SUPER BEAVER柳沢亮太が大阪・ららぽーと堺のFM802公開収録で伝えた思い――「これからも「はなむけ」を大事にしてもらえたらうれしい」
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『ROCK KIDS 802-OCHIKEN Goes ON!!-「三井ショッピングパーク ららぽーと ACCESS! MY REQUEST」公開収録』 撮影=田浦ボン
『ROCK KIDS 802-OCHIKEN Goes ON!!-「三井ショッピングパーク ららぽーと ACCESS! MY REQUEST」公開収録』2024.5.26(SUN)大阪・ららぽーと堺 Fansta XROSS STADIUM
SUPER BEAVERの柳沢亮太(Gt)がゲスト出演した、大阪のラジオ局・FM802による『ROCK KIDS 802-OCHIKEN Goes ON!!-「三井ショッピングパーク ららぽーと ACCESS! MY REQUEST」公開収録』が5月26日(日)、大阪・ららぽーと堺 Fansta XROSS STADIUMで行われた。
毎春、FM802が実施している『FM802×三井ショッピングパーク ららぽーと ACCESS!キャンペーン』では、局ゆかりのアーティストが多数参加しオリジナルソングを制作するのも話題で、今年はアイナ・ジ・エンド、大橋卓弥(スキマスイッチ)、岡野昭仁(ポルノグラフィティ)、片岡健太(sumika)、サイトウタクヤ(w.o.d.)、TERU(GLAY)、TOMOO、ヤマサキセイヤ(キュウソネコカミ)の豪華8組によるRadio Happy Willowsがボーカルを務め、トオミヨウがアレンジ、そして柳沢が作詞作曲とコーラスを担当。FM802の各番組で5月末まで独占オンエアされ、ひときわ注目を集めてきたのが今期のキャンペーン曲「はなむけ」だ(※サブスクリプション配信は9月末まで)。
『ROCK KIDS 802-OCHIKEN Goes ON!!-「三井ショッピングパーク ららぽーと ACCESS! MY REQUEST」公開収録』
貴重な公開収録が実現した当日は、抽選で選ばれた200組400名のリスナーが優先観覧エリアに招かれたのに加え、その後方や2Fに設置されたフリー観覧エリア、さらに上の3Fに至るまで、日曜の夜にも関わらず巨大な吹き抜け空間を取り囲むように聴衆が待機。「はなむけ」のMVが巨大なスクリーンに映し出される中、今か今かと待ち構える。そこに司会進行を務めるFM802DJ落合健太郎が登場し、「ららぽーと堺、元気ですかー!? 今日は気持ち的にライブハウスな感じでお届けしようと思ってます!」と意気込んだのも納得の、熱気と拍手が360°から降り注ぐ最高のシチュエーション。そこに呼び込まれた柳沢を割れんばかりの大歓声が出迎え、いよいよイベントがスタートした。
●僕一人が来てこういう話をする機会はまずない
『ROCK KIDS 802-OCHIKEN Goes ON!!-「三井ショッピングパーク ららぽーと ACCESS! MY REQUEST」公開収録』
見渡す限りの人々が耳を傾ける光景を前に柳沢も、「すごい……緊張するなぁ!(笑) ここまで大きい会場だとは思ってなかったし、こんなに人が来てくれるのか心配してたんですけど……とてもうれしいです!」と感慨深げ。堺にはライブで何度も訪れているものの、「僕一人が来てこういう話をする機会はまずないので」と恐縮する柳沢に、「素晴らしい曲をありがとう!」と落合がそこにいる全ての人の思いを代弁するかのように感謝を告げ、これには柳沢も思わず照れくさそうな表情を浮かべる。
続いて落合が、「はなむけ」が流れるたびに反響があると知らせると、「『ACCESS!キャンペーン』はFM802がずっと大事にしてきたものだとお伺いしたので、自分も力添えできたらと思いながら作ったんですけど、純粋にいい曲ができたなと思いますし……こういう機会があるのもうれしいですよね。聴いてくださった方が目の前にいて、曲のお話しをさせていただくのは」と柳沢が心境を述べる。
『ROCK KIDS 802-OCHIKEN Goes ON!!-「三井ショッピングパーク ららぽーと ACCESS! MY REQUEST」公開収録』
昨年12月頃、本格的に動き出した「はなむけ」のプロジェクトに、「僕らDJ陣も、今年は柳沢くんが手掛けてくれると聞いたときはガッツポーズでしたね」と当時の興奮を思い出す落合。歴史ある『ACCESS!キャンペーン』に、「いつか参加させてもらえることがあればと思っていた」と吐露した柳沢も、「我々SUPER BEAVERはFM802にずっとお世話になっているので、是非と言ってくださる気持ちにとにかく応えたいと思ったのがキッカケ」と、「はなむけ」の出発点を回顧。2月頭にデモが完成後、レコーディングは基本的にFM802にかじ取りを委ねる、柳沢にとっても珍しいケースだったという。
「今回はFM802の皆さんの気持ちを具現化するのが自分の役目で、そこから先にどう伝えていくのか、それがどれだけピュアに曲に乗っていくかが一番大事だと思っていたので。そこは何の迷いもなく作らせてもらった感じでしたね」(柳沢)
●最終的に一歩踏み出すのは自分自身
『ROCK KIDS 802-OCHIKEN Goes ON!!-「三井ショッピングパーク ららぽーと ACCESS! MY REQUEST」公開収録』
ここで焦点は「はなむけ」の参加ボーカリストの話に。誰が歌うのかを事前に知らずに始まった曲作りであったのと同時に、これまでに数々の楽曲提供をしてきた柳沢も、一曲を複数のアーティストが歌い継ぐ構成は初めての経験だったという。
「僕は今年で36歳の代なんですけど、幼少の頃に聴いていた諸先輩もいらっしゃいますし、同世代のアーティストもいるし、僕より下の世代もいて……それが『ACCESS!キャンペーン』の芯になる部分というか、世代を問わないのはこの曲において重要だと思うので。そういうところに素敵なシンガーの方が集まってくれて、すごいなと思いました」(柳沢)
落合も「多くのリスナーの方が共感してくれている」と日々実感している歌詞についても柳沢は、「今一度、好きなことを好きでいていいという気持ちは、FM802の方がラジオマンとしても、いち人間としても届けたいことだったと思うんですけど、それは自分もここ数年でより強く思っていたことで。どれだけ人にアドバイスをいただいても、それが自分を後押しする言葉であっても、最終的に一歩踏み出すのは自分自身なので。そういうときにその気持ちを肯定できる歌になればいいなと思いましたし、<人と違う だって 人が違う>ということを、あまり重く考え過ぎず、素直に思えるような曲になれば」と、作り手の心中を率直に語ってくれた。
●人と会話することは大事にしています
『ROCK KIDS 802-OCHIKEN Goes ON!!-「三井ショッピングパーク ららぽーと ACCESS! MY REQUEST」公開収録』
来場者からの質問コーナーでは、「好きな映画、本、影響された作家さんなどの話が聞けたらうれしいです。ららぽーとでの仕事終わりに「はなむけ」を聴くと、とっても癒やされます」と同所で働いていると思われる方からの問い掛けに、まずは「お疲れ様です!」とねぎらった柳沢は、実は大の漫画好きで幅広いジャンルから影響を受けており、映画は小学生の頃に友人の家に泊まりに行った際に見た『インデペンデンス・デイ』が記憶に残っているとのこと。「『SLAM DUNK』とかもそうですけど、(映画も漫画も)最初はダメな感じの人が最後に頑張るのが好きです(笑)」とはにかんだ。
「柳沢さんの歌詞は、今までに経験し感じてきたこと、自分が大切にしていてもうまく言えない感情をきれいに言葉にしてくれるので、さまざまな場面で背中を押してもらい救われています。普段どのようなことを意識して作られているのでしょうか?」という2問目には、「人と会話することは大事にしています。人から頂戴した言葉でハッとして視野が広がるとか、なるほどと思ったことで新しい価値観が生まれるのもそうですけど、逆に「何言ってんだこの人」と思うことも(笑)、じゃあ何を自分は素敵だと思うんだろうと考えることで気付けることがある」と回答。
『ROCK KIDS 802-OCHIKEN Goes ON!!-「三井ショッピングパーク ららぽーと ACCESS! MY REQUEST」公開収録』
さらに、「例えばどうして髪を切りたいのか。なぜなら湿度でうまくまとまらないから。まとめやすくしたいのは何でなのか。朝のスタイリングの時間をもうちょっと省きたいとか、そういうことを細かくやっていって、結局、ちょっとでもカッコよく/かわいくいたいと思っているってことだよな、みたいに自分の考えを分析して、いちいち「なぜ?」と考える癖はあるかもしれないです。そうしないと、いろいろと遠慮したり気を使ったりする枠を外した、本当に自分のしたいことにたどり着くのが難しいと思うので。いつか自分にピッタリの感覚に出会えると思って、一枚一枚皮をめくっていく感じで諦めない」という柳沢の作詞過程の丁寧さが伝わるエピソードに、観客も真剣なまなざしを送る。
『ROCK KIDS 802-OCHIKEN Goes ON!!-「三井ショッピングパーク ららぽーと ACCESS! MY REQUEST」公開収録』
3問目の「優しい人でありたいのに、意地を張ったり人を傷つけてしまって嫌になります。柳沢さんは人と関わるときに考えていることはありますか?」には落合が、「優しいよね! 普段会っても人間的に素敵だし、今日もみんなを包んでくれるオーラがあって」と柳沢の印象を口にするが、「みんな全然うなずいてないじゃん!」との柳沢の返しに場内は大ウケ(笑)。「僕も全く同じで優しくありたいと思いますけど、そうなり切れなかったときは、ちゃんと謝ろうと思いますね。うやむやにしたほうが楽なときもあるけど、それはずっと残るから」という答えにも、柳沢の人柄と経験がにじみ出ていた。
「「はなむけ」の歌詞に<言葉は強くて 時に無力で>とありますが、これまでに掛けてもらった言葉で一番印象に残っている言葉は?」との問いには、プロのギタリストである父親の存在に触れ、「自分の父親が目指すべき場所にいることがおっくうになって、思春期にその思いをぶつけたことがあって。そうしたらちょっと困った顔をして、「でも、お前は曲が作れるからいいじゃん」と言われたとき、すごく心が晴れたのを覚えていて」と振り返る柳沢。「父よりうまくならなきゃと勝手に思い込んでいたんですけど、少し視点を変えたら自分には他の人にはない得意な点がある。それ以降、同じものを見ても目線を変えれば何か自分にもできるんじゃないか、人に掛けられる言葉が変わるんじゃないかと気付けた」という話には、満場の拍手喝采が巻き起こった。
●ライブがしたくてバンドを組んでいるので
『ROCK KIDS 802-OCHIKEN Goes ON!!-「三井ショッピングパーク ららぽーと ACCESS! MY REQUEST」公開収録』
今後の関西エリアでの予定は、6月16日(日)大阪城音楽堂での野外ワンマンライブを皮切りに、7月7日(日)に『京都大作戦2024』、8月18日(日)に『SUMMER SONIC 2024 OSAKA』、9月4日(水)に『ロックロックこんにちは!Ver.26 -tsumu-』に出演。10月23日(水)・24日(木)にはフェスティバルホール2DAYS公演が控えるなどめじろ押し。「ライブがしたくてバンドを組んでいるので」と自負する柳沢は大役を終え、「緊張しましたけど、見に来てくださって、一緒に番組を作ってくださってうれしいです」と笑みをこぼした。
落合からの番組オリジナルジングルを作ろうという提案には、客席も大盛り上がり。「ROCK KIDS 802 withヤナギ!」のコールに柳沢も、「こんなに「ヤナギ~」と呼ばれるのは初めてだ、ありがとう!」と充実した面持ちに。最後はフラッグを掲げて記念撮影。柳沢が「人の思いを背負うじゃないけど、形にさせてもらって、それが聴いてくださった方の何かのキッカケになれば、これからも「はなむけ」という楽曲を大事にしてもらえたらうれしいなと思います」と名残惜しそうに3Fまで手を振りステージをはけ、「たくさんの方々にお集まりいただきうれしかったです。それではまたラジオでお会いしましょう!」と落合が締めくくった。
『ROCK KIDS 802-OCHIKEN Goes ON!!-「三井ショッピングパーク ららぽーと ACCESS! MY REQUEST」公開収録』
なお、この日の模様は、FM802の番組『ROCK KIDS 802-OCHIKEN Goes ON!!-』にて、6月3日(月)と10日(月)の2週にわたり21:00台に放送。radikoのタイムフリー機能でそれぞれ放送1週間後まで聴くことができる。また、抽選で50名様に『ACCESS!キャンペーン』オリジナルTシャツが当たるプレゼント企画を6月30日(日)まで実施中。応募方法は、ららぽーと公式Xアカウント(@lalafanlalaport)をフォローし、ハッシュタグ「#この春チャレンジしたいこと」を付けて投稿。
取材・文=奥“ボウイ”昌史 撮影=田浦ボン(FM802提供)