フィリップ・リドリー『ポルターガイスト』を永田崇人のソロパフォーマンスで日本初上演

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2024.4.8
永田崇人  ©大沢尚芳

永田崇人  ©大沢尚芳

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石井光三オフィスプロデュース『ポルターガイスト』(作:フィリップ・リドリー 翻訳:小原真里 上演台本・演出:村井雄)が、2024年6月14日(金)~23日(日)東京芸術劇場・シアターウエストにて上演される。出演は、永田崇人(ソロパフォーマンス)。

2020年にロンドンのサザークプレイハウスにて初演された本作は、本作は、鬼才フィリップ・リドリーの描く、ダークでコミカルな一人芝居である。日本では初上演。一人芝居でありながら、複数の人物が登場し、 狂気とナイーブさを兼ね備えた主人公と、少女から 近所のおじさんまで個性あふれるキャラクターたち10役を演じ分けるソロパフォーマンスに 永田崇人が挑む。

10代で描いた大規模な壁画で注目された主人公のサーシャは、才能ある若手芸術家としてアート界に旋風を巻き起こすはずだったが、今ではすっかり世間から忘れ去られ、文具店で働きながら絵を描き、古びた賃貸アパートにパートナーと住んでいる。輝かしい画家としての成功を手にいれられるはずだったのに、何が問題だったのだろうか……芸術、家族、記憶に惑わされながら、本当の“自分”に気づくある1日の出来事が描かれる。

このほど、出演の永田崇人と、上演台本・演出の村井 雄からコメントが届いたので紹介する。

■永田崇人 コメント

俳優永田崇人30歳。脱皮します。一人芝居。この4文字の言葉に抱いていた印象は、憧れと恐怖です。そして、自分の中では前者が勝利したみたいです。リドリーの『ポルターガイスト』はホラーではありません。むしろ前向きなお話です。自分を信じてオファーをくださった関係者の皆様ありがとうございます。全身全霊をかけて挑む所存です。劇場にてお待ちしております。

永田崇人  ©大沢尚芳

永田崇人  ©大沢尚芳

■上演台本・演出:村井 雄 コメント

コロナ禍で執筆されたフィリップ・リドリー氏による一人芝居に永田崇人さんと挑みます。主人公サーシャの精神的な(ソーシャル)ディスタンスの先に在るものに辿り着きたいと思います。どうぞ、ご期待ください。


【PROFILE】

出演/永田崇人(ながたたかと)
1993 年 8 月 27 日、福岡県生まれ。2015年3月に開業した東京ワンピースタワーの 「ONE PIECE LIVE ATTRACTION」でモンキー・D・ルフィ役を1年間務める。2016年以降、数多くの人気舞台に出演。中でも、ハイパ ープロジェクション演劇「ハイキュー !!」シリーズでは、人気キャラクター音駒高校・孤爪研磨役として出演し人気を博した。その後も出演する舞台や映像作品での演技が注目され、 2.5次元作品以外の舞台などでも活躍の場を広げており、注目の俳優である。最新出演作:シン・時代劇ドラマ「君とゆきて咲く~新選組青春録~」山南敬助役。レギュラー(テレビ朝日・ 4/24~ OA)、ABEMA TV「私たち結婚しました 5」(配信中)。

作家/フィリップ・リドリー
1960年ロンドンのイーストエンド生まれ。セントマーティンズ美術大学で絵画を学ぶ。ヴィジュアルアートの創作で世界的に活躍をするかたわら、実験的演劇活動にも取り組む。1991年、アメリカ映画「クレイズ」の脚本を執筆。さらに同年、脚本、監督をてがけた「柔らかい殻」は11の国際映画賞で受賞し、日本でもカルト映画として知られている。ほかに 『聖なる狂気』(1995)などの作品がある。画家、小説家、劇作家としての作品は多数。最初の舞台作品である『ピッチフォークディズニー』(1991)は、英国演劇の流れを変えたとされている。最新作の1つである『ポルターガイスト』は、Off West End OnComm AwardのBest Live Streamed Playを受賞。各演劇誌、演劇サイトのレビューで数多くの好評価を受けている。

演出・上演台本/村井 雄(むらい ゆう)
KPR/開幕ペナントレース主宰・脚本家・演出家。千葉県立船橋高校から法政大学法学部法律学科を卒業後、公務員(目黒区役所)を経て、2006年に開幕ペナントレース(現「KPR/開幕ペナントレース」)を結成し、以降、全作品の脚本・演出を担当している。2019年5月には『 Ashita no Ma-Joe: Rocky Macbeth 』がニューヨークのJapan Society より正式招聘され、レビューサイト「The Front Row Center」で最高評価である5つ星を はじめ、ニューヨークを代表する 5つのレビューサイトから高い評価を得る。コロナ禍を経て、2024年1月には『HAMLET|TOILET』が再び Japan Society より正式招聘され、Under The Radar Festivalに正式参加し、ニューヨークタイムズでも注目作品として紹介され、連日ソールドアウトを記録し、多数の劇評から高い評価を得る。東京2020パラリンピック閉会式ディレクター=AFTER THE GAMES パート担当。 演劇作品以外にもTVアニメのシリーズ構成・脚本も手掛ける。石井光三オフィス企画には、2020年の朗読劇『日の名残り』(出演:眞島秀和、マキノノゾミ、ラサール石井、桂やまと他)での演出・上演台本以来、二度目の参加となる。

公演情報

石井光三オフィスプロデュース『ポルターガイスト』
 
■作:フィリップ・リドリー
■翻訳:小原真里
■上演台本・演出:村井 雄
■ソロパフォーマンス 出演:永田崇人

 
■会場:東京芸術劇場・シアターウエスト
■公演日程:2024年6月14日(金)~23 日(日)
■開演時刻:
6月14日(金)19:00
6月15日(土)14:00
6月16日(日)14:00
6月17日(月)19:00
6月18日(火)19:00☆(アフタートーク有り)
6月20日(木)19:00
6月21日(金)14:00◎(映像収録日)
6月22日(土)14:00
6月23日(日)14:00
■料金:全席指定(税込) 6,800円
■一般前売開始:2024年5月10日(金)
■問合せ:石井光三オフィス 03-5797-5502
■公式サイト:https://poltergeist2024.com/

 
■STORY:姪の誕生日パーティ ある日の午後。主人公サーシャはパートナーの売れない俳優チェットとに古びた狭い部屋で暮らしている。異父兄フリンの娘ジャミラ 5 歳の誕生日パーティに招待され、嫌々、車で向かう。会場では案の定、サーシャが天才画家と呼ばれた少年時代のアート遍歴を執拗に語らせられ、無教養な配管工・ダギーは、サーシャの10代の頃の作品が掲載されているYouTubeまで必死に探しだす。兄フリンとサーシャの食い違う兄弟の記憶。昔馴染みのミセス・クルカルニも飼犬プードルの思い出話と共に参戦して、何気ない会話がサーシャの芸術性や画家として成功しなかった理由などの話題に傾き、サーシャをさらにイライラさせる。サーシャの危うい雰囲気を察してか、ネーヴ(義姉)が、カラオケの告知に来たり、ケーキを配ったりと皆の気を反らして、サーシャのピンチを救うかのようにふるまう。ついには痴呆症のネーヴの父が突然サーシャの触れられたくない過去を思い出す。追い詰められたサーシャが、2階の部屋で一人きりになった際にとった行動とは? パーティの間中、部屋にこもり絵を描いていた芸術家気質の姪のロビンがやっと出てきて、サーシャに語りかける。10代の頃の自分、母の死、義兄、義姉の思い……閉ざしていたサーシャの心がふいに開かれる。サーシャとチェットは人知れず帰宅する。その夜、ネーヴからの電話が「今日もまた家に幽霊が出て、知らない間に部屋を荒らしていったようだ」と伝える。サーシャはスケッチブックの新しいページを開く。今度はキャンバスに油絵で大きな作品を描こう。チェットが描くための広いスペースは何とかするさ、とキスをしてくれる。そんな楽観的なチェットがサーシャは大好きだ。
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