二代目中村吉右衛門を偲び上演された、松本幸四郎ら出演の『揚羽蝶繍姿』と尾上菊五郎・中村時蔵による『芝浜革財布』をテレビ初放送

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2023.11.21


CS放送「衛星劇場」にて、毎日平日午後4時から歌舞伎を放送している。この度、2023年12月は『揚羽蝶繍姿』(あげはちょうつづれのおもかげ)(2022年9月)と『芝浜革財布』(しばはまのかわざいふ)(2022年3月)をテレビ初放送する。

『揚羽蝶繍姿』は二代目中村吉右衛門を偲び、松本幸四郎が佐野次郎左衛門と熊谷次郎直実、中村錦之助が幡随院長兵衛といった吉右衛門当り役の数々を演じる。

『揚羽蝶繍姿』     (C)松竹株式会社

『揚羽蝶繍姿』     (C)松竹株式会社

 
桜満開の吉原。田舎者の佐野次郎左衛門が吉原一の花魁八ツ橋を見染め心を奪われる(『籠釣瓶花街酔醒』)。品川宿付近の鈴ヶ森でお尋ね者の美少年、白井権八と江戸随一の侠客、幡随院長兵衛が出会う(『鈴ヶ森』)。源平争乱の時代。源氏の武将熊谷直実は平敦盛を討ち自らの陣屋へ戻ると、敦盛の母藤の方に敦盛の最期を語り、無常を悟って出家する(『熊谷陣屋』)。播磨潟に源平所縁の人々が現れ、揚羽蝶の赤旗を奪い合う(『播磨潟だんまり』)。「二世中村吉右衛門一周忌追善」の令和4年『秀山祭九月大歌舞伎』より二世吉右衛門の当り役の名場面をつづり、その面影を偲ぶ。


落語が元の『芝浜革財布』 は夫婦の情愛を描く人情噺で酒癖の悪い亭主が女房のおかげで改心し、最後はハッピーエンドとなる心温まる世話狂言。酒好きながらも人情味のある江戸っ子の政五郎を尾上菊五郎、しっかり者の女房おたつを中村時蔵が演じたまさに年の瀬にふさわしい作品。

 『芝浜革財布』     (C)松竹株式会社

『芝浜革財布』     (C)松竹株式会社

 
ある朝、大酒飲みで怠け癖のある魚屋の政五郎は、芝浜海岸で大金入りの革財布を拾う。しめたとばかりに仲間を集めて酒盛りを始めたものの、酔い潰れて寝てしまう。さあ、目を覚ますと事態は一変。女房おたつに夢を見ていたのだと諭された政五郎は禁酒を誓うと、一念発起して仕事に励むが……。
三遊亭円朝が生んだ落語「芝浜」は現在でも人気を誇る人情噺。江戸っ子気質の政五郎としっかり者の女房おたつの姿を通して、庶民の暮らしの哀歓や夫婦の情愛を描き出し、歌舞伎の世話狂言としても愛されている。笑いのなかにほろりとした情が描かれる名作を堪能できる。

 

放送情報

『揚羽蝶繍姿』(あげはちょうつづれのおもかげ)(令和4年9月・歌舞伎座)
※テレビ初放送
 
放送日:2023年12月1日(金)午後4:30~/13日(水) 午後5:30~ 他
放送局:CS放送「衛星劇場」
2022年/令和4年9月・歌舞伎座
出演:松本幸四郎、中村歌昇、大谷廣太郎、中村種之助、中村児太郎、
大谷廣松、中村鷹之資、中村莟玉、市川染五郎、中村梅花、中村吉之丞、
中村錦之助、中村福助
 
『芝浜革財布』(しばはまのかわざいふ)(令和4年3月・歌舞伎座)
※テレビ初放送
 
放送日:2023年12月1日(金) 午後5:15~/11日(月) 午後5:00~ 他
放送局:CS放送「衛星劇場」
2022年/令和4年3月・歌舞伎座
出演:尾上菊五郎、中村時蔵、河原崎権十郎、坂東彦三郎、寺嶋眞秀、
市村橘太郎、中村東蔵、市川左團次
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