鯛中卓也(ピアノ) “作曲家が思い描いた理想の境地”をテーマに加古川でリサイタル
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“作曲家が思い描いた理想の境地”をテーマにリサイタル
幼少期から数々のコンクールに優勝・入賞を果たし、昨年6月にはイタリアで行われたマッサローザ国際ピアノコンクールで第3位入賞を果たした注目の若手ピアニスト 鯛中卓也が今月10日に兵庫県加古川市にある松風ギャラリーでリサイタルを行う。鯛中は東京芸術大学を経て、現在は芸大大学院を休学し、ポーランドのビドゴシチ音楽院に留学中。
今回のプログラムは「“作曲家が思い描いた理想の境地”をテーマにし、いま最も心惹かれる作曲家」をまとめた。また、会場にはベーゼンドルファーのピアノが入っているため、「“楽器と仲良く響くもの”ということを考えるとやはりドイツリートにまつわるような曲がいいのではないか」ということも考えたそうだ。
今回演奏するバッハ、ベートーヴェン、ショパン、シューベルトの作品はそれぞれ向かう理想が全く違うと鯛中は考えている。
「バッハでは彼自身の心が神に向かっているのに対し、ベートーヴェンは大自然からエネルギーを得ていて、音楽が生き生きしている。バッハよりもずっと人間的な感情に近いものを理想にしていた」のではないかという。 “人間的な感情”をベートーヴェンもショパンも表現しているが、「ベートーヴェンはどちらかというとオープンマインドなのに対して、ショパンは内面的な葛藤から生まれる音楽を理想としていた人だと思います。特にバラード1番はその心の様相が彼独自の美意識を伴ったロマンティシズムでもって描かれています」と、それぞれの特徴を分析。そして、「シューベルトは現世ではありえない、体現できない、音楽でしか成し得ない世界をもっとも心の内なる理想として描いていたように感じます」。
4人の作曲家と鯛中の“理想の音楽”が聴けるリサイタルとなりそうだ。
■日時:2016年1月10日(日) 開演13:30
■会場:松風ギャラリー(JR神戸線加古川駅より徒歩15分)
■料金:一般2,000円 学生1,500円
■プログラム:
J.S.バッハ/プレリュード、フーガとアレグロ BWV998
ベートーヴェン/ピアノソナタ 第18番 変ホ長調 Op.31-3
ショパン/バラード 第1番 ト短調 Op.23
シューベルト/ピアノソナタ 第20番 イ長調 D959