真冬の寒さを吹き飛ばす熱すぎるライブ、それがRoseliaからのクリスマスプレゼント!Roselia「Stille Nacht, Rosen Nacht」ライブレポート

2024.12.20
レポート
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熱くアツいクリスマスライブ――このライブをひと言で表すなら、このワンフレーズになるのではないだろうか。そんなライブが、12月14日に武蔵野の森総合スポーツプラザでRoseliaが開催したワンマンライブ、「Stille Nacht, Rosen Nacht」だ。“Roseliaならではのクリスマス”をコンセプトに掲げた今回のライブは、ゲストアクトとして迎えたAve Mujicaとともに、真冬の寒さを吹き飛ばし雪をも溶かさんとするほどの熱量を持つものだった。

Ave MujicaとRoselia、それぞれがみせる“熱”と“迫力”

Ave Mujica

まずはゲストアクト・Ave Mujicaの出番。客入れBGMがカットアウトされ場内が暗転すると「Symbol I : △」のイントロとともにステージ前方の紗幕が上がり、パワフルで圧ある演奏と歌声で大観衆に鮮烈な印象を与え、客席を一気に真紅に染め上げてしまう。ハイスピードかつ難度の高いナンバーを、体をいっぱいに使ってリズムに乗りながらのステージングを通じて早速ダークな世界を形作ると、「Symbol II : Air」ではシャッフルのリズムに乗せて、岡田夢以(ティモリス/八幡海鈴役・Ba.)と米澤茜(アモーリス/祐天寺にゃむ役・Dr.)のリズム隊が生み出すこの曲ならではのグルーヴ感で場内を巻き込み乗せていく。さらに、ジャジーなムードを出しながらサビ明け間奏や後奏部分での高尾奏音(オブリビオニス/豊川祥子役・Key.)のテクニカルなプレイもまた、非常に魅力的だった。

Ave Mujica

その高尾と佐々木李子(ドロリス/三角初華役・Gt.&Vo.)の2人だけがスポットライトを浴びて披露したピアノバラードが、「Symbol III : ▽」。音源以上に心の内の機微を具現化して、美しく歌い上げてみせる佐々木の歌声が、この大観衆の心も震わせていく。続く速くて重いメタルナンバー「Symbol IV : Earth」は単に激しいだけではなく、落ちサビなどでは刹那に美しくコーラスを重ねたりと、ソウルフルに歌われてきた楽曲の中において良好なアクセントとなり、それもまた印象深く観客の心に刻まれた。

そして彼女たちのラストナンバー「Ether」では再び疾走感を持たせて、熱く観客をたぎらせとりこに。終盤では渡瀬結月(モーティス/若葉睦役・Gt.)のリードギターの音色も非常に効果的かつ印象深く響き渡り、5人ともステージ上での立ち居振る舞いや表情にもキャラクター性をしっかり投影しつつ、5曲でその“世界”をしっかりと見せてくれた。

そして転換を挟み、RoseliaもBGMをカットアウトして出番スタート。吹雪を思わせるSEが流れるなか紗幕の裏側へ入場すると「Sage der Rosen」冒頭のクワイアが流れ始め、客席は一気に紫に染まる。その紗幕にバンドロゴとキャラ5人のシルエット、続いてライブロゴが投影されると、それが燃え上がる演出とともに幕が上がりライブが始まる。その「Sage der Rosen」は、この日ライブ初披露となる楽曲。それを実にパワフルな歌声と演奏で届け、こちらものっけから大観衆を圧倒。盤石の演奏や歌声も含めて、いきなり衝撃を与える。
 
続く「Song I am.」では、2階ステージからゆっくりと降りてきた相羽あいな(湊友希那役・Vo.)の「武蔵野、盛り上がっていくわよ」のセリフがさらに観客の熱量を高め、サビではコーラスに合わせて「I am song.」の大合唱が場内から自然と沸き起こる。こうしてまずは最新Albumのリード曲や、大切な曲を胸に抱え前へと進む決意を歌った曲といった、未来を意識させる楽曲で幕開けを飾ってみせた。
 

歌唱後のMCでは改めてライブのコンセプトが説明されつつ、そこで受けた観客の歓声を聞いた相羽が「今日はなんだか、声が全然足りない気がするわね」と煽ると、「じゃあ、次の曲でもっともーっと、声出してもらいましょうか」と工藤晴香(氷川紗夜役・Gt.)が提案し、「THE HISTORIC...」へ。サビでスクリーンに表示される歌詞に合わせて、予告どおりに場内には大きな大きなコールが。また、1-Bメロでは工藤と中島由貴(今井リサ役・Ba.)がヘドバンのように身体を折りながらのプレイでエモさを現出させると、2-Bメロではその工藤と相羽がステージ上で向き合い息を合わせながら披露。2サビ後にはメンバー紹介パートも設けられて全員が観客のコールを受け止めたところで、「Determination Symphony」へ。紗夜にスポットを当てたこの曲では、客席のペンライトの色はターコイズブルーに。そんななか工藤はDメロ明けには2階ステージに上り、ギターソロをプレイ。ライブ演出でもフィーチャーを受け、堂々たるパフォーマンスを見せていく。

Roselia

歌唱後にはこの日の衣装についての話題となり、ステージ後方に位置取る志崎樺音(白金燐子役・Key.)と櫻川めぐ(宇田川あこ役・Dr.)も前方に出て、ライブのキービジュアルと同一デザインという衣装を観客にしっかり見せることに。そこからしばし、楽曲披露時とは少々違う和やかなMCパートが続くと、最後には相羽が「この会場を、私たちのこの炎で燃やし尽くしてあげるわ」と宣言し、「FIRE BIRD」を歌い始めれば観客からはまたまた大歓声。すかさず客席は、一瞬で赤一色に染まる。イントロの演奏が始まるやいなやステージ上では炎が燃え盛り、直後のコーラス部分では次々と真上に斜めに火が噴き出しステージ上を乱舞。この光景がまた力いっぱいのコールを送る観客を高まらせ、熱く熱くライブ前半の最高潮を迎えたのだった。

“絆”と“未来”を感じさせるライブこそ、最高のクリスマスプレゼントだ

歌唱後、一旦メンバーは降壇。恒例の「キャラを崩してはいけないシリーズ(通称:キャラくず)」の幕間映像が上映され、5人がクリスマスの飾りをゲットするために奮闘していく。

そんな映像でも観客を楽しませたところで、後半戦は“リサが作詞した曲”2曲からスタート。まず「約束」では、ステージ前方の紗幕に映したリリックビデオの世界の中で5人が演奏し歌うという光景を見せて観客を再びライブにぐっと引き込んでいくと、紗幕が上がって最新Single曲「礎の花冠」の披露へ。青空のCG映像も相まって場内に爽やかさをもたらしながら、Bメロ部分ではクラップで場内の一体感を高めていく。この曲では1サビから2階ステージの中央で相羽と中島が向き合って、笑顔で言葉と想いを交わすかのように歌唱。2サビの歌唱後には小指を繋いで“約束”を交わすという光景がエモさを生み、観客をさらに沸かせる。

Roselia

曲明けには、初の全国ツアーや海外公演など、様々なことのあった2024年を振り返る5人。そして来年や10周年といった未来に向けた話題から続く形で、この流れで披露するにはうってつけの「Neo-Aspect」がスタート。言葉ではなく自らの音楽を通じて、未来へと向けた力強い決意表明をするような構成だ。もちろんその未来は、この曲でも歓声を送りその姿を支える、“バンドリーマー”と一緒に迎えるもののはずだ。さらにもう1曲、「Re:birth day」も同じく未来を感じさせる楽曲。光差し込む輝ける未来を期待させながら、この2曲を通じて「5人でさらなる頂点へと向かう」というメッセージを、言外から発してくれたようにも感じられた。

さて、ライブも残すところ2曲。1人ずつキャラクターとしてこの日の感想をコメントし、最後に相羽が「どうか最後まで、この夜を胸に刻みつけて」と告げて「Floral Haven」へ。ハイトーンな箇所も多い曲を高らかかつ伸びやかに歌い上げ、クライマックスへと近づいていく。Dメロでの相羽がその場でゆっくりと回ってメンバー全員を見やった姿は、そのパートの歌詞と組み合わさることで、再び5人の絆も感じさせてくれたように思う。そして本編ラストナンバー「PASSIONATE ANTHEM」で、場内は再び最高潮に。青薔薇の旗がはためくCG映像を背負いながら熱く力強いステージで音楽を届けていく5人は、これからも前へ前へと突き進んでいくであろう――そう予感させながら、まずは本編を心に刻みつけてくれた。

Roselia

歌唱後、アンコールを求める声が場内に響くと、「キャラくず」後編の映像を挟んで再び5人がステージに。キャラクターではなく自身としてのMCで盛り上がり、改めて感謝を送ると、このライブの上海での追加公演開催や2025年のNew Single2タイトル同時リリース、さらには2025年6月15日に有明アリーナにて単独ライブを開催することを発表! 嬉しいお知らせを少し早めのクリスマスプレゼントとして届けたところで、メンバーからひと言ずつコメントが。

ここではどのメンバーも、Roseliaの成長やファンのパワーアップに言及。ライブのコンセプト以外に「ツアーの私たちをさらに超えた姿を見せたい」という裏目標も設定されていたと工藤が明かしたように、彼女は7弦ギターに、さらに中島は5弦ベースに挑戦するといった新しい試みを行なっていたことも明かす。そしてそんなコメントを受けて、最後に相羽が「10周年に向けてこれからも進化し続けていきますので、ついてきてくれますか!? “約束”してくれますか!?」と呼びかけるとファンは大歓声で応え、会場一体となっての「Roselia、ファイティン!」と気合いを入れ直したところで、相羽の「Roseliaに、そして今日のライブにすべてを賭ける覚悟はある?」とのセリフに続いて「R」からライブ再開。アンコールで自身としてのステージだからか、相羽のステージングはとりわけエネルギッシュ。メンバーのもとに駆け寄りコミュニケーションを取りつつ、ステージ上を縦横無尽に駆けながら観客とのやり取りも交えてライブに引き込み、熱を引き出していく。

そして冒頭の「みんなで歌ってね!」の呼びかけとともにラストソングとして披露されたのが、「-HEROIC ADVENT-」。間奏のたびに場内にはコールが大きく響き渡り、2サビ明けにはコール・アンド・レスポンスパートではさらに熱を帯びていく。また、2-Bメロでは相羽が工藤と肩を組んでコーラス時にマイクを差し出すなど、ライブの場ならではの絡みもみせていくと、最後は「ありがとう!」とシャウトして曲を締めた。

Roselia

これでこの日のライブは終了……かと思いきや、5人がステージを降りたところで影ナレが流れ始め、観客への“クリスマスプレゼント”を渡すために改めてキャラクターとしてカムバック。感謝とまた会える未来を信じて、5人の「メリークリスマス」の声に続いてクリスマスソング「Our Carol」の初披露へ。メロディアスなナンバーをここまでの楽曲よりはやや暖かめな演奏で、歌声でもパワー感を若干抑えめにする一方で伸びやかさを増して彩り、会場中のバンドリーマーにこのプレゼントを届けてライブを終えたのだった。

Ave Mujica

Roselia

ゲストアクトにもかかわらず『ELEMENTS』を完全再現した濃い内容のライブで魅せてくれたAve Mujica。タイトルどおりのコンセプトを掲げながらも、ツアーやアルバム等駆け抜けた1年の締めくくりにさらなる未来を期待させてくれたRoselia。いずれのアクトも、素晴らしいクリスマスプレゼントだったように思う。そしてその中にあった「また会いましょう」という大事な“約束”はぜひ果たしたい――自然とそう思わせてくれる、かけがえのない一夜だった。

取材・文:須永兼次

セットリスト

2024.12.14 Roselia「Stille Nacht, Rosen Nacht」@武蔵野の森総合スポーツプラザ

・ゲストアクト:Ave Mujica
01.Symbol I : △
02.Symbol II : Air
03.Symbol III : ▽
04.Symbol IV : Earth
05.Ether

 
・Roselia
01.Sage der Rosen
02.Song I am.
03.THE HISTORIC...
04.Determination Symphony
05.FIRE BIRD
06.約束
07.礎の花冠
08.Neo-Aspect
09.Re:birth day
10.Floral Haven
11.PASSIONATE ANTHEM
EN.1 R
EN.2 -HEROIC ADVENT-
EN.3 Our Carol

◆ライブ有料配信
【単日視聴
価格:5,500円(税込)
販売期間:~2024年12月21日(土) 21:00まで
配信期間:~2024年12月21日(土) 23:59まで
【2DAYS通し視聴
お得な価格で、12月15日(日)開催のAve Mujica 4th LIVE「Adventus」を含む2公演いずれも視聴いただけるです。
価格:9,900円(税込)
販売期間:~2024年12月21日(土) 21:00まで
配信期間:各公演視聴の配信期間と同時刻となります。
※TVアニメ「BanG Dream! Ave Mujica」先行上映および一部会場限定演出は配信に含まれません。予めご了承ください。
受付URL:https://eplus.jp/roselia-avemujica2024/st/
各公演の詳細はこちら:https://bang-dream.com/roselia-avemujica2024

 

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