新国立劇場、フルオーディション企画第7弾の詳細が発表 蓬莱竜太の『消えていくなら朝』を上演
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新国立劇場によるフルオーディション企画の第7弾が発表された。
小川絵梨子芸術監督が、就任とともに打ち出した支柱のひとつ、すべての出演者をオーディションで決定するフルオーディション企画・第7弾の詳細が決定した。
第7弾となる今回は、2018年に新国立劇場に書き下ろされ、第6回ハヤカワ「悲劇喜劇」賞を受賞した『消えていくなら朝』。演出を、作家でもある蓬莱竜太が担当する。
2024年1月12日より応募を開始、2月から3月にかけてオーディションを開催し、合格者には2025年5月下旬よりスタートする稽古に参加し、2025年7月~8月中旬公演予定の公演に出演してもらう。
家族と疎遠の作家である定男は、五年ぶりに帰省する。作家として成功をおさめている定男であったが、誰もその話に触れようとしない。むしろその話を避けている。家族は定男の仕事に良い印象を持っていないのだ。定男は切り出す。
「……今度の新作は、この家族をありのままに描いてみようと思うんだ」
家族とは、仕事とは、人生とは、愛とは、幸福とは、親とは、子とは、そして表現とは、様々な議論の火ぶたが切って落とされた。 本音をぶつけあった先、その家族に何が起こるのか。
何が残るのか。
演劇芸術監督 小川絵梨子 コメント
小川絵梨子
『かもめ』、『反応工程』、『斬られの仙太』、『イロアセル』、『エンジェルス・イン・アメリカ』、『東京ローズ』と続き、フルオーディションでの公演は今回で7作品目となります。
本作『消えていくなら朝』は、蓬莱竜太さんが以前、新国立劇場に書き下ろしてくださった、ある家族の物語です。安心や帰属の基盤となる一方、背負わざるを得ない宿命ともなり得る、最も原初的な人間の関係性。自らの根幹の一部として向き合わざるを得ない家族の現実、そして、繋がりの裂け目から溢れるように表出してくる確執や葛藤、悲しみや罪悪感の感情、そして受容への希求が鮮烈に浮き彫りされていきます。普遍的な家族の物語であると同時に、宗教二世の問題にも踏み込んだ本作は、今の社会においてより切実に響き渡る物語であると思います。
『消えていくなら朝』へのオーディションへ是非ご参加いただけましたら幸いです。オーディションにて、たくさんの新しい方々との出会いとたくさんの嬉しい再会がありますことを祈っております。ご応募をお待ちしております。何卒、よろしくお願い申し上げます。
作・演出 蓬莱竜太 コメント
蓬莱竜太
この作品は2018年に新国立劇場に書き下ろした作品です。当時の芸術監督であった宮田慶子さんから執筆のオファーをいただき、僕自身は演出をしないという大前提があったからこそ書けた作品でもありました。僕の中では結構思い切った作品でした。自分のコアのような部分に触れたり、時には叩いてみたり、踏んづけたりするような感じがありました。
今回この作品で演出をしませんか、フルオーディションでやりませんか、という依頼をいただいた際には、そう来たかと、色々な意味で震える思いをしました。応募してくださる方も挑戦ですが、間違いなく僕にとっても挑戦になります。
戯曲執筆時に想定していた、役それぞれの年齢設定を書きましたが、その設定にこだわらずに、どんどん応募してくださったら嬉しいです。
共に模索しながら、共に悩みながら、新たな作品を生み出せたらと思っています。
公演情報
【日程】2025年7月~8月中旬公演予定
【会場】新国立劇場 小劇場 ほか
【作・演出】蓬莱竜太
【芸術監督】小川絵梨子
一般発売日:未定 / 料金:未定