SAKANAMON、ファンと完成させた友情ソング「voices」インタビュー&リスニングパーティーレポートを一挙公開
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SAKANAMON『New Hear’s Party』2025.1.21(TUE)東京・渋谷murffin studio
インタビューが終わると、SAKANAMONの3人は『New Hear’s Party』と題したリスニングパーティーにオンステージ。会場である東京・渋谷murffin studioに集まったファンに早速、「voices」を音源、ライブ・パフォーマンス、MVの3通りで初披露して、インタビューでも語っていたとおり、制作過程では苦労もあった「voices」を完成させ、ついにリリースする喜びをファンと分かち合ったのだった。新年の挨拶も兼ねていたリスニングパーティーは、2025年の抱負を毛筆でしたためたというメンバーによる書初めの発表からスタート。
沢山聴くーー森野光晴
三倍ーー木村浩大
家内安全ーー藤森元生
しかし、何のことやら意味がわからないと、お互いに「その心は?」と説明を求めあい、それぞれに語ったのが以下である。
「音楽をたくさんインプットして、たくさんアウトプットする」(森野)
「三倍忙しくしようぜ」(木村)
「家とはバンド。つまりバンド内安全です」(藤森)
三者三様にバンド活動に取り組む意欲を表明した後は、待ってました。「voices」の初披露だ。
「それではお聞きください。「voices」です!」と藤森が曲を紹介すると、昨年の対バンツアーで録音した観客の声を重ねた荘厳なコーラスが流れ始め、そこから3分25秒、観客とステージの3人は会場にゆったりと流れる「voices」にじっと耳を傾ける。曲が終わると、森野が開口一番、「いい曲!」と感嘆の声を上げ、「ようやく発表することができました。どうですか?」という藤森の問いかけに観客が拍手で応えた。
その「voices」、曲のスタイルとしては、いわゆるアコースティックバラードながら、5つの会場で録音した5つのパートを重ねたハーモニー、ゴスペル風のハンドクラップ、ラララというシンガロングを加えたことによって、アンセミックな魅力も持つ曲になっているのだが、一番の聴きどころはやはり観客の声を重ねたハーモニーだろう。
「お客さんの声を、ありきたりではないやり方で使いたかった」と藤森がインタビューでも語っていたとおり、緻密に作り上げたハーモニーにはやはり自負があるのか、昨年の対バンツアー中、大阪、福岡、名古屋、仙台、東京の5会場で録音した観客の声を、藤森が楽譜を見せながら1会場ずつ聞かせた上で、「これが合わさると、ハーモニーになるわけです!」(藤森)と5会場の声を重ね、改めてハーモニーとして聞かせ、藤森曰く「知られざる「voices」のコーラス事情」を明らかにするというファンにはうれしい、今回のリスニングパーティーならではの貴重なヒトコマも。
そこに森野、木村を含め、藤森の5人の友人が大サビのコーラスを歌ってくれたというエピソードを付け加えながら、藤森は「夢のような友達ソングができました。僕としては感無量でした」と「voices」の手応えを言葉にしたのだった。
そして、この日のお待ちかねはもう1つ。SAKANAMONによるスペシャルライブだ。この日、3人は藤森がアコースティックギターを弾きながら計5曲を披露した。1曲目のアップテンポのロックナンバー「コウシン」から藤森の弾き語りで繋げた「空想イマイマシー」は、森野と木村がサビから演奏に加わる、音源とは一味違うバラードアレンジで披露。アコギのコードストロークでリズムを刻みながら藤森の歌声が熱を帯びる。
曲間のMCでは、「ライブで「コウシン」を演奏するのめっちゃ久しぶり。今年はあまりライブでやってない曲をやりたいね」という森野の一言から、「メドレーやる?」「リクエストライブとか?」「ツアーでセットリストに被りなしとかね」とメンバーの口から次々にライブのアイデアが飛び出し、実現するかしないかはさておき、観客に期待を抱かせる。
「飽きさせないようにがんばるんでライブに来てください!」と森野がMCコーナーを締めくくり、バンドが立て続けに演奏したのが「PACE」と「ロックバンド」というロックナンバーだった。
<行った事もないあっちまで一寸 付き合ってくれないか 楽しても 無理しても 僕等のペースで>と歌う前者。そして、<何処だって行こうか 何処まで行こうか>と歌うロックバンド賛歌の後者。この2曲をこの日、選曲したのは、2025年の抱負を語るリスニングパーティーにふさわしいと考えたからだろう。きっと筆者も含め、観客の多くが、その2曲は木村が言うように「20周年をちゃんといい形で迎えるためにクレッシェンドしていくような1年にしたい」と考えているSAKANAMONのステートメントと受け止めたに違いない。
最後を飾ったのは藤森の弾き語りによる「voices」だった。
藤森が感情を込め、シャウトするように歌う<その声を聴きたい 聴きたいんだその声を>という言葉が胸を打つ。<その声>とは、歌詞の上では、<なんて素晴らしいんだ>と称える友達との会話のことなのだが、ライブになると、それは観客のシンガロングということになるのだろう。5声からなるハーモニーはさすがに難しいかもしれないが、アウトロのラララというシンガロングは、これからSAKANAMONのライブの新たなハイライトになっていきそうだ。
藤森が弾き語る「voices」を聴きながらそんな想像が膨らんだのだった。
取材・文=山口智男 写真=酒井ダイスケ
ライブ情報
前売り:¥5,000 / 当日:¥5,500
リリース情報
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