プッシュプルポット、This is LAST、カネヨリマサル、サバシスター、bokula.が出演『TOKYO CALLING 2023』最終日レポ

2023.11.11
レポート
音楽

プッシュプルポット

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『TOKYO CALLING 2023』Day3
2023.9.18 渋谷

初日・新宿、2日目・下北沢に続く、『TOKYO CALLING 2023』3日目の舞台は渋谷。“ロックの聖地”や“バンドの登竜門”と言われるライブハウスが多数存在し、いまも昔もライブハウスシーンの最前線であり、中心であるこの街。そんなロック最前線、渋谷の15会場に134バンドが出演したこの日。O-EASTやO-WESTといった主要会場が並ぶ道玄坂近辺には、午前中から開演を心待ちにする観客が溢れ、まさに『TOKYO CALLING』完全復活!といった雰囲気。ここでは3日目の渋谷公演から厳選した、次世代を担う6組の新進気鋭バンドのステージをレポートする。

 

■bokula./at Spotify O-EAST

bokula.

「音楽であなたの一日を彩りに来ました!」と、O-EASTにトップバッターとして登場したbokula.。渇望感に溢れた観客の大歓声で始まった1曲目「愛してやまない一生を.」でフロアを掻き回すと、キャッチーなサビに会場中の大合唱が起きる。勢いそのまま「uzai」へ続き、熱気を上げるフロアに「みんながこうやって楽しめる空間を作れること、俺らがステージに立たせてもらってること、あなたがこうして見てくれてるのも、全部引っくるめて当たり前じゃないと思ってます」と感謝と喜びを告げたえい(Gt&Vo)。「一緒に青春しようぜ」と始まった「群青謳歌」、ちょっぴりシリアスな表情を見せた「美談にしないで.」と続き、フロアに大きなうねりを生む。

bokula.

bokula.

bokula.

bokula.

えいの独唱で始まった「バイマイフレンド」ではフロアから手拍子とシンガロングが自然発生して、会場中が繋がっていることを確認。「夏の迷惑」で過ぎ去る夏を惜しむと、ラストは熱く激しい「満月じゃん。」でフロアをめちゃくちゃに掻き回す。モッシュやダイブでただ暴れるのでなく、周囲も気遣いながら自由に歌い踊って拳を上げて、それぞれの楽しみ方で盛り上がるフロアの光景から、bokula.のようなバンドたちがここから作り上げていくであろう、新たなライブハウスシーンの一端も見えた。

【セットリスト】
1. 愛してやまない一生を.
2. uzai
3. 群青謳歌
4. 美談にしないで.
5. バイマイフレンド
6. 夏の迷惑
7. 満月じゃん。

 

■Conton Candy/at CLUB QUATTRO

Conton Candy

満員の観客が待つCLUB QUATTROのステージに、堂々と登場した3人。短い挨拶から「新曲持って来ました!」と告げ、乾いたギターから「baby blue eyes」でライブがスタート。甘く切ないハイトーンから、気持ちの強さが見える紬衣(Vo&Gt)の歌声。「TOKYO CALLING行けますか?」とフロアを煽って始まった「音の鳴る方へ」、「102号室」とアップテンポな曲が続くと、ギターを掻き鳴らして力強く伸びやかな声を響かせ、アグレッシブなステージでフロアを沸かす。

Conton Candy

Conton Candy

Conton Candy

抜けの良いドラムに安定感のあるベース、鋭利なギターと、スリーピースのシンプルな編成ゆえの個が立つ演奏やアレンジで、バンドの魅力を存分に伝えた彼女ら。MCでは「たくさんたくさん出ているアーティストさんの中で、私たちを選んでくれて本当にありがとうございます」と感謝を告げ、「全ての人にたくさんの愛を伝えて帰ります」と歌い始めた曲は、彼女らの代表曲となった「ファジーネーブル」。「歌える?」の声にフロアからサビの合唱が起きると、甘酸っぱい匂いと幸福感が会場を包む。

Conton Candy

「ファジーネーブル」が注目されて、Conton Candyへの期待を考えることが多くなったという紬衣。「答えは出ないけど、期待は超えるだけです」と告げて「ロングスカートは靡いて」を力強く歌い出すと、想いを受け止めた観客から大合唱が起きる。みんなの力も背に受けて、堂々としたステージングを見せた彼女ら。ラストは「好きなものは手のひらの中」でのシンガロングで、会場中の気持ちをひとつにする。バンドと観客が一体となって最高のライブを作り上げていく過程が目に見えるという、実に貴重で素晴らしいライブだった。

【セットリスト】
1. baby blue eyes
2. 音の鳴る方へ
3. 102号室
4. ファジーネーブル
5. ロングスカートは靡いて
6. 好きなものは手のひらの中

 


■サバシスター/at duo MUSIC EXCHANGE

サバシスター

duoのステージに構えることのない自然体で登場した3人。「ジャージ」でライブが始まると、楽しそうな笑顔を見せながらキュートな歌声で等身大を鳴らす、サバシスター流のロックンロールにフロアが大いに沸く。

サバシスター

サバシスター

泥棒の歌なのに牧歌的な「スケボー泥棒!」でほのぼのした空気に包むと、「今年はこんな広い会場で、こんなに集まってくれると思いませんでした!」と、なち(Vo&Gt)が感謝と喜びを告げる。リリースしたばかりの最新曲「キラキラユー」、ふわっと力を与えてくれる「アイリー」と続くと、「ここを選んで、この時間見に来てくれた人はみんな仲間です。こういう楽しい日も、毎日毎日毎日続く苦しい日も頑張って、またここで会いましょう」となちが告げ、アップテンポな「タイムセール逃してくれ」で終盤戦へ。

サバシスター

ぴょんぴょん跳ねながら、とにかく楽しそうに演奏する3人から“楽しい”が伝わり、体を揺らす観客の笑顔で溢れるフロア。“楽しい”や“幸せ”は日常の延長上にあって、それに気付けることこそが幸せなのだろうと、彼女らの楽曲を聴きながら思った。ラストは「サバシスター's THEME」で明るく楽しく駆け抜けた3人。決めのジャンプでひっくり返って尻もちついてた、るみなす(Gt&Cho)の愛らしさまで含めて、ず~っと楽しいステージだった。最高!

【セットリスト】
1. ジャージ
2. スケボー泥棒!
3. キラキラユー
4. アイリー
5. タイムセール逃してくれ
6. サバシスター's THEME

 

■カネヨリマサル/at Spotify O-EAST

カネヨリマサル

機材車のトラブルで、開演時間になってもメンバーが会場に到着できていないというトラブルに見舞われたカネヨリマサル。10分程度の遅れで、楽器を背負った3人がステージに現れると、会場を離れず待ち続けた観客に温かい拍手で迎えられ、そのまま本番スタート。

カネヨリマサル

カネヨリマサル

ちとせみな(Gt&Vo)の「めちゃくちゃ良いライブやって帰ります!」の宣言通り、1曲目「ガールズユースとディサポイントメント」から気迫に満ちたアグレッシブなステージを見せ、フロアを大いに沸かす。疾走感ある「GIRL AND」でライブを加速させると、MCでは「みんなが温かく迎えてくれて嬉しいです」といしはらめい(Ba)が涙を浮かべて語り、「愛とか感謝とかいっぱい伝えたいけど、曲聴いて欲しいんでまだまだやります!」とちとせが告げ、「関係のない人」、「はしる、夜」と続けて披露。着の身着のまま本番に挑むというバンドの本質が問われる状況ながら、動じることなく堂々としたステージを見せる3人が実にカッコ良い。

カネヨリマサル

カネヨリマサル

「バンド9年やってて、失敗もいっぱいあるけど。こうやって待ってくれてる人がいて、音楽を楽しんでくれてる人がいて。私たちを助けてくれる人がいて。私たちは恵まれてるなって思いました。泣かんように頑張って歌います」とちとせが語り、たっぷり気持ちを込めて披露したラストは「わたし達のジャーニー」。会場中が笑顔で見守る中、《こんな思い出があるだけで 明日頑張れそう》と歌うちとせ。「信じてくれてありがとうございました!」と感謝の言葉を告げると、3人で深々とおじぎをして、ライブを完遂した。

【セットリスト】
1. ガールズユースとディサポイントメント
2. GIRL AND
3. 関係のない人
4. はしる、夜
5. わたし達のジャーニー

 

■This is LAST/at Spotify O-EAST

This is LAST

O-EASTを埋める観客に、大きな拍手と歓声で迎えられて登場したThis is LAST。1曲目「もういいの?」に会場中が手拍子を合わせ、待望感が溢れる中、力強い歌と演奏で楽曲世界を描いていく。

This is LAST

This is LAST

「勘弁してくれ」、「恋愛凡人は踊らない」と続くライブに、体を揺らしクラップを合わせたり、たくましく感傷的な歌に浸ったり、一緒に口ずさんだり掛け声を合わせたりと、自由に楽しむ観客。要所要所でクラップを合わせるパートは、もはや、ワンマンライブと思うくらいの盛り上がりに圧倒されていると、「最高にカッコいい音で、最高にヤバい歌で、最高にカッコいいライブして帰ります!」と、菊池陽報(Vo&Gt)が力強く告げる。

This is LAST

This is LAST

「病んでるくらいがちょうどいいね」でシンガロングを起こし、「オムライス」の軽快なビートで踊らせ、《オムライス食べた~い!》のコール&レスポンスを会場中が合わせて、ラストは優しく温かく切ない歌とメロディが心に染み入る「カスミソウ」でしっかり聴かせる。切ない失恋ソングが多い、This is LASTの楽曲。家で一人浸るのも良いが、同じ空間で同じ気持ちを共有しながら聴くのもたまらなく良い。

【セットリスト】
1. もういいの?
2. 勘弁してくれ
3. 恋愛凡人は踊らない
4. 病んでるくらいがちょうどいいね
5. オムライス
6. カスミソウ

 


■プッシュプルポット/at CLUB QUATTRO

プッシュプルポット

開演直前、入場規制で長い行列ができていたCLUB QUATTROに、大トリとして登場したプッシュプルポット。超満員の観客の期待度がMAXに高まる中、「お待たせ! 『TOKYO CALLING』3日目、大トリやります!!」と山口大貴(Vo&Gt)が叫び、《いつか かき鳴らした場所 今も覚えてるよ》と気持ちいっぱいに歌った「Unity」でライブをスタート。ど頭からドライブ感ある演奏と求心力のある歌でフロアをぐしゃぐしゃに掻き回し、大トリの威厳を見せた彼ら。「ロックンロールミュージック」でさらに勢いづけると、会場中の大合唱が起きた「愛していけるように」と続き、フロアが天井知らずの盛り上がりを見せる。

プッシュプルポット

プッシュプルポット

「俺たちを選んでくれたってことは、遊び足りないってことで合ってるでしょうか?」と煽り始まった「Fine!!」でジャンプを合わせて会場を揺らすと、「お前たちを待ってました!」と疾走感ある新曲で踊らせ、「こんな日々を終わらせて」でシンガロングを起こしてと、攻撃の手を緩めない4人。MCでは3年前、『TOKYO CALLING』のオーディションで優勝してから、CLUB QUATTROで大トリを務めるまでの経緯を語り、「音楽やらせてくれて、続けさせてくれて、ありがとうございます!」と、熱い想いを語った山口。たっぷり気持ちを込めて「13歳の夜」を届けると、「あの日の悪いことも全部繋がってる。そういう日があって今日がある、生きていけ! 死ぬまで生きていけ! ライブハウスでいつでも待ってる!!」と熱いメッセージを送る。

プッシュプルポット

プッシュプルポット

ライブ終盤は「笑って」、「snooze」、「最終列車」とキラーチューンを畳みかけて最高潮の盛り上がりを生むと、「アンコールやっちゃうわ!」と「ダイナマイトラヴソング」を追加投入。会場中のシンガロングで沸点超えの盛り上がりを見せる中、大団円で終演。『TOKYO CALLING』に誰より強い思い入れを持つプッシュプルポットと、彼らを強く欲する観客の想いがぶつかり合い、とんでもない爆発力を生んだ、3日間の大トリに相応しい凄まじいライブだった。

【セットリスト】
1.Unity
2.ロックンロールミュージック
3.愛していけるように
4.Fine!!
5.新曲
6.こんな日々を終わらせて
7.13歳の夜
8.笑って
9.snooze
10.最終列車
11.ダイナマイトラヴソング


取材・文=フジジュン
撮影=bokula.*photo by TAMA
   Conton Candy*photo by Ryohey Nakayama
   サバシスター*photo by aoi / アオイ
   カネヨリマサル*photo by aoi / アオイ
   This is LAST*photo by aoi / アオイ
   プッシュプルポット*photo by 清水舞

 

関連リンク

■bokula. https://bokula.jp/
■Conton Candy https://lit.link/contoncandy
■サバシスター https://lit.link/sabasister
■カネヨリマサル https://kaneyorimasaru.com/
■This is LAST https://thisislast.jp/
■プッシュプルポット https://pushpullpot.aremond.com/
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