日本初の世界選手権で白井空良が金メダルを狙う!『ワールドスケートボード東京』は12/10開幕

2023.10.23
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『ワールドスケートボードストリート世界選手権2023東京』の記者発表会が、10月19日に都内で行われた

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『ワールドスケートボードストリート世界選手権2023東京』が12月10日(日)~17日(日)に有明コロシアム(東京都)で行われる。

スケートボードの世界選手権が日本で開催されるのは今回が初めて。世界50カ国から男女代表選手約200名が集結し、ストリートの世界一の座を争う。

この大会の記者発表会が10月19日に都内で行われ、白井空良、織田夢海、赤間凛音、根附海龍が、地元優勝に向けて熱く闘志を燃やした。

白井空良「今年一番大事な大会。金メダルを取って驚かせる」

白井空良

『2020年東京オリンピック競技大会』代表選手だった白井空良は、最新の世界ランキングで5位。今回の世界選手権について「今年一番大事だと思う。ここで(1位を)取ったらオリンピックに近づく。いろんな人に勇気与えられると思うので、ここで金メダルを取って驚かせ、もっともっとスケートボードを広めていきたい」と、現在の日本人トップらしく、言葉に自信をのぞかせた。

日本開催ということもあり、今大会では家族や友人が観戦を約束してくれている。「いろんな人が見に来てくれて、励みになるし、自分のやる気もすごく出る。東京でやるのは、自分たちにとって有利。楽しみでしょうがない。やるんだったらここだと思って、気持ちがたかぶっている」と目を輝かせた。

8月に行われた世界最高峰のストリート大会『STREET LEAGUE SKATEBOARDING(SLS)』東京大会では、前日練習で左膝を負傷し、数試合の欠場を余儀なくされた。現在は「60~70%くらい」と回復ぶりをアピールしており、「2カ月で100%に。東京で勝てるという気持ちで迎えたい」と前を向いた。

優勝を目標に掲げる織田夢海。その夢は五輪で日の丸を背負うこと。

織田夢海

一方、世界ランキング3位の織田夢海は、世界選手権について「目標は優勝。自分の持っている技をみんなに見せられるようにがんばりたい」とやる気十分。五輪イヤーの2024年に向けては、「来年もまだオリンピック予選があるので、そこで良い結果を残して、オリンピックに行きたい」と、五輪で日の丸を背負う夢を披露した。

赤間凛音はケガもほとんど回復。上位進出を狙う。

赤間凛音

「自分らしい滑りを最後まで突き通して、頑張りたい」と語るのは、世界ランキング4位の赤間凛音。「ケガ明けなので、オリンピックに向けてケガをしないようにして、上位に残れるようにしたい」と、パリの代表入りを見据えている。ケガをしたのは骨盤で、「ほとんど治っている。今は問題ない」とのことだ。

根附海龍は「目標はメダル。自分のスタイルを出して楽しみたい」

根附海龍

世界ランキング15位の根附海龍は、世界選手権について「みんな気合いを入れてくる。すごいレベルが高くて、見ていても面白い大会」とし、「目標はメダル。自分の得意な技、スタイルを出して楽しみたい」と上位進出を狙う。五輪代表を争う日本選手については、「レベルが高いので負けられない。新しい技を出す」と気を引き締めた。

街を再現したコースで争われるのが「ストリート」競技

『2020年東京オリンピック競技大会』や『X Games Chiba 2023』など、日本でも大きな盛り上がりをみせているスケートボード。その種目のひとつ「ストリート」はスロープ(坂)や階段、ハンドレール(手すり)など、ストリート=街の作りを再現したコースで行われる。

このコースでトップ選手たちは、観客の意表を突くトリック(技)を最高のテクニックで成功させようと試みる。繰り出されたトリックの難易度や正確さなどで、世界一が決まるという大会だ。

五輪出場権をかけたランキングポイントをもっとも多く獲得できる重要な予選大会

2023年最後の予選となる『ワールドスケートボード東京2023』は、上位ランキング選手にとってはオリンピック出場権獲得に王手をかける絶好のチャンス。その一方で、現在ランキングが今ひとつの選手にとっては、逆転を狙える千載一遇の機会でもある。

なお、世界ランキング1~5位の選手は予選が免除されており、6~30位の選手には予選への出場資格が与えられている。それ以外のランキングの選手は、各国出場枠(男女各6人)の範囲内で各連盟から登録される。

『ワールドスケートボード東京2023』は、『2024年パリオリンピック競技大会』の出場権をかけたランキングポイントをもっとも多く獲得できる重要な予選大会でもある。ワールドスケートが主催する予選会は、2022年6月22日から24年1月21日まで合計6回開催され、本大会は5回目。2024年にIOC(国際オリンピック委員会)が主催する予選の順位と合わせて、オリンピック出場が決定する。

オリンピックに出場できるのは、男女各22人という狭き門。現在、予選のフェーズ1が開催されており、その上位44人がフェーズ2に進む。ただし、各国6人が最大人数となっており、世界ランキングトップ10の半数を占める日本の女子選手にとっては、まさに熾烈な争いと言えるだろう。

予選のフェーズ2は2024年2月1日から6月23日までとなっており、定められた大会でランキングを争う。そして、その上位20人と開催国枠1人とユニバーサル枠1人に、オリンピック出場権が与えられる。

ワールドスケートプレジデントも大きな期待を寄せる東京での世界選手権

サバティーノ・アラク ワールドスケートプレジデント

サバティーノ・アラク ワールドスケートプレジデントは、会見にビデオメッセージを寄せ、『2024年パリオリンピック競技大会』の前年に、前開催地東京で行われる『ワールドスケートボード東京2023』にエールを送った。

「パンデミックの最中に開催されたとはいえ、東京オリンピックは大変素晴らしく、日本がいかに優れたイベントを開催し、世界に発信できるかを示しました。日本のスケートボード選手たちも、自分たちの強さを示しました。今日、スケートボードで日本が世界で最も強い国のひとつになったのも、国がスポーツを通じて若い人たちに目を向けていることを象徴していると思います。東京オリンピックは強烈な印象を残し、スケートボードをソーシャルメディアで世界で最も人気のあるスポーツに押し上げました。多くの観客が足を運ぶ中、日本で世界選手権が開催されることを、日本のチャンピオンや他の選手たちとともに楽しみにしています」(サバティーノ・アラク氏)

なお、会見には一般社団法人ワールドスケートジャパンの宮沢武久専務理事、スケートボード日本代表の西川隆監督、同じくスケートボード日本代表の早川大輔コーチも出席。宮沢専務は「世界中から強い選手が多数やって来る。楽しさを発信するような国際大会を目指してやっていきたい」と話すとともに、世界ランキング上位を占める日本選手の活躍に期待した。

一般社団法人ワールドスケートジャパンの宮沢武久専務理事

スケートボード日本代表の西川隆監督

スケートボード日本代表の早川大輔コーチ

気軽に観戦できる料金

今大会では会場内のお好みのポジションから観戦できる一般自由席が、3日間通し券で4,500円、高校生は2,000円で販売されている。ファミリーは4,500円となっており、一般1人につき小中学生以下2人までが、自由席に同時入場可能。世界最高のトリックを日本で観戦できる貴重な機会なだけに、その演技をしっかりと目に焼き付けたい。

イベント情報

『ワールドスケートボードストリート世界選手権2023東京』

 日程:12月10日(日)~17日(日)
 場所:有明コロシアム(東京都)

※10日(日)~12日(火)は練習
※13日(水)~14日(木)は予選
※観戦の販売は15日(金)の準々決勝、16日(土)の準決勝、17日(日)の決勝のみ