山崎育三郎「全国で“トッツィー伝説”を作る」〜ミュージカル『トッツィー』製作発表レポート
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(左から)エハラマサヒロ、岡田亮輔、昆夏美、愛希れいか、山崎育三郎、キムラ緑子、羽場裕一、金井勇太、おばたのお兄さん、デイヴ・ソロモン
ミュージカル『トッツィー』が、山崎育三郎主演で2024年1月に東京・日生劇場で日本初演を迎える。
本作は、俳優としてなかなか芽が出なかった男性が、ひょんなことから女性としてミュージカルのオーディションを受けることから始まるコメディ・ミュージカル。ダスティン・ホフマンが主演した映画『トッツィー』(1982年)を原作とし、ミュージカル『バンズ・ヴィジット』で作詞・作曲を手掛けたデヴィッド・ヤズベックをはじめとするブロードウェイの気鋭のクリエイターによってミュージカル化された。2019年のトニー賞ミュージカル部門で計11部門にノミネートされた話題作だ。
2023年11月13日(月)、都内にて本作の製作発表会が開催された。会見には山崎育三郎、愛希れいか、昆夏美、金井勇太、岡田亮輔、おばたのお兄さん、エハラマサヒロ、羽場裕一、キムラ緑子、デイヴ・ソロモン(演出)ら計10名が登壇。アンサンブルキャスト12名が加わっての歌唱披露も行われた。
冒頭ではロン・カーライル役のエハラマサヒロが客席後方から登場。見事なボイスパーカッションを披露し、応募総数1500名から抽選で選ばれた130名の一般参加者を盛り上げた。
そしていよいよ本日の主役、山崎育三郎演じるマイケル・ドーシーの登場だ。キャップを被ったボーイッシュな装いで、1幕最後のビッグナンバー「Unstoppable 止められない」を颯爽と歌い上げる。この日のパフォーマンスは製作発表記者会見スペシャルバージョン。アンサンブルキャスト陣と息の合ったダンスも披露し、ブロードウェイのスターダムを駆け上がるマイケルの勢いが感じられるナンバーになっていた。
中盤で上手袖に捌けた山崎は、40秒後にステージ中央からスポットライトを浴びながら再登場。煌めく赤いドレスに身を包んだドロシー・マイケルズの姿に、客席から拍手と歓声が沸き上がる。曲も雰囲気を変えてゆったりとゴージャスに、歌のキーも一気に高くなり、山崎は女優として力強く高らかに歌い上げた。
歌唱披露直後の山崎は「すっごい嬉しい。リハーサルでは2回とも(早替えが)間に合わなかったの。本番、あたし完璧。ありがとう」と、ドロシーになりきりつつホッと胸を撫で下ろす。そのまま「せっかく私キレイだから、ちょっと近くに・・・・・・」とステージを降りて客席に近づくと、観客からは喜びの悲鳴が上がっていた。すぐに「ごめんね、台本にないことして」と謝罪を欠かさないところも山崎らしい。
(左から)本田大河、青山瑠里、富田亜希、照井裕隆、田中真由、松谷嵐、村田実紗、髙田実那、常川藍里、藤森蓮華、岩瀬光世、米澤賢人
その後はアンサンブルキャスト陣の紹介を経て会見へと移り、一人ずつ挨拶が述べられた。
山崎育三郎(マイケル・ドーシー/ドロシー・マイケルズ役)
いよいよミュージカル『トッツィー』が来年開幕ということで、すごくワクワクしております。今回のミュージカルの出演者は、私も含めてみんな厳しいオーディションを通って集まったメンバーでございます。華やかで、楽曲も美しくて、本も笑えて、ミュージカルの素晴らしさが全て詰まっている作品でございますので、2024年は『トッツィー』がみなさまと一緒に最高のスタートを切れればなと思っております。日生劇場は
愛希れいか(ジュリー・ニコルズ役)
私も台本を読ませていただき、こんなに明るくハッピーな作品に出演できることを本当に嬉しく思いました。そして海外の素晴らしいクリエイティブチームのみなさんとご一緒できることも本当に光栄です。この作品にはすごく個性的なキャラクターが登場するんですけれど、それぞれが悩んだり壁にぶち当たったり苦しんだりする中で、みんなすごくポジティブに前向きに進んでいくんです。周りから「えっ」と思われるようなことも、自分の信念を持って強く生きていく。そこに私はすごくエネルギーをもらいました。なので、お客様にもそういったポジティブなエネルギーをお届けできるよう精一杯努めてまいります。
昆 夏美(サンディ・レスター役)
今すごくワクワクしています。山崎さんの歌唱を会場の後方で拝見していたのですが、こんなに高揚する力を持った作品なんだなということを今日感じることができました。きっとお客様も「わあ!」となったと思いますが、それが続く作品になるのではないかなと思っています。2024年の幕開けを精一杯務めたいです。
金井勇太(ジェフ・スレーター役)
この作品の台本を読んだときに、「時代が『トッツィー』に追いついたな」と感じました。本当にいい雰囲気で稽古が進んでおりまして、ムードメーカーの“エハラのお兄さん”(エハラマサヒロさんとおばたのお兄さん)がいっぱい盛り上げてくださって(笑)。このような楽しい雰囲気をお届けできるように精一杯頑張ってまいりますので、よろしくお願いいたします。
岡田亮輔(マックス・ヴァン・ホーン役)(Wキャスト)
この素晴らしいカンパニーの一員としてここに立てていることを、本当に嬉しく光栄に思っております。僕自身も『トッツィー』を楽しみたいということしか浮かんできません。音楽も、こういう情熱的な赤という色に囲まれて舞台に立てることも、すごく嬉しく思っております。よろしくお願いいたします。
おばたのお兄さん(マックス・ヴァン・ホーン役)(Wキャスト)
このキャストのみなさんで顔合わせをした帰りにもう「いい現場だね」という話になったんですよ。本当に素晴らしい方々とご一緒できるのがすごく嬉しくて。僕個人で言うと、マックスはものすごくナルシストですぐに身体を見せたがるマッチョの役なんです。どう役作りしようかなと今やっているのが、NON STYLEの井上(裕介)さんとなかやまきんに君を同時に見るという作業。そんな作業を一生懸命していますので、ぜひ劇場に足をお運びいただければと思います。
エハラマサヒロ(ロン・カーライル役)
本当にパワフルで、ただただ楽しんでガハハと笑って、元気になるような作品にしたいと思っています。私自身としましては、舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』でロンを演じていて、その前の作品でもロンに憧れている役をやっていまして。ロンにすごく繋がりがあるので、もし次の子どもが生まれたらロンという名前にしたいと思います。本番もロンをしっかり体に入れて頑張っていきたいです。
羽場裕一(スタン・フィールズ役)
僕はこの作品の原作の映画を今から40年くらい前にリアルタイムで観ていました。その頃、僕はもう劇団に入ってお芝居を始めていたんです。あれから40年近く経ち、お芝居を続けてこの場に立つことができ、「俺も頑張ったなあ」と思っているところです。みなさんどうか楽しみにしていてください。
キムラ緑子(リタ・マーシャル役)
このような華やかな記者会見にみなさんとご一緒に立てているのは本当に嬉しいなと思っています。私は山崎育三郎さん演じるドロシーという役者さんの才能をいち早く見つけ、この人の一生を引き上げるという、こちらも才能のあるプロデューサーの役を演じます。どうぞみなさんよろしくお願いします。
デイヴ・ソロモン(演出)
このように日本に来ることができてとても嬉しく思っております。実は日本に来るのは今回が初めてです。このプロダクションを日本にこのような形で持ってきてくださった東宝のみなさんに、本当に感謝を述べたいと思います。オリジナルの振付師であり、トニー賞ノミネートも受けておりますデニス・ジョーンズも来日いたします。自分は演出補として作品のワークショップや最初のシカゴ公演、ブロードウェイのプロダクションにも関わっており、2年間アメリカを周っていたナショナルツアーでは演出家を務めさせていただきました。ここ数年間、自分の人生の大きな一部を占めてきたこの『トッツィー』という作品を、今回は日本のみなさまに日本のバージョンとしてお届けできることを非常に嬉しく思っております。素晴らしい才能溢れるみなさんとご一緒させていただけることを本当に心から嬉しく思います。ありがとうございます。
挨拶を終えると、記者からの質疑応答へと移った。
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