クリープハイプ、サウシー、アイナ、PEOPLE 1らが饗宴『FM802 RADIO CRAZY 2024』をFM802 DJが終演直後に語り合う、最終日は板東さえか&樋口大喜

2024.12.30
レポート
音楽

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『FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY 2024』2024.12.29(SUN)インテックス大阪

大阪のラジオ局・FM802による年末恒例のロック・フェスティバル『FM802 RADIO CRAZY 2024』。今年も12月27日(金)から3日間にわたってインテックス大阪にて開催されたロック大忘年会がフィナーレを迎えた。

FM802の開局35周年、かつ15回目の『RADIO CRAZY』という節目に行った3日間は、見事全日ソールドアウト。出演アーティストは総勢約100組にのぼり、日本の音楽シーンを代表するバンドから、期待の新星、さらにはココだけのコラボレーションetc……と、どれもこれも熱いパフォーマンスが巻き起こったのは言うまでもない。

FM802 DJ 板東さえか、樋口大喜

そんな3日間の模様を、FM802の人気DJ陣がすべてのライブが終わった直後にプレイバック! 2024年の集大成ともいえる強力アクトを、生粋のFM802ラバーであり、同期DJである板東さえか&樋口大喜が悩みに悩み抜きピックアップして語らった。

【PICK UP ARTIST】androp×SHE'S(L-STAGE)

androp × SHE'S

まず、androp×SHE'SのステージでMCを担当した板東。

「どこのステージもトップバッターからかなりお客さんが集まってくれてたよね。最終日だし、みんな前のめりでね。序盤から空気が出来上がっていた印象!」(板東)

「今回は8人での特別編成でね。もうメンバー全員が楽しんでいる感じで」(樋口)

androp × SHE'S

そう二人が盛り上がったのも納得のステージでは、andropの前田恭介(Ba)は右手、SHE'Sの広瀬臣吾(Ba)は左手でフレーズを分け合うシーンもあり、「そういう感じでコラボするのもアリなんや!」(樋口)と、アイデアあふれるパフォーマンスに脱帽。SHE'Sの井上竜馬(Vo.Key)がカメラに抜かれる瞬間にも、andropの内澤崇仁(Vo.Gt)があえて並びにいくようアクションするシーンもあり、「めっちゃ遊んでくれてる感じだった! トッパーから観てて楽しかったよね」(板東)と、遊び心たっぷりのコラボ・ステージに大いに沸いた二人だった。

【PICK UP ARTIST】OKAMOTO'S(R-STAGE)

OKAMOTO'S

樋口は、『RADIO CRAZY』(以下、『レディクレ』)皆勤賞にして2024年はデビュー15周年のアニバーサリーを迎えたOKAMOTO'SでMCを担った。

「個人的にはもう学生時代からずっと追いかけ続けてきたアーティストなんですよ。ハマ(・オカモト(Ba))さんの『MUSIC FREAKS』(2010年10月〜2011年9月担当)も聴いてて、私はあの番組で育ったと言っても過言ではないくらいずっと好き!」(樋口)と、熱弁。そんな節目を迎えたOKAMOTO'Sだが、ハマは体調不良のため今年4月から5カ月間にわたり休養した期間もあった。

「これまでずっと『レディクレ』に出続けてくれているバンドだけど、改めて当たり前じゃないなと。バンドってやっぱりかけがえのないもの。今回トップバッターだったのも、(初登場の)2009年と同じなんですよね。OKAMOTO'Sから最終日をスタートできてうれしかったなぁ」(樋口)

OKAMOTO'S w/ROY(THE BAWDIES)

板東も、初登場のタイミングから客席でその貴重なシルエットを見ていたという。

「私たちは同い年だし、そういうバンドが15年もの間『レディクレ』というフェスを支えてくれている、存在してくれてるっていうのは、我々の世代にとってもめちゃくちゃ頼もしいよね。今日は一段とカッコ良かった!」(板東)

また、この日のステージではTHE BAWDIESのROY(Vo.Ba)がゲストに登場。同じ学校出身の先輩後輩でもある彼らゆえ、「その感じも見てて楽しかったなぁ!」(樋口)、「2023年にその2組でスプリット・ツアーをやってた流れもあって、そういうのも思い出したりね。しかもこの日のR-STAGEは、OKAMOTO'Sで始まりTHE BAWDIESで終わるという」(板東)と、話題は尽きない。

最後には「(オカモト)ショウ(Vo)さんは「こんなに俺たちをフィーチャーしてくれるフェスは、他にはない」と話をしてくれたけど、こちらこそありがとう! ですよ」(樋口)と、バンドとFM802の相思相愛っぷりを感じさせてくれた。

【PICK UP ARTIST】KANA-BOON、キュウソネコカミ(Z-STAGE)

KANA-BOON

「OKAMOTO'Sと同じようにKANA-BOONとキュウソネコカミも、ずっと『レディクレ』を支え続けてくれるバンドですよね。だからZ-STAGEでKANA-BOONからキュウソネコカミにバトンが渡ったのも感慨深いな」(樋口)と続いては、Z-STAGEのライブの先陣を切ったKANA-BOONについて語る二人。

KANA-BOON

「Z-STAGEの頭が関西バンドで始まったのもすごくよかったよね。この2組は今や盟友感もある。お客さんもすごく集まってくれて、KANA-BOONの力を感じたな」(板東)と言うのも納得。2023年末にはメンバー脱退に伴う活動休止が発表され、昨年の『レディクレ』参戦はかなわなかった経緯もある。

「特に今のKANA-BOONは、ロックの底力だったり、逆境に打ち勝つパワー……そういう力をライブからひしひし感じる」(樋口)

「うんうん! MCで(谷口)鮪(Vo.Gt)くんが、自身を「不屈の男!」と言ってたのもよかったよね。それや〜! と(笑)」(板東)

キュウソネコカミ、レキシとコラボも

「その後のキュウソから感じる不屈の精神ともマッチしてたよね。やっぱりロックンロールはタダでは倒れないぞ! というところを見せつけられたな」(樋口)

後ろに続いたキュウソネコカミと共に、いい流れを示したZ-STAGE前半となったようだ。

キュウソネコカミ

【PICK UP ARTIST】アイナ・ジ・エンド(L-STAGE)

アイナ・ジ・エンド

2023年に続き、2度目の登場となったアイナ・ジ・エンド。昨年は舞台上で倒れ込んでしまうアクシデントもあった彼女だが、今回は一層パワーアップしたステージで魅了してくれたのは大きな話題に。

「FM802の春の風物詩『ACCESS!キャンペーン』にも参加してくれたこともあって、ものすごくホーム感が広がったライブでしたね。大阪出身の方ですし、アイナちゃん自身も「すごく成長できた」と語ってくれて。私たち自身も仲間になってくれた!という感じがあって、帰ってきてくれてすごくうれしかったな。ライブも本当によかった!」(板東)

アイナ・ジ・エンド

これまで年齢は明かされていなかった彼女だが、12月27日に30歳となったことを機に公表。

「そんな30代の大台に乗ったけど「関係ねぇ!」と言ったあとに「関係ない」って曲をやってくれて……。もう良過ぎて涙が出てきたほど、いい曲でしたね」(板東)

「年齢を公表したのも、年齢ごとに歌える曲もあるし、それを感じてもらえるからって以前のインタビューでも言ってくれてたから、なるほどなと。フライングVのギターを弾いている姿もすごくカッコ良くてセクシーだった!」(樋口)

「セクシーだし、かわいいし、カッコ良かったね!」(板東)

二人とも、改めてアイナ・ジ・エンドの歌力、アーティストとしての魅力にほれぼれとしていた様子だった。

【PICK UP ARTIST】PEOPLE 1(Z-STAGE)

PEOPLE 1

「セクシーといえば、Ito(Vo.Gt)さんもじゃない? 終わったあとに「今日、何だかセクシーでした」と言ったら、「本当っすか!」と照れながら(笑)」(樋口)

「照れてる感じも分かる! いつも謙虚なイメージだしね」(板東)

3年連続出場となったPEOPLE 1は、昨年からすでに広大なZ-STAGEへ出演。初回の2022年にはR-STAGEのトップバッターに抜擢されていたのも記憶に新しい。

PEOPLE 1

「その時にもうすでに早耳のリスナーが待っている状態だったのを思い出したなぁ。今日はもうスケール感が違うというか、全体を巻き込む感じ、ステージの使い方、照明や映像……etc。すごく惹きつけられるよね。Deu(Vo.Gt.Ba.Other)くんも前に出てきてくれたり」(板東)

「ホールツアーも経験したあとだから、余計にね。毎年進化してるな」(樋口)

Itoは2023年9月〜2024年10月の『MUSIC FREAKS』を担当していたこともあり、同じDJとして身近な表情を交えながら、バンドとしての成長度の高さを教えてくれた二人だった。

【PICK UP ARTIST】フラワーカンパニーズ(R-STAGE)

フラワーカンパニーズ

「『レディクレ』らしいポイントの一つに、世代をつなぐというところがあると思うんだけど、その意味でもフラワーカンパニーズは外せないね」(樋口)と、結成35周年のフラワーカンパニーズをピックアップ。板東は同時刻に公開収録があったため、泣く泣くステージは観られなかったものの、思い入れのあるアーティストには違いない。

「私たちがまだ学生の頃、2009年に「深夜高速」がヘビーローテーションになったのも印象深かったなぁ」(板東)

「リバイバルでの抜擢だったもんね。今日もすごかった! これぞロックンロール先輩の貫禄」(樋口)

2004年のシングルだったところが再注目を受けて抜擢された経緯は、ヘビロの歴史でも類を見ないものだった。今でも大切に歌い継がれている同曲をはじめ、フラカンが生み出す初期衝動いっぱいのサウンドは、この日のステージでも新たなファンを生み出していたことだろう。

【PICK UP ARTIST】サンボマスター(Z-STAGE)

サンボマスター

「『レディクレ』に外せない!」と、板東が力強く語ってくれたのはサンボマスターだ。

事前に山口隆(Vo.Gt)がXでつぶやいていたのは、「どこまでアホになれるのかのお時間がもうすぐやって参ります! 全員集合で、全員優勝で! 今年もアホな年忘れ! 準備はよろしいでしょうか!?」というステージ予告。

「もうこれは相思相愛やなって(笑)!」(樋口)

ライブ中、「アホ年末」「アホ優勝」とのコール&レスポンスが飛び交うのは、最早年末のサンボの風物詩だ。

「山口さんが、「アホ年末」になるってことは幸せになるってことって語ってくれて。うん、そう! って(笑)。ちゃんと言語化してくれたことで、改めて私たちも同じ解釈だったなと」(板東)

サンボマスター

「2025年は結成25周年で、先だってやった大阪城ホールでのライブ時にインタビューもさせてもらったんだけど、「アホ年末」「アホ優勝」はどのタイミングで考えたんですか? と聞いたら、ライブ中にフロアに出てきたんだって、文字が」(樋口)

「え!? 顔に書いてある……みたいなことと同じ?」(板東)

「そう。お客さんがいるフロアに「アホ優勝」と浮かび上がってきたんだって。だから言うしかないという(笑)。みんながつくってくれた空気感を切り取ったのが「アホ年末」なんだと」(樋口)

「分かる分かる(笑)。私もリスナー時代に行ってたとき、いつだったか急に「アホ年末」とワードが生まれたのは覚えていて。きっと私の顔にも書いてあったんやろね、「アホ年末」と(笑)」(板東)

【PICK UP ARTIST】FM802 MAKE THE MUSIC FREAKS PLAY LIST(R-STAGE)

FM802 MAKE THE MUSIC FREAKS PLAY LIST

最終日もさまざまな企画が目白押しの中、まずはFM802の人気番組『MUSIC FREAKS』(毎週日曜 22時〜24時)のステージをお届け。注目の新鋭が1年間にわたりDJを務めるプログラムで、こちらを経て大きくステップアップしたアーティストが数多いことは言うまでもない。そんな歴代DJの中から、2002〜2003年担当の松本素生(GOING UNDER GROUND)、2004〜2005年担当のヒダカトオル(THE STARBEMS、ex.BEAT CRUSADERS)、2011〜2012年担当の古舘佑太郎(ex.The SALOVERS、ex.THE 2)がボーカリストを務めたとりわけスペシャルなひとときに。

「私は、それこそ古舘さんの『MUSIC FREAKS』も聴いてて、めちゃくちゃ好きだった! 時間の関係で今日のステージは「床には君のカーディガン」を聴けたくらいだったけど、本当にそれだけでも幸せでしたね」(樋口)

「私も本番はステージMCがあったので、リハだけ観たんやけど、古舘くんがくるりの「ロックンロール」を歌ってくれてね。ご褒美過ぎた!」(板東)

バックバンドがくるりの佐藤征史(Ba)をはじめ、sunsite、好芻の山本幹宗(Gt)、野崎泰弘(Key)、古市健太(Dr)、篠崎光徳(Gt)と、名手から期待のプレイヤーまで豪華な面々だったことも付け加えておこう。

【PICK UP ARTIST】阿部真央(L-STAGE)

阿部真央

2009〜2010年の『MUSIC FREAKS』でDJを担当。『レディクレ』初年度の2009年にも出演したFM802と縁の深いシンガーソングライターが阿部真央だ。34歳という年齢も、同世代の板東・樋口にとっては親しみ深いところで。

「ひとつ上くらいかな。やっぱり姉さんはカッコ良い!」(樋口)

「あの歌の強さ!」(板東)

阿部真央

「今日もインタビューしてて、2025年はどうしていきたいですか? と聞いたら、「もっと笑っていきたい」と話してくれて。笑い声がチャームポイント、特徴的だって気付いたんだって」(樋口)

「分かる! 「ハ」という音で笑うイメージがあるよね」(板東)

「他の人から、自分の笑いにつられるとよく言われるんだと。その輪を広げていきたいと」(樋口)

「やっぱりめちゃくちゃいいこと言ってくれる。人生2周目くらいの人やもんね。私ら世代にとっては10代で楽曲の良さはもちろん、存在の大きさでも衝撃を与えてくれて……。青春時代に阿部真央さんの影響を受けた人は本当に多いなと改めて感じた1年だったから、『レディクレ』に出てもらえて本当にうれしかったな」(板東)

【PICK UP ARTIST】レキシ(Z-STAGE)

レキシ

「いや〜すごかった!」と、板東がしみじみ語ってくれたのはレキシ。

「頭5〜6分はおしゃべりしたかな。そこからやっと「きらきら武士」が始まり、「SHIKIBU」の途中では(DJの)仁井(聡子)さんが飛び入り参加して。十二単のジャケットを着たりアドリブもありながら、キュウソネコカミも出てきてくれたり……」(板東)と、そのカオスっぷりを如実にレポート。ところで、進行の都合上、DJ陣は事前にライブのセットリストを確認することも多いのだが、この日のレキシの予定曲数は5曲。のはずだったのだが……。

「減ってましたね(笑)!」(板東)

「冗談で「2曲しかやらないけど、お客さん来てくれるかな?」って言ってたよね(笑)」(樋口)

「4曲はやってくれた(笑)! お祭りです。本当にロック大忘年会にいてくれてうれしい。お客さんも盛り上がってくれました」(板東)

「本当だ! サンボマスターからレキシなんて、ロック大忘年会バトンじゃん!」(樋口)

愉快なトーク、とびきりアガるパフォーマンス、ゲスト入り乱れてのレキシならではのひとときは、ハピネス満載のものだった。

レキシ、FM802 DJ 仁井聡子

【PICK UP ARTIST】オカモトショウ・コウキ(OKAMOTO'S)、ROY(THE BAWDIES)(境内STAGE)

TAXMAN・ ROY(THE BAWDIES)、オカモトショウ・コウキ(OKAMOTO'S)

「このステージは、公式YouTubeチャンネルでの収録も兼ねていて。そもそもは『レディクレ』皆勤賞メンバーのみでの公開収録だったんですけど、直前でTAXMAN(THE BAWDIES、Gt.Vo)さんが「俺がいないのは不服だ!」ということで、私も知らなかったんですがサプライズで登場してくれました(笑)。YouTube公開が2025年の予定なので、書き初めをやりましたね」と、樋口がバラエティ感いっぱいの模様を描写してくれたのは、『レディクレ』の中でも特に個性的な境内STAGEでの模様だ。周りにはさまざまな縁日ブースや企業ブース、さらにフードホールへもほど近い場所にある特殊なステージとなっている。

オカモトコウキ・ショウ(OKAMOTO'S)、 ROY・TAXMAN(THE BAWDIES)

「境内STAGEは、DJとの絡みだったり、アコースティックでのパフォーマンスが多いところ。遠くには飲食スペースもあるし、みんながご飯を食べながらだったり、トイレ待ちをしながらだったり、そういう中で音が聴こえてくるんですよね。非常に『レディクレ』っぽい空間だなって」(樋口)

「分かる! 一番『レディクレ』っぽいよね」(板東)

「自然と耳に入ってくるから、こんな音楽あるんや! って意外と発見の場になったりするんだよね」(樋口)

「他のステージとはスタンスが違うところもあるもんね。お目当てにして行くだけじゃなく、ご飯食べたりしゃべったりしているときにふっと聴こえてくる……私も境内STAGEは大好きだなって思った」(板東)

会場の隅々まで新たな音楽との出会いを散りばめる……境内STAGEを通して、FM802らしい姿勢に気付かされるトークであった。

【PICK UP ARTIST】Saucy Dog(Z-STAGE)

Saucy Dog

樋口は、「最初のライブ前の注意事項のアナウンスがあり、そこから照明がバーッと照らされてフロアの歓声が上げて……っていうこの流れがすごくライブバンドだなって改めて思った瞬間だったな」と、樋口がインパクトを受けたのは、『レディクレ』後半戦となったSaucy Dogのステージだ。

Saucy Dog

「サウシーは、今年1年かけてスケールアップした感じもあるもんね」(板東)

また、板東は進行の流れ上、外の大型ビジョンから観ることになったそうで、「あの大画面でみんなで観られる感じも好きやねん!」(板東)、「ふいに聴こえてくる生の音楽って感じでね」(樋口)と、どこか境内STAGEにも通ずる偶然の出会い感が、大型ビジョンにもあるのを教えてくれた。

【PICK UP ARTIST】Radio Happy Willows(from FM802 ACCESS! CP 2024)(R-STAGE)

FM802リスナーにとって毎春の大きな楽しみの一つが、『ACCESS!キャンペーン』だろう。気鋭のアーティストが手掛けるこのキャンペーンのためのオリジナル楽曲を、この楽曲のために集まった豪華アーティストで歌いつなぐスペシャル過ぎる企画。2024年春は、SUPER BEAVERの柳沢亮太(Gt)が作詞作曲した「はなむけ」が関西中を席巻し、大きなニュースとなった。そんな同楽曲を歌唱したユニット・Radio Happy Willowsの顔ぶれが『レディクレ』に降臨!

「これはもうね、『レディクレ』だってことを忘れるぐらいだった(笑)!」という板東の言葉にも大いに頷きたくなる一大エンタメショーに、大観衆も大盛況!

「たくさんの参加アーティストが集まって、素敵なステージを作ってくださった。「はなむけ」という曲を中心に、音楽の力ってすごいなって改めて感じるようなセットリストだったね」(樋口)

「みんなで宴会している感じの空気もよくて。さらに、体に馴染んでいる曲をセレクトしてくれたこともあって、すごく刺さるというか……。みんな思い出すこともいっぱいあっただろうし、もうボーカリストが奇跡的。あんな並びで観られるなんて! 全員をずっと観ていたかったね」(板東)

「愛おしい時間だったなぁ」(樋口)

そんな表舞台の印象もさることながら、終演後のアーティストたちの素顔もまた特筆モノだったそう。スタッフ姿でサプライズ登場となったスキマスイッチの常田真太郎(P)の現れ方が何ともユニークで、大歓声がのぼった様子について、sumikaの片岡健太(Vo.Gt)が「「コレ、ラジオやから!」とツッコんでて(笑)。私もせやった! ラジオのフェスやった! って気付いたくらい(笑)。何だか大晦日にみんなで年末特番を観てるみたいな気分になったなぁ」(板東)

ポルノグラフィティの「アポロ」をカバーしたキュウソネコカミのヤマサキセイヤ(Vo.Gt)は、「終わったあと「気持ちよかった〜!」と言ってくれてて。「岡野(昭仁(Vo))さんならやらへんような動きばっかしてたけど、オレ流でやった!」と楽しそうでした(笑)。緊張もあっただろうし、解放された感じでw.o.d.のサイトウタクヤ(Vo.Gt)くんと「乾杯しよか」って言い合っているシーンもすごくよかったですね」(樋口)

裏話も交えながら、ミラクルなひとときに身を委ねた二人だった。

【PICK UP ARTIST】THE BAWDIES(R-STAGE)

THE BAWDIES ゲスト:オカモトショウ (OKAMOTO'S)

ところで昨年の『レディクレ』は、体調不良により無念の欠席となった樋口。リベンジと燃えるのは特にこのアクトで……!

「ド頭からロックンロール全開のセットリストで始まっていくわけですよ。特に今回は、OKAMOTO'Sのオカモトショウさんがゲストに入って「GIMME GIMME」をやったりね。もうダンサブルなロックンロールパーティーがすっかり出来上がった頃に、まさかのHOT DOG劇場という小芝居……小芝居と言ったら怒られますけど(笑)。ミュージカルがあってね、それにリベンジさせていただきました」(樋口)

THE BAWDIESファン、『レディクレ』参戦者にはお馴染み、強力アンセム「HOT DOG」へのイントロダクションとして欠かせないのがHOT DOG劇場だ。樋口と一緒にDJの高樹リサが登場し、今回の劇場のテーマは某ロボットアニメの金字塔をもじった「パンダム」。

「私がアム口(ぐち)としてROYさんを、リサさんがシャア高樹としてJIM(Gt)さんを操縦すると言う……。説明しても、文字で読んでも意味が分からないと思うんですけど(笑)、戦っている最中に剣と盾が重なり合ってその形がホットドッグに見えるということで……」(樋口)

「アハハ!!」(板東)

「しかもゲストにオカモトショウさんが入ったスペシャルバージョン。リサさんの「めっちゃホットドッグやん」というセリフに続き、「American Style!」というショウさんの一言があって曲に入りました(笑)」(樋口)

「いや、観た人も意味分からんと思うけどね(笑)。最高やね!」(板東)

気を取り直して、改めてTHE BAWDIESのロックバンドとしてのアティチュードに触れてくれた樋口。今年は結成20周年、デビュー15周年の節目でもある彼らについて。

「ROYさんが「続けられたこと、そして続けていくことが大切」という話をしててね。ロックンロールって転がり続けるという意味じゃない。やっぱりTHE BAWDIESはそれを体現しているなって。OKAMOTO'Sもそうだしね」

全力でロックンロールを奏で、全力で遊び倒す。最高にイカしたロックバンドの姿を目撃できた一幕となった。

【PICK UP ARTIST】クリープハイプ(Z-STAGE)

クリープハイプ

いよいよ、この3日間のオーラスとなるクリープハイプの時間を迎えた二人。フェスとの向き合い方について尾崎世界観(Vo.Gt)が語ってくれたシーンについて、板東はたくさんの思いを受け取ったようだ。

「現体制で15年のキャリアになった今、フェス時代を生きているバンドだし、一時期はみんなが知っている曲をやるべきかなって思ったけど、やっと今は知らない曲、知られてない曲の方が深く刺せるんじゃないかという話があって。自分もそうやったなと、全然知らない曲が妙に心に残って。ちょっとだけ覚えてるフレーズで歌詞検索したりとか……(リスナー時代のそういう経験が)深く残ってるなって改めて思ったな。尾崎さん、クリープハイプは、そういうこちら側の目線をずっと忘れてないよね」と、しみじみと言葉にしてくれた。

クリープハイプ

「時代と共にいろんなものが変わっていく。『レディクレ』も、ラジオもそうだし。だけどやっぱり大切なものは変わらないなと、クリープハイプを通してそういうことを考えるよね。普遍的なものというか」と、樋口も深く同意。特に「生レバ」という楽曲に深く感銘を受けた様子で。

「音源で聴くといろんな音が入っている曲だけど、ライブアレンジではすごくネイキッドというか、ロックな感じがすごく出ていて。削ぎ落とされた良さというか、それを生で体感している……」(樋口)

「「生レバ」だけにね。分かる! めっちゃかっこよかった。ロックバンドな感じが露骨で」(板東)

「自分に置き換えても、もっと削ぎ落とせると思ったんですよ。歳を取るごとにいろんなことが上乗せになっていく中で、大切なものが見えなくなっていってるんじゃなかと……いろいろ考えるライブだったな、尾崎さんの言葉を含めて」(樋口)

「『レディクレ』しかり、FM802しかり、すごく近い距離で見てくれているアーティストだから、DJやスタッフもそれぞれもらっているものがすごく大きいステージな気がする。みんなが話したくなるライブやなと。クリープハイプの15周年と『レディクレ』の15回目というタイミングが重なっているしね」(板東)

もちろん単なるクロージングアクトではなく、ステージに立ったことで感動を呼ぶだけでもなく、ライブ中も、ライブ後も、いろんな思いをもたらしてくれたクリープハイプ。その大きな存在感は、満場一致で2024年の『レディクレ』を締めくくるにふさわしいアクトだった。 

濃厚なプレイバックとなった板東さえか&樋口大喜の『レディクレ』最終日。その思いはあふれるばかりで……。

「今日は特に周年を迎えるアーティストが多かったと思うし、3日間の全出演者に言えることなんだけど、やっぱり当たり前じゃないなと。続けることの大変さもあるし、一人ではできない。ラジオに置き換えてもそうだし、やっぱり聴いてくれる誰かがいてくれるから。間違いなくリスナーがつなげてくれたことだなと。特に今日は一人一人の顔が見えたような気がした。『レディクレ』という一つの答え合わせの場所というか……こういう皆さんがメッセージやリクエストを送ってくれて番組が成り立っている、一緒に番組を作ってくれている仲間たちなんだというのは、『レディクレ』で改めて思いましたね。届けてたものがちゃんと届いていたなと」(樋口)

「今までラジオに、FM802にタッチしていない人も、この『レディクレ』で知ってもらって、また仲間になってほしいな。私たちは毎年そう思ってるからね。この後に控えるライブ音源特番も、この記事もそうですし、あの場所にいたあなたと。2日目のフジファブリックの山内総一郎(Vo.Gt)さんの言葉にあったように「出会ってくれてありがとう」という気持ち。出会いっていいよね」(板東)

「出会いがあって、回転していく。ロックンロールはそのままでは転がらない。何かの摩擦があって回転していく。その要素はポジティブ、ネガティブ、どちらもあると思うけど。転がるためにはやっぱり誰かが必要、思いが必要っていうことを強く感じましたよね」(樋口)

FM802 DJ 板東さえか、樋口大喜

「……楽しかったなぁ〜! またやりたい。もうやりたいな」(板東)

「もう1回!? 声枯れるわ(笑)!」(樋口)

最後の最後まで、『レディクレ』愛たっぷりに語ってくれた二人。その言葉どおり、また2025年の『レディクレ』でもたくさんの出会いに期待をせずにはいられない! 3日間のステージの模様は、2月に控えた『RADIO CRAZY 特別番組』でもたっぷりオンエアするほか、SPICEでも後日、全アーティストのライブレポートも公開するため、ぜひチェックしてほしい。

取材・文=後藤愛 写真=FM802提供


■初日のレポートはこちら

Vaundy、BRAHMAN、DISH//、フレデリックらが集結
『FM802 RADIO CRAZY 2024』をFM802 DJが終演直後に語り合う、初日は落合健太郎&ハタノユウスケ

■2日目のレポートはこちら

フジファブリック、アジカン、くるり、ユニゾンらが祝宴に駆け付けた
『FM802 RADIO CRAZY 2024』2日目をFM802 DJ大抜卓人&加藤真樹子が振り返る

イベント情報

『FM802 35th ANNIVERSARY “Be FUNKY!!”
ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY 2024 ーレディクレ15th-』

●日時=2024 年 12 月 27 日(金)、28 日(土)、29 日(日)10:00 OPEN・11:00 START
 ※OPEN、START 変更になる可能性がございます
 ※START 時間は改めてステージタイムテーブルをご確認ください
●会場=インテックス大阪

●協賛=日本旅行 / マクセル / サントリー ビアボール / ZONe ENERGY / TESCOM /
トヨタモビリティ新大阪 / JR 西日本 / みるく饅頭 月化粧 / Mizkan / JOYSOUND
●主催=FM802/キョードー関西
●企画制作=FM802/キョードー関西
 
【SNS アカウント】
●FM802 オフィシャル X=@fm802_pr
●FM802 RADIO CRAZY X=@FM802RADIOCRAZY
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●イベントハッシュタグ:#レディクレ
 

放送情報

【RADIO CRAZY 特別番組】
FM802 RADIO de LIVE CRAZY-レディクレ 15th-
日時:2025年2月11日(火)
第 1 部 14:00ー 17:51 DJ=樋口大喜・板東さえか
第 2 部 19:55ー 23:48 DJ=落合健太郎・高樹リサ
第 3 部 24:00-深夜 3:00 DJ=浅井博章・田中乃絵
  • イープラス
  • THE BAWDIES
  • クリープハイプ、サウシー、アイナ、PEOPLE 1らが饗宴『FM802 RADIO CRAZY 2024』をFM802 DJが終演直後に語り合う、最終日は板東さえか&樋口大喜