井之脇海×上川周作、窪塚愛流×篠原悠伸 傑作二人芝居を二組のキャストで 『ボクの穴、彼の穴。W』上演決定
-
ポスト -
シェア - 送る
モチロンプロデュース「ボクの穴、彼の穴。W」
2024年9月中旬よりスパイラルホールにてモチロンプロデュース『ボクの穴、彼の穴。W』の上演が決定した。
本作は松尾スズキが初めて翻訳したフランスの童話作家デビッド・カリ著・セルジュ・ブロック絵『ボクの穴、彼の穴。』(千倉書房)の絵本が原作の二人芝居。戦場に残された敵対する二人の兵士。それぞれの穴の中で孤独に苛まれ、星空に癒され、幾度も限界を迎えながらもやがて相手を知ることで、決意する。舞台は戦場だが、ユーモアと人間の根源的な優しさが満ち溢れた作品だ。
2016年には塚田僚一(A.B.C-Z)、渡部秀の出演で上演され、2020年に宮沢氷魚、大鶴佐助のペアで再演もされた。PARCOプロデュースという形で2回上演されたこの作品を、この度“モチロンプロデュース”として劇場と出演者が変わり、装いを新たに、より濃密な空間で俳優の息遣いを感じさせる作品として蘇らせる。
卓越した発想力とユーモアに富んだ演出で奇想天外な世界観を愛情一杯に描き、「ガラパコスパコス~進化してんのかしてないのか~」(作・演出・出演)、「マクベス」(上演台本・演出)など数々の作品でその才能を発揮しているノゾエ征爾が、初演・再演に引き続き、翻案・脚本・演出を務め、出演には、第82回キネマ旬報ベスト・テンにて新人男優賞、第23回高崎映画祭では最優秀新人男優賞を受賞し、最近では、5/3公開の映画『バジーノイズ』や、今月放送開始のドラマ「9ボーダー」(TBS)や6月放送の「ブラック・ジャック」(テレビ朝日)への出演が決定するなど、その活躍から目が離せない井之脇海。そして、ドラマ・映画・舞台への出演だけでなく、声優やナレーションを担当するなど幅広いジャンルで活躍し、4/1から放送開始した連続テレビ小説「虎に翼」(NHK)では、主人公の兄・猪爪直道役を演じ注目を集め、今月放送開始のドラマ「ダブルチート 偽りの警官 Season1」(テレビ東京)への出演もが決定するなど、活躍が目覚ましい上川周作、2018年の映画『泣き虫しょったんの奇跡』で俳優デビュー以降、モデル・俳優として活躍しながら、その瑞々しい存在感と演技を着実に成長させ、5月には初主演映画『ハピネス』の公開も控え、本作が初舞台となる窪塚愛流。大ヒットドラマ「エルピス」(KTV)に出演のほか、映画『花束みたいな恋をした』、『サマーフィルムにのって』など多くの話題作に出演するほか、2023年公開の短編映画『米国音楽』で初主演、ndjc2023参加作品の映画「明るいニュース」でも主演を果たす。俳優業で活躍する傍ら、短編映画の監督や、バンド「貉狢幼稚園」でギター・ボーカルおよび作詞・作曲を担当するなど、多方面で幅広く活動している篠原悠伸。
今回は<井之脇海・上川周作ペア><窪塚愛流・篠原悠伸ペア>の2チームで上演される。
ノゾエ征爾
全く新鮮な気持ちでワクワクしています。いや、ゾクゾクかもしれません。ここ数年でまた社会の風景も随分と変わりましたし、なによりも、それぞれが滲み出るこの瑞々しい俳優さん達とこの作品にのぞめること。今あるこの期待感をそのまま作品に昇華できたら、きっと皆さんに観て良かった!というものになるであろうと、それを是非観に、「知り」に来ていただけたら、最高に嬉しいのであります。
井之脇海
9歳で俳優を始めて、今年で20年を迎える節目に、初めて“二人芝居”に挑戦できることを、とても嬉しく思います。今まで培ってきたものを全て絞りだし、ノゾエさんの演出と相手役の上川さんと一緒に、新しい発見と出会いながら、全身全霊でぶつかっていきたいです。原作の絵本と戯曲を読んで、登場人物が、得体の知れない存在に疑心暗鬼になっていく様は、現在の社会に通じるものがあると感じました。戦場が舞台の話ですが、決して遠い話ではなく、舞台上と客席が地続きになりながら、受け取っていただける作品になる予感がしています。穴から出るとき、どんな景色が見えるのか。今からワクワクしています。
上川周作
僕にとって人生初の2人芝居です!出演が決まった瞬間は未知なる体験へのプレッシャーも感じましたが、同時に舞台に立った時の事を妄想してワクワクしている自分がいました。ノゾエさんの演出作品に出演することができてとても嬉しいです。
井之脇さんと力を合わせて最後まで演じ切りたいと思います。
そして今回はダブルキャストでお送りします!篠原さん&窪塚さんチームも是非ご覧ください!よろしくお願いします!!
窪塚愛流
舞台のお話を初めて耳にした時は、正直まだ自分のレベルでは出来ない。と心の底から思ってしまいました。舞台は映画やドラマと違ってレンズを通さずお客さんの目の前で生の芝居をする。ミスは絶対に許されないのは勿論、いつも以上に緊迫感に包まれた空気の中で相手役の篠原さんと向き合う事が、本当に怖かったからです。なので、今まで何度か舞台を観に行ったことはありますが、僕がその場に立ちたいとはあまり思いませんでした。ですが、自分はもう20歳でオトナ。挑戦せずに出来ない理由を探している俳優なんて、情けないしかっこ悪い。僕はそう思い、気合いを込めて決心しました。今までの弱音を全て捨て、改めて台本に目を通した時になんだか不思議とワクワクしたんです。 舞台に至るまでの稽古や相手役の篠原さんと僕のセッションがノゾエさんの指導でどう作品に落とし込まれるか、その輝いた気持ちを大切にして、せっかく役を頂いたからこそ、一生懸命に全力で悔いのない最高の人生初舞台にしたいです。
篠原悠伸
2人芝居ってとっても怖いですね。
窪塚くん、舞台上には僕らしかいないんですかね?何かあったときは助けてください。逆に何かあったら助けます。の気持ちです。ノゾエさん、2つのチームの演出、大変だと思いますがよろしくお願いします。
もう一つの上川くん、井之脇くんチームの「ボク穴」も楽しみです。
皆様、あわよくば両チームともご覧頂いて、その違いを楽しんで貰えたら幸いです。
ぜひ観にきてください!
あらすじ
戦場にいる敵対する二人の兵士“ボク”と“彼”。二人は同じく穴の中で息をひそめて相手の出方を探っている。ボクが頼るものは戦場に向かう時に渡された1丁の銃と“戦争マニュアル”。そのマニュアルには、『彼は血も涙もない、本当のモンスターだ』と書かれている。二人は空腹に耐え、星空に癒され、家族を想いながら、もう随分長く独りぼっちだ。やがて限界が訪れ、ボクは相手の穴に向かう。「敵を殺さなければならない。でないと敵に殺されるからだ」。彼の穴に到着したボク。そこに彼の姿は無く、見つけたものは自分が持っているものと全く同じ“戦争マニュアル”。そこには“ボクがモンスターだ”と書かれている。衝撃を受けるボク。「ボクは人間だ!モンスターじゃない!ウソばかり書いてある!」そしてもう一つ見つけたものは、彼の家族写真。楽しい温かい家族写真だ。
ボクは彼を想像する。こんな家族が待っている人間が、女や子供を殺す?ボクと彼は、同じウソをつかれているということだろうか……
公演情報
東京 スパイラルホール (スパイラル3F)
大阪 近鉄アート館
訳:松尾スズキ
原作:デビッド・カリ/セルジュ・ブロック
協力:PARCO、千倉書房
会場協力:株式会社ワコールアートセンター
企画・製作:モチロン
制作協力:大人計画