誰かがあなたの「秘密」を見ているかも…!?AGAPE store「七つの秘密」ゲネプロ
松尾貴史、坂田聡「七つの秘密」
1月15日(金)紀伊國屋ホールにて、AGAPE store「七つの秘密」が上演される。「男子はだまってなさいよ!」シリーズの細川徹が脚本を、そして数多くの舞台を手掛けたG2が演出を務める本作。初日の直前となる15日昼過ぎ、同劇場にてゲネプロが行われ、松尾貴史、シルビア・グラブ、池田純矢、東加奈子、坂田聡、宮崎秋人、大高洋夫が本番さながらの芝居を披露した。
シルビア・グラブ、松尾貴史、宮崎秋人、池田純矢、大高洋夫「七つの秘密」
舞台は、とある小さな会社。夜更けに一人、懐中電灯片手に何やら不審な動きをしている事務方の社員・市川(松尾)の姿が浮かび上がる。そこに何も知らずにやってきたのは経理の川島(シルビア)。いったいなぜこんな時間に?まさか自分の秘密を知られたのでは…?
松尾貴史、シルビアグラブ「七つの秘密」
その夜以降、ぎくしゃくする二人の様子に営業の黒木(東)が疑惑の目を向ける。黒木と市川の会話を聞いてしまったのは経理の鈴木(宮崎)。課長の溝口(大高)は、常日頃、存在感の薄い鈴木の知られざるある「秘密」を見てしまい仰天!黒木は黒木で、ひょんなことから溝口と事務・勅使河原(池田)の「秘密」を目撃してしまい声を失う…。
宮崎秋人「七つの秘密」
大高洋夫「七つの秘密」
池田純矢「七つの秘密」
皆がそれぞれに心の声で叫ぶのだ。「どうしよう!何というモノを見てしまったんだ!?」と。
誰かの「秘密」を他の誰かが知ってしまうことで新たに生まれる(誰かに言いたいけど言えないという)「秘密」。気が付けばドラマの人物相関図のようにあっちからもこっちからも様々な関係を示す矢印が出まくった状態に。「秘密」が増える度にそれをひた隠しにしようと、ぎこちないフリでごまかそうとする社員たち。人は誰しも「秘密」の一つや二つ抱えて生きているものだが、この物語の登場人物たちが抱える「秘密」はいずれも衝撃度高め。ここからシリアスな物語にもしていけそうなものだが、そこは細川徹脚本作品。肩肘張らずに笑い飛ばせるコメディ展開が実に心地よい。
松尾貴史、大高洋夫「七つの秘密」
池田純矢、東加奈子「七つの秘密」
東加奈子、池田純矢、シルビア・グラブ「七つの秘密」
幕間なし、トータル2時間弱というく短めのステージだが、その分スピード感は十二分。終演後、「あの人物の本心は…」などと難しいことを考える必要は一切ない、短編小説を一気に読んで「あースッキリ!!」という感覚に近い舞台だった。
一度何も知らずに観劇して存分に笑ったあと、オチがわかっている状態でもう一度観劇したい作品。ぜひ劇場へ。
■日時・会場:
2016年1月15日(金)~24日(日)紀伊國屋ホール
2016年1月29日(金)~31日(日)近鉄アート館
■脚本:細川徹
■演出:G2
■出演:松尾貴史、シルビア・グラブ、池田純矢、東加奈子、坂田聡、宮崎秋人、大高洋夫