平間壮一「役の人生を“生き切る”」 『無伴奏ソナタ -The Musical-』が開幕、初の試みに意気込み
-
ポスト -
シェア - 送る
ゲネプロ前に行われた取材会には、平間、多田、大東、熊谷、藤岡、霧矢の6人が参加した。
主人公クリスチャンを演じるにあたって、目指している境地を聞かれた平間は「とにかくクリスチャンの人生を“生き切る”ことですね」とコメント。「これまでお客様に楽しんでもらいたい、明日を生きる糧にしてもらいたい、ご覧になったからには何か持ち帰ってもらいたい、とテーマを決めて演じていたんですが……役の人生を“生き切る”ことを目標にするのは、今回が初めて。がんばります」と意気込んだ。
キャラメルボックスのストレートプレイ版『無伴奏ソナタ』でクリスチャンを3度演じた多田は、ミュージカル化に際し「歌が入ったことで全く異なる手触りの作品に仕上がりました」と紹介。「もしかしたらストレートプレイ版をご覧になっている方にとって、最初は面食らっちゃうかもしれません。それくらいガラッと作品のテイストが変わっているので、比べて楽しむもよし。初見の方はこの世界観や音楽、ストーリーを受け取っていただきたいですね」と語る。
ギターの演奏シーンがあることから、過去のインタビューで「ギタリストの手になりたい」と述べていた大東。記者から練習の成果を聞かれ、「(ギタリストの手に)なれてます!」と答えると、会見場が一気に和やかな雰囲気に。ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』でギター奏者を演じ、自身も得意な藤岡から指導を受けたエピソードを明かしつつ「千秋楽までに師匠の藤岡さんみたいな手になれたら」と述べると、藤岡から「期限を延ばしちゃってるじゃん!」とツッコミを受けていた。
その藤岡は、ミュージカル俳優とキャラメルボックスのコラボレーションについて「すごい挑戦ですよね」と言葉に力を込め、「日本を代表する劇団の名作ストレートプレイをミュージカル化して成功させたら本当に素晴らしいこと。逆にミュージカルをストレートプレイにしてみたり」など多様な可能性を覗かせた。さらに「成功の暁には、僕は来年あたりキャラメルボックスに入ろうと思います!」と冗談めかすと、劇団員の多田から「困りますよ!こんな大型新人が入ってこられたら」と声が上がり、会見場が笑いに包まれる。
バー&グリルレストランのウェイトレスをはじめ、クリスチャンと出会う多様な人物を演じる熊谷。彼の才能に触発され、ソロナンバーを披露する中で「Amazing Grace」など英語での歌唱シーンが設けられている。その感触を聞かれると、熊谷は「私は小さい頃から父の転勤の都合で海外に住んでいたこともあって、日本語より英語の歌の方が得意でした。初めて舞台上で英語の歌を披露する機会にドキドキしていますが、体に馴染んでいる言葉でのびのびと歌えるのが楽しいです」と笑顔を見せた。
霧矢は、NAPPOS PRODUCE『スキップ』(2017年)で成井の演出を経験している。本作で初めてミュージカルの演出を手がける成井の稽古場での様子を問われると、「さらにお元気でパワフルでした!」と即答。キャスト・スタッフから画期的なアイディアが出た時に、腹の底から声を出して感心する成井の様子を真似してみせる。「毎日いろんな意見が出て、ディスカッションが生まれる現場だったんですが、成井さんがいちばん楽しそうにいきいきしていらっしゃる印象でした。幕が開いたら舞台上の私たちが成井さんに負けないようにがんばっていけたら」と語り、会見を結んだ。
上演時間は約145分(15分休憩あり:二幕)。東京公演は8月4日(日)まで。その後、8月10日(土)・11日(日)に大阪・森ノ宮ピロティホールへ巡演する。
取材・文=岡山朋代
公演情報
【脚本・演出・作詞】 成井 豊
【出演】
平間壮一 多田直人(キャラメルボックス) 大東立樹 熊谷彩春 / 藤岡正明
畑中智行(キャラメルボックス) 原田樹里(キャラメルボックス) 染谷洸太 西野 誠 町屋美咲 / 霧矢大夢
【大阪公演】 2024年8月10日(土)~8月11日(日) 森ノ宮ピロティホール
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京【芸術文化魅力創出助成】
公式SNS(X):@mubansoumusical