ましい山村美智が務める。
様々なルーツをもつ出演者が、能舞台で繰り広げるドイツ現代劇で、どのような化学反応を起こすのか、期待しよう。
1945年4月、オーストリア中部の村。
ナチスドイツによる支配が終わる数日前、一人の若い男が〈脱走兵〉として処刑された。
兵士を密告したのは、村に住む若い女・マリア。
しかし戦後、価値観は一転し、マリアは〈ナチスの協力者〉として裁かれる。
時は流れ、現代——
若い孫娘・ウルリケは祖母のノートの存在を知り、事件の真相に迫る。
一方、ウルリケの母・イングリッドは、自分をギリシア神話のエレクトラにたとえながら、
母に対する〈復讐〉を誓う。
浮かびあがる【三世代】、三人の女たちを〈抑圧〉する心の闇。
過去と現在が交錯しながら、やがて物語は衝撃のクライマックスを迎える——
夏川椎菜 コメント
『オルレアンの少女』から約1年ぶりとなる、舞台への挑戦です。
また深作組と一緒にメッセージを伝えられることを嬉しく思います!
台本の初稿を頂いた時「とりあえず今回は、旗を振り回す事はなさそう」と思い、ちょっと荷が降りる思いだったのですが、会場の銕仙会 能楽研修所を調べて、戦々恐々としています。
この厳粛な雰囲気の中、目の前のお客様にちゃんとメッセージを届けられるよう、稽古に励んで参ります!
ご来場お待ちしています。
深作健太 コメント
いま〈新しい戦前〉という言葉が、あちこちでささやかれています。
23年秋、深作組は〈戦争と女性〉をテーマに描く〈新ドイツ三部作〉完結篇として、オーストリアの気鋭の劇作家エーヴァルト・パルメツホーファーによる『未婚の女』を、大川珠季さんの翻訳で日本初演いたします。
三世代に渡る、三人の母娘の〈抑圧〉と〈抵抗〉の物語。
過去と現代が交錯する〈鎮魂劇〉を、東京・青山にある銕仙会能楽研修所の洗練された〈能舞台〉の上に表現することで、ドイツと日本、二つの敗戦国の〈戦後史〉がくっきりと浮かびあがることでしょう。
主演には『オルレアンの少女』に続いて、深作組のミューズ・夏川椎菜さんをお迎えします。
過去と現在を繋ぐこの難役は、強い言葉の力をもつナンちゃんしかいないと思いました。
母親役にはWキャストで、しなやかで強靱な表現力をもったお二人、
サヘル・ローズさんと、宮村優子さん。
そして物語の鍵を握る祖母役には、山村美智さん。
さらに様々な役を演じるコロス役としてイケメン俳優陣、
有川マコトさん、宮地大介さん、小田龍哉さん、神農直隆さんら、
今回もまた信頼する素敵なキャスト・スタッフが揃いました。
『未婚の女』は〈鎮魂〉の物語です。
僕たちはいつも、過去の戦争と次の戦争の間の時代を生きている。
未来の可能性を忘れてしまわないためにも、この〈裁判劇〉を大切に作ります。
公演情報
会場:銕仙会 能楽研修所
※ダブルキャストの日程の詳細は後日発表いたします。
夏川椎菜 サヘル・ローズ/宮村優子(ダブルキャスト) 山村美智
有川マコト 宮地大介 小田龍哉 神農直隆
作:エーヴァルト・パルメツホーファー
翻訳・ドラマトゥルク:大川珠季
演出:深作健太
音楽・音響・演奏:西川裕一 照明:倉本泰史 音響:石神保
衣裳:上杉麻美 ヘアメイク:高取真樹 舞台監督:逸見輝羊
プロデューサー:児玉奈緒子
主催・企画・制作:深作組/MA パブリッシング/Goh
※未就学児童のご入場はご遠慮ください。
X(旧 Twitter)アカウント @mikonnoonna