マイファス、ロットン、SPYAIRらが灼熱の会場で見せた大熱狂ーー『OSAKA GIGANTIC MUSIC FESTIVAL 2024』2日目を振り返る
写真=オフィシャル提供(撮影:渡邉一生)
『OSAKA GIGANTIC MUSIC FESTIVAL 2024』2024.7.21(SUN)大阪・舞洲スポーツアイランド 特設会場
来年2025年7月19日(土)・20日(日)に大阪・万博記念公園で開催されることが発表された『OSAKA GIGANTIC MUSIC FESTIVAL』(通称『ジャイガ』)。そこで、今年も大阪・舞洲スポーツアイランド 特設会場にて開催された『OSAKA GIGANTIC MUSIC FESTIVAL 2024』の模様を振り返りレポート! 1日目が令和時代を感じさせるフレッシュなラインナップであったのに対し、2日目は『フジロック』にも出演した森大翔やBillyrromなどの若手もいながら、大トリのMY FIRST STORYをはじめ、coldrainやFear, and Loathing in Las Vegasといった『ジャイガ』常連の面々や、彼らと繋がりも深いバンドが大集合。特に海沿いのSUN&COAST STAGEは、終日砂埃が舞い続ける熱いライブが繰り広げられた。また、昨年メンバーの体調不良で出演できなかったCrossfaithも見事リベンジを果たした。本記事では2日目の模様をお届け!
1日目に続き、絶好の(絶好すぎるくらいの)フェス日和。眩しい青空と日光に照らされた舞洲には、朝早くからお目当てのアーティストグッズを身につけたオーディエンスがたくさん訪れた。
屋外ステージは「SUN AREA」にある海沿いのSUN&COAST STAGE、「GIGA BASE」の人工芝のあるグラウンドに作られたBASE STAGE、屋内ステージは「SKY AREA」の「おおきにアリーナ舞洲」を利用したSKY ARENA STAGE。今年は会場内のレイアウトが変更され、昨年に比べてSKY AREAとGIGA BASEの距離が大幅に近づいたことから、移動がとても楽になった。
もちろんSUN AREAとSKY AREA&GIGA BASEを無料で結ぶLOOP BUSも健在。歩くと10〜15分ほどの距離だが、この暑さだと身体にこたえる。冷房のきいたバスに乗ると2〜3分で移動できるため、利用する人が大勢みられた。
また、各エリアごとにFOOD・DRINK・GOODSブースが設置されたことも、過ごしやすさとしては大きなポイント。販売物の内容はブースによって多少の違いはあるものの、あちこちエリアを行き来しなくても良いため、効率的にも体力的にも助けられた(販売状況をチェックできる公式アプリも便利!)。ちなみにSUN AREAとGIGA BASEのFOODブースでは、特製レモネードの「ジャイレモ」が、GIGA BASEのFOODブースでは、この日出演していた04 Limited SazabysのRYU-TA(Gt)プロデュースの麺や おがたの「まぜそば」、前日出演の緑黄色社会 穴見真吾(Ba)の「魅惑の鶏油焼きそば」が販売されていた。
海沿いにあるSUN AREAには、今年も冷房、シャワー、トイレ、ベッド完備のプライベート休憩所「ジャイガハウス」が登場。「VIP HOUSE」はハウス内からSUN&COAST STAGEのライブやオーシャンビューを鑑賞することができる、スペシャルな内容。「VIP HOUSE」も専用テラスがあり、気心知れた仲間とフェスを楽しむのにもってこいだ。「プレミアムラウンジ」には、屋根付きのラウンジにリクライニングチェア、扇風機、観葉植物などが置かれ、さながら南国リゾートのよう。涼みながらSUN&COAST STAGEの様子も見ることができた。
そしてSUN AREAの特徴はなんといっても、美しく輝くオーシャンビュー。海をバックに撮影できる『ジャイガ』オリジナルフォトスポットもあり、特にサンセットタイムは記念写真を撮る来場者が多くみられた。海の休憩所やフリーテントシートエリア、日よけエリア、クールスポット、KIDS専用プールエリアもあり、自分の好きな過ごし方を選ぶことができるのも嬉しい。
SUN AREA内で出演アーティストのを販売していたイープラスブースでは、来場者からの『ジャイガ』への想いを記入できるスペースも。カラフルな付箋には「今年も来たぞ!!」という元気いっぱいのメッセージや「Buddies(櫻坂46のファンの呼称)かまそうぜ!」とアーティストやファンに向けたメッセージが書き込まれていた。
Awkmiu(Opening Act) 撮影=キョートタナカ
『ジャイガ』2日目の幕を切ったのは、SKY ARENA STAGEにO.Aとして登場した4人組バンド・Awkmiu(オークミュー)。Aki(Key)がゆったり鍵盤ソロを奏でると、やがてブルーの照明が下から上へ走り抜け、同時に勢いよくカヤケンコウ(Ba)と関根米哉(Dr)もジョイン。シキ(Vo)が登場して「どくどく」をポップかつキャッチーにプレイした。中性的で透明感のあるシキの歌声と、誠実な雰囲気を感じる楽器隊の演奏に、早速フロアは手を挙げて応える。シキは「初めて出演させていただきます。フェス自体に出るのがまだ2回目で、パワフルな1日のオープニングを任せていただいて、内心震えながら大阪に来たんですけど、素敵な1日の幕開けになるよう心を込めて演奏するので、好きなように楽しんで帰ってください!」と挨拶し、ラストのロックチューン「灯火」まで、全5曲を全力で駆け抜けた。
BAND-MAID 撮影=渡邉一生
SUN&COAST STAGEの2番手には、世界規模で活躍するBAND-MAIDが登場。『ジャイガ』には2018年ぶりの出演となる。SAIKI (Vo)が「いくぞジャイガー!」と叫び、AKANE (Dr)が笑顔でビートを叩き込むと「さあ、飛べるかー!?」の言葉を合図に、ご主人様お嬢様(ファンの呼称)は早速ジャンプ! SAIKIと小鳩ミク(Gt.Vo)のツインボーカルがきいた「NO GOD」からお給仕(=ライブ)をスタートした。よりハードな「Unleash!!!!!」、7月5日にデジタルリリースされた最新シングル「Protect You」を間髪入れず投下して、フロアをこれでもかと巻き込んでいく。
BAND-MAID 撮影=渡邉一生
ステージを縦横無尽に動き回る彼女たちのエネルギッシュなパワーは、ダークな世界観の中にありながらも、どこか爽快感を感じられた。小鳩の「ようこそジャイガへー! 最高の夏フェスにするっぽー!」という明るいMCを経て、さらに勢いを増したお給仕後半、KANAMI (Gt)とMISA (Ba)のテクと実力の高さを存分に発揮したエモーショナルなセッションが最高の見せ場を作り上げた「Influencer-solo-」に続き、ラストは9月にリリースされたフルアルバム『Epic Narratives』収録の「Magie」でフロアを踊らせまくり、大熱狂の渦に包み込んだ。
Fear, and Loathing in Las Vegas 撮影=オイケカオリ
昨年、最大キャパのSKY STAGEの大トリを飾ったFear, and Loathing in Las Vegasは、真昼のステージでも痺れるカッコ良さで数万人をひとつにした。SEが流れ、元気にステージに飛び出したSo(Vo)、Minami(Vo.Key)、Taiki(Gt.Cho.Vo)、Tomonori(Dr)、Tetsuya(Ba.Cho.Vo)は、のっけから爆音で「Acceleration」を投下、華麗に揃ったクラップでフロアを導いていく。ビジョンに上空からのドローン映像が映し出されると、盛り上がってうごめく観客の規模に度肝を抜かれる。Minamiは2曲目の「Rave-up Tonight」で早くも客席へ飛び降り、そこをめがけて発生したリフトとダイバー、サークルモッシュですさまじい一体感を生み出した。
Soは「めちゃくちゃ暑いなー! 最高やな!」と笑顔を見せ、「大切な『ジャイガ』のために新曲を持ってきました!」と、『ジャイガ』開催前にリリースされたばかりの「Fist for the New Era」をライブ初お披露目。SoのクリーンボイスとMinamiのスクリームのバランスが心地良く、観客は初見でもばっちりジャンプ! さらにSoとMinamiがツーステップを踏むと、当然ながらフロアも全力で砂埃を巻き起こす。一度火がついた熱はおさまることがなく、圧巻の景色を更新し続けた。Soは「最高なみんなと、あと2曲ブチかましたらどうなってしまうんやろうとワクワクしてるんですけど、どうですか!?死ぬなよ! でもブチかまそうぜ! ギリギリまで攻めていこうぜお前ら!」と叫び、「Virtue and Vice」「Luck Will Be There」でフルスロットル! 新旧織り交ぜたセットリストと大迫力のステージで、忘れられない夏の思い出を作り上げた。
Billyrrom 撮影=桃子
BASE STAGEには、春に行われたスピンオフイベント『GIGANTIC TOWN MEETING』でBanana HallのトリをつとめたBillyrromが登場。まずはRin(Gt)、Taiseiwatabiki(Ba) 、Shunsuke(Dr) 、Leno(Key.Syn)、Yuta Hara(DJ.MPC)がじわじわと音を響かせて、会場の雰囲気を高める。静かにフロントに立ったMol(Vo)は、身震いするような仕草を見せて第一声を思い切り解き放つ。そのパワーで心掴まれた人もきっと多いだろう。壮大なコーラスとともに「DUNE」を美しく聴かせると、Molは緊張を振り払うようにぐーんと伸びをしてパッと笑顔を見せ、「楽しんでますかー! 来てくれてありがとう! 絶対に後悔させないんで、後悔しないように楽しんで帰ってください! よろしくー!」と本気で叫ぶ。その後はBillyrromの真骨頂と言える、とびきりファンキーでソウルフルな楽曲たちを惜しげもなく披露してオーディエンスを巻き込み、続々と踊らせていった。良質な楽曲、個々の演奏力の高さ、リアルなグルーヴ、Molのカリスマ性から目が離せない。ラストはシンセが華やかな「Natural Sense」を披露。シンガロングでひとつにして最高の余韻を残しつつ、ステージ力の高さもしっかりと提示したBillyrromだった。
Crossfaith 撮影=渡邉一生
COAST STAGEでは、昨年出演キャンセルとなったCrossfaithがリベンジを果たした。と同時に、今年2月にDaiki(Gt)が加入して、新体制初の『ジャイガ』となった。バンドロゴ入りの大きな赤い旗を持ってKoie(Vo)が堂々とステージに現れると、オーディエンスは2年分の喜びを歓声に変えて大歓迎する。Koieは「バチクソ暑いけどいけるかお前ら!」と「The Final Call」を投下。準備万端のフロアには巨大な2つのサークルとウォールオブデスが発生! Daiki加入後初のデジタルシングル「ZERO」を含むアンセムたちを連投し、「We Are Crossfaith!」と雄叫びを上げて完全復活した。さらに「Jägerbomb」では、Koieが「力借りていいですか?うちのマネージャーが、宇宙一のサークルピットできますよと言うから見せてあげようと思って」と言うと、瞬く間にPAテントを囲む大きなサークルが完成。壮観な景色は確実にこの日のハイライトのひとつだった。
Crossfaith 撮影=渡邉一生
Koieは「俺たちの『ジャイガ 2024』がついに始まりました。今年はバッチリ気合入ってますんで、最後までよろしくお願いします」と述べ、「昨日しっかり櫻坂チェックさせてもらいました。俺は……俺は……るんるん(森田ひかる)推しです!」と叫ぶと、すさまじい咆哮とともに、次々に掲げられる櫻坂46の名前タオル。Koieは「めっちゃ多ない!?」と驚きつつ、Buddiesに向けて「アルバムから一番ポップな曲を」と最新アルバム『AЯK』に収録の「DV;MM¥ SY5T3M..」をお見舞い。ラストの「Countdown To Hell」では、朝イチのステージでKoieが乱入したPaleduskのKaitoが登場。半狂乱になったフロアと一気に駆け抜けた。Koieは「みんな、よく頑張ったぞ。楽しんでな!」と笑顔でステージを去った。圧倒的なパワーと優しさで、ジャンルとファンの垣根を超えたライブを作り上げたCrossfaith。来年2月には幕張メッセでのワンマンライブと主催フェス『HYPER PLANET』を行うこともアナウンスされた。
coldrain 撮影=オイケカオリ
西日が照りつけるSUN STAGEには、coldrainが登場。Masato(Vo)は直射日光に目を細め、見渡す限りを埋め尽くしたオーディエンスを見て「激しいのやっちゃうけど大丈夫ですか! かかってこいよ!」と叫び「The Revolution」を解き放つと、のっけからものすごい数のダイバーが続出! 続けて代表曲でアンセムの「Final Destination」、巨大サークルと一面のヘドバンが圧巻の景色を作り出した「NEW DAWN」と、前半からバチバチのセットリストで容赦なくフロアを飲み込んでいく。直射日光で辛いのはステージもフロアも同じ。気持ちは戦友だ。
coldrain 撮影=オイケカオリ
MCでMasatoは「こんな気温でやる音楽じゃねえんだよ」と息を切らしつつ、「でも天気が微妙に変わって「意外と涼しいじゃん」となった時のために、俺らは激しいセットリストを組んでくるんですよ」と釈明。あまりの暑さゆえにSNSに書き込まれた「頼むから今日は普通のセットリストにしてくれ」という投稿を見たというMasatoは「これがcoldrainの普通のセットリストだー!!」と咆哮し、後半はさらに勢いを増して楽曲を連続披露。すさまじいことに、全曲でサークルとウォール・オブ・デスが出現していた。Masatoは「助け合って、水だけ飲んでな」と気遣い、「お前らすげーな。思いやりのあるヤツしかいなさそうだな。それか、普段出しきれない想いをぶつけてんだよな」と述べる。ラスト2曲はcoldrainの楽曲の美しさが際立つ「vengeance」と「PARADISE(Kill The Silence)」で最高に熱を高め、壮大に締め括った。お互いが限界ギリギリまでぶつかりあった、灼熱の35分だった。
SPYAIR 撮影=キョートタナカ
入場規制がかかるほどパンパンになったSKY ARENA STAGEを完全掌握したのは、『ジャイガ』初出演のSPYAIR。ライブ前からワンマンかと錯覚するほどの待ってました感と熱気が立ち込める。いきなりアンセム「現状ディストラクション」で火をつけ、YOSUKE(Vo)が「ようこそ! SPYAIRの『ジャイガ』へ! 歌えますか!」と叫ぶと「イマジネーション」ではAメロから大合唱が発生し、サビではモッシュピットとダイバーが出現。YOSUKEは「調子良いじゃない大阪」と微笑み、YOSUKE加入後の初のリリース曲「RE-BIRTH」を投下。楽曲が奏でられるたびに、客席が「うおおお!」と歓喜に揺れて拳を突き上げる。「青春だ!」と言わんばかりに目を輝かせるキッズたち。いかにSPYAIRが愛されているかがよく伝わってきた。「サムライハート(Some Like It Hot!!)」でYOSUKEはタオルが咲き誇ったフロアに飛び降り、観客の上で熱唱。言わずもがな大騒ぎになったフロアの盛り上がりと熱はすさまじく、ステージに帰還したYOSUKEが思わずひざまずく場面も。YOSUKEは「改めて大阪のすごさを感じましたね」と話す。
SPYAIR 撮影=キョートタナカ
また、朝に地元福岡の先輩バンド・Paleduskのステージに参加したことを話し「音楽やって良かったなって瞬間が今日1日でたくさんありました。俺たちには、こうやってわけわかんないぐらいぐちゃぐちゃになって楽しめる文化があります。日本のアーティストみんな好きでしょ?これからもカルチャーを潰さずにつないでいきましょう。俺らの決意の歌を」と『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』の主題歌「オレンジ」を披露した。会場中から聴こえる大ボリュームのシンガロングが胸に迫る。愛の力が溢れた素晴らしい時間だった。
ROTTENGRAFFTY 撮影=マッサン
SKY ARENA STAGEのトリをつとめたのは、今年25周年を迎えたROTTENGRAFFTY。SEの「610行進曲」が流れると歓喜のクラップが湧き起こる。N∀OKI(Vo)が「大トリだあー! 地獄に帰ってきました! ブチ込んでくれ!」と叫び、割れんばかりの爆音で「ハレルヤ」を投下する。NOBUYA(Vo)のデスボイスで早速サークルも出現。一瞬でフロアはわちゃわちゃ状態に。さらに「秋桜」「夏休み」と、美しいメロディーラインが印象的ながら、見事な一体感を生む楽曲でひとつにしていく。「THIS WORLD」ではNOBUYAとN∀OKIがフロアへ。オーディエンスは狂喜乱舞で、2人の神が降臨したような光景に酔いしれる。N∀OKIは「今年は俺ら、3.5日に1本ライブをしてて。20代半ばから今日までやってきて、今一番ライブやってます! はっきり言うわ。今の俺らは完璧なる無双状態。誰も置いていかへんからなー!」と力強く宣言。
ROTTENGRAFFTY 撮影=マッサン
さらに「年を重ね、音楽との接し方も変わってきた。でも唯一変わってへんのがライブ。このままの生き様をギンギンに感じとって明日への糧と力に変えてくれ!」と今年開催したワンマンツアーのタイトル名にもなっていた「Blown in the reborn」を披露して、最新のロットンの姿を示した。このあと出演するマキシマム ザ ホルモンをフィーチャーして絆を感じさせる場面もありながら、最後は大名曲「金色グラフティー」を投下。鼓膜が破れるかと思うほどの爆裂サウンドで熱狂を作り出した。
MY FIRST STORY 撮影=渡邉一生
圧巻のパフォーマンスで2日間の大トリを飾ったのは、MY FIRST STORY。ステージの前は人、人、人の波。スモークの中流れるスリリングな照明と映像演出が高揚感をもたらす。ライブは「メリーゴーランド」からスタート。Hiro(Vo)が感情をぶつけるように歌声を響かせると、特効の炎が噴射! 早速サークルとヘドバンで盛り上がるフロアに向けてHiroは「もっともっとお前らの声聴かせてくれないか! お前らにも一瞬一瞬楽しんでほしいんだよ! Make some noise!」と大声で叫び、息つく間もなく楽曲を連投。堂々たる佇まいとド派手で繊細な演出表現、楽曲の良さとテクニカルな演奏力で、観る者をどんどん虜にしていく。Hiroのボーカルの振り幅もさすがだ。
MY FIRST STORY 撮影=渡邉一生
「この世界で一番の幸せ者にはすることなど出来ないかもしれないけど……」では、Hiroがステージを降りて客席のもとへ。柵によじ登り、柔らかな歌声を響かせながら、押し寄せるダイバーたちとグータッチでコミュニケーションをとる。そして「時に苦しくて、自分じゃ何もできないんじゃないかと思う日があっても、たった1人だけでいい。例え世界を敵に回したってこの人を守りたいという人を探してみてください。そういう人生を!」と真剣な眼差しで叫ぶ。
MY FIRST STORY 撮影=渡邉一生
その後もほとんどノンストップで、しっかりと聴かせながらも躍らせる濃厚なナンバーを連発し、一体感と躍動感を増していく。1曲目から出現していたサークルだが、「ALONE」ではその規模が増大! いてもたってもいられないとばかりに、どんどん人が加わっていく。そんなフロアの熱量を見てHiroは「来れるとこまで来い! 受け取ってやるよー!」と叫び、畳み掛けるようにラストチューン「不可逆リプレイス」へ。サビでKid’z(Dr)のドラムセットの台に乗ったHiro、Nob(Ba)、Teru(Gt)が後ろ向きにジャンプする演出も、定番ながらカッコ良い。何度も観客と距離を近付け、咆哮し、全身全霊の演奏を見せた4人。最後は音楽と花火の競演で最高のクライマックスを迎えた。Hiroはやりきったとばかりに、地声で「ありがとうございましたー!」と気持ち良さそうに叫んで深々とお辞儀。メンバーも満足そうな顔でステージを後にした。
MY FIRST STORY 撮影=渡邉一生
ステージにはFM802 DJの中島ヒロト、浅井博章、樋口大喜が登場して注意事項を述べつつ、会場を賑やかしていた。こうして2024年の『ジャイガ』も大成功で幕を閉じた。年々厳しくなる暑さとの共存が課題ではあるが、会場レイアウトや休憩場所の増加など、運営側の配慮はもちろん、来場者が思いやりと節度を持って参加していることで、無事に終えることができていることを実感する。来年は、2025年7月19日(土)・20日(日)に大阪・万博記念公園に場所を移して開催されることが発表された。また元気な姿で『ジャイガ』に集合しよう。
取材・文=久保田瑛理 写真=オフィシャル提供
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