ストレイテナー『RUSH BALL 2023』ライブレポートーー結成25周年、音楽からあふれる希望に歓喜の声が響き渡る
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ストレイテナー
『RUSH BALL 2023』ストレイテナー
『RUSH BALL』を語るうえで外せないバンドは今年もたくさんいたけれど、やはり彼らの存在は大きいはず。2003年の初出演から、この日で16回目。切り離せないどころか、ともに成長してきたといってもいい。イベント開催に向けての対談でも語っていたが(https://spice.eplus.jp/articles/321438)、『RUSH BALL』と同じく、彼らも今年で結成25周年を迎える。会場のあちこちで、「25th Anniversary ROCK BAND ストレイテナー」と描かれたバンドタオルが掲げられていて、この日がバンドにとってもファンにとっても、大事なステージであることがうかがえる。
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「『RUSH BALL』!!」と声高らかにホリエアツシ(Vo.Gt.Key)が叫び「DAY TO DAY」へ。ナカヤマシンペイ(Dr)はいつものようにドラム台から立ち上がってフィールド全体を見渡すと、力強い打撃を放ち、それを始まりの合図にして一気に世界が広がっていく。日向秀和(Ba)は今日もご機嫌に体を揺らし、バンドの音を自身が先陣を切って楽しんでいるし、大山純(Gt)のギターリフは切なくも叙情的で、後半へ向けての盛り上がりはとにかく圧倒的だ。ホリエの柔く伸びやかな歌声も絶好調で、たった1曲で今日は最高だ! と確信が持ててしまうほどだ。
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「シーグラス」は凛とした歌声にキュンとする刹那的なメロで、夏の終わりや夕暮れに聴きたくなる曲。エモーショナルな歌詞は景色がしっかりと頭の中に浮かんできて、思わずじっと目を閉じて聴き入ってしまう。「『RUSH BALL』、盛り上がってるか! オレたちより楽しんでくれよ!」、そう叫ぶホリエの姿をよく見ると、昨年のイベントグッズのシャツを着用している。ラシュボ愛も素敵だけれど、これはホリエ自身も楽しむ気満々じゃないか!
「希望の兆し。ここから先は希望しかないから」と、9月6日(水)に配信リリースされる新曲「Silver Lining」を披露。タイトルの通り、日常の希望となるだろう楽曲は光沢のある音が弾むように綴られていて、観客を次々に笑顔にしていく。時間はゆっくりと照明が映える時間帯へと進んでいく。「羊の群れは丘を登る」、「REMINDER」と、ずっと気持ちの良いところを刺激し続けるライブに観客は身も心も任せて、音に塗れていく。
最後は改めて『RUSH BALL』の25周年へ祝福の言葉を贈り、「また会いましょう」とラスト「彩雲」へ。美しいエンディング曲は共に歩んできた軌跡を、次への一歩を感じさせるもので、その頼もしい姿に観客は拍手喝采を送った。
バンドは10月15日(日)、結成25周年を記念した日本武道館公演を控えている。さらなる進化を遂げるであろう4人の姿をこれからも注目したい。
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取材・文=黒田奈保子 撮影=松本いづみ
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