【阿部史典&野村卓矢インタビュー】「お互いをヒリヒリさせるだけに特化したような試合になる!」『格闘探偵団Ⅲ~One Life to Live~』4/8新木場大会
-
ポスト -
シェア - 送る
『格闘探偵団Ⅲ~One Life to Live~』は4月8日(火)新木場1stRINGで開催
アストロノーツ・阿部史典&野村卓矢が主宰する『格闘探偵団』が、4月8日(火)東京・新木場1stRINGで3回目となる興行を行う。
阿部にとって念願だった、かつて存在したプロレス団体『格闘探偵団バトラーツ』を新たに創り上げる“復活バトラーツ”の意味合いが強い『格闘探偵団』。2023年にスタートし、同年、昨年と10月に新宿FACEで大会を実施したが、今年は早い時期に一発目の大会『格闘探偵団Ⅲ~One Life to Live~』を開催することとなった。すでに
(聞き手・奈良知之/週刊プロレス)
『格闘探偵団Ⅲ~One Life to Live~』
日時:4月8日(火)19:00試合開始
場所:新木場1stRING(東京都)
■対戦カード
第5試合 阿部史典&野村卓矢 vs 佐藤光留&原学
第4試合 “brother”YASSHI vs 田村男児
第3試合 スーパー・タイガー&タノムサク鳥羽 vs 石川雄規&前口太尊
第2試合 竹田誠志 vs 佐藤孝亮
第1試合 石川修司 vs 永尾颯樹
*すべてバトラーツルール(30分1本勝負)
『格闘探偵団Ⅲ~One Life to Live~』に向け語った野村卓矢(左)と阿部史典(右)
“バトラーツルール”だからこそ
――3回目の『格闘探偵団』ですが、今年は早い時期に新木場で開催。大会数は増えていきそうですか?
野村:新宿FACEで(過去)2回やって、阿部さんとも「新木場とかギュッとしたところでやってみたいね」と話していたので。今年はもう1興行ぐらいかな?
阿部:これが終わったら10月あたりにやって、増やしていければ嬉しいかなと思いますね。
――『格闘探偵団』をやることで海外遠征が増え、直近でもドイツに遠征していましたね。
阿部:ありがたいことに。マニアックな“貯金”が多いかもしれないですね。例えば自分が初めてドイツに行けたのも、澤(宗紀)さんや石川(雄規)さんを向こうのファンがすごく好きで「いまその新世代がいるぞ」と。それで馴染めて、こうなれた。大衆に知られてはいないけど、マニアな人は知っている……インディー的な貯金が多いかもしれないです。
――今回はアストロノーツで組んで、佐藤光留選手と原学選手と対戦するのがメインイベントになりました。
野村:組むのは(『格闘探偵団』では)初めてなので。
――最初はシングルマッチで闘って、次はタッグで対峙。今回は組みます。
野村:これで3パターン目。阿部さんはとくにデビューしてから光留さんにメチャメチャお世話になっているし、僕もお世話になっている。「光留さんと『格闘探偵団』の試合をしてみたいね」とは話していたし、原さんも、僕たちはビッグマウスラウドも大好きだったので。映像で見ていた人たちとやりたいのもありましたね。
阿部:その通りで。城といったらアレですけど、自分たちのところに招いて光留さんと闘ってみたいなと思った。原さんも何回かシングルをしたことがあるけど、改めて自分たちの作った場所で何も気にせず闘ってみたいなと。あとは、野村さんと原さん(の対戦)を見てみたかった。
野村: 俺も1回やっているんだよ。
――2019年2月、大日本プロレスの横浜にぎわい座でタッグで対戦していますね。
野村:楽しみですよ、原さんとやるの。光留さんも、デビュー当初はコンスタントにやらせてもらったけど、最近は全然やっていないので楽しみですね。
阿部:しかも、バトラーツルールになると違うので。普通のルールとデスマッチルールぐらい違うイメージがある。まったく別物なので、そう思うと新鮮で楽しいですよね。
――おさらいすると、バトラーツルールは3カウントがなくKOおよびギブアップで決着。ロープエスケープ、ダウンは何回してもOKで、シングルで両者が場外にいるときは場外カウントは数えないものの、一方の選手がリングにいて一方の選手がリングの外にいるときはダウン状態となり10カウントで入ってこられなかったらKO負け……というものです。光留選手がバトラーツルールで闘うのは新鮮で読めない部分も?
阿部 :はい、自由度の高いルールなので。
――おふたりも『格闘探偵団』で組むとなるといつもとまた変わってきそうですか?
阿部:変わるかな?
野村:変わると思いますよ。バトラーツルールだからね。だいぶ変わるんじゃないかなと思いますよね。
阿部:普段はタッグでも全部“1つ”で動いている感じ。2人いるけど、1つの体で闘っているような感じがあります。2人で何かを取りにいくような、ベタな言い方をすると2人で1つみたいな感じの闘い方なんです。バトラーツルールとなると、もちろん2人で闘うけど、少し変わってくる。20代前半の頃にやっていたような、お互いをヒリヒリさせるだけに特化したような試合になるんじゃないかなと思ったりもします。
――確かに最初の頃はお互い「どっちがより目立つか?」みたいなタッグでしたね。
野村:それに似ているかも。そっちの感じになる気がします。
阿部:2人で1つで闘うよりは、昔の感覚を思い出す感じになりますかね。久々にドキドキはしますけどね。普段は試合が盛り上がったら“2人のもの”。今はそう思えますけど、昔は(パートナーを)出し抜く、という……。
野村:「オマエ、なんでそんなに盛り上げてこっちにタッチしてくるんだよ」って。
阿部:昔はそう。いまは試合全体に対して2人でピークに持っていくイメージなので、そういうのはないですけど。
野村:今は“タッグ”でやっていますけど、昔は個々の部分がだいぶ強かったですね。
阿部:そのときは「自分を出さなきゃ」みたいな気持ちが、すごくあった。今回は自分たちでやる興行だし、(自分たちを)わかって来る人たちのうえで「3人に負けたくないな」と。
――最近のアストロノーツしか見ていない人はビックリするかもしれませんね。
阿部:まあ、確かにアストロノーツっぽくはないのかもしれないですね。別物かもしれないです。もちろん連係もあるかもしれないけど「各々頑張ろうね」という(苦笑)。
――もともとバトラーツは自由に闘っていた印象です。
阿部:でも、たどり着くところは一緒なので。行きたいところは一緒なので、大丈夫かなと思いますけどね。
前回大会試合終了後の様子
永尾は想像以上のトンパチ!?
――ここからは各試合についてお聞きします。第1試合は石川修司選手と永尾颯樹選手のシングルです。
阿部:プロレスを何年もやると要領がよくなるというか。
野村:いい意味でも、悪い意味でも。
阿部:でも永尾という狂ったヤツがデビューして、信じられないぐらい永尾とはたくさん試合したけど、その都度「なんだコイツ!」と思って「は?」と思って、丸まった自分たちがアドバイスを言いそうになるんですよ。でも、そこで思い出す。自分たちも、それこそ光留さんとかにそんな思いをさせて、でも光留さんは何も言わずに“いいと思うんだったらもっと来いよ”と会場を後にしていたなと。先輩たちはこんな気持ちだったんだと(永尾は)そっち側の人たちの気持ちをわからせてくれた人ですね。
野村:俺たちは若い頃、関本(大介)さんにそういうことをやっているから。
阿部:岡林(裕二)さんにもやったし。
野村:でも、何も言われなかった。
阿部:みんなにやってたけど、何も言わないじゃないですか。関本さんが次の日違う団体で試合があるとか、前日にこんな試合をしていたとか、そんなの知らない。若い人間には「今日しかない」から。そんな日に、メチャクチャ行っていた。
野村:殺しに行こうとするようにバコバコ行ったんですけど……。
阿部:でも受け止められて、倒されて。何も言われなかったし、育ててもらった人の気持ちが少しわかりました。だから自分たちも何も言わない。2人になったら言いますよ、「しんどいね」って(苦笑)。
――永尾選手は見る側の想像以上に狂っている?
阿部:バカですね。だから、ちゃんと殺してもらえるような人を(相手に)選びました。
野村:修司さんだったら、ちゃんと殺してくれる。でも、修司さんも一発もらったら「おお……」となると思う。
阿部:あの頃には(佐藤)耕平さん、修司さん、鈴木(秀樹)さんがいたり、子どもと大人みたいな、どうしようもない力の差で散々打ち付けられてきたんです。
野村:それを経験できるからね、永尾選手は。
阿部:気合とフルスイングだけで、体格はどうにもならない。知ってほしいです。「世界はすごいぞ」と。“それ”だけだと次のグレードに行けないというのも気づく。それを体験してほしいなと思います。「当たって砕ける」はずっとやることじゃないですからね。
佐藤孝亮への期待
――第2試合は竹田誠志選手と佐藤孝亮選手の闘いです。
野村:僕は大日本を辞めましたけど、大日本の人には出てほしい。竹田さんと佐藤って見たことないので、やったら面白そうだなって。竹田さんもしっかりと潰してくれるだろうし、佐藤も佐藤であからさまに新人というキャリアじゃないので、噛みつくというより対等に闘ってほしいですね。雰囲気でも折れずに立ち向かっていってほしい。
阿部:どんなにキャリアを重ねても佐藤は「立ち向かう」を出すのが秀でている選手だけど、そのなかで技術がついてきていると思うので、竹田さんとすごい試合をしてほしい。佐藤は大日本だけ(という印象)だと思うので、佐藤自身も露出があった方がいい。どんどんいろんなところに出て、いろんなお客さんに知ってもらって「面白い選手だな」という信頼で上がっていくものもあったりする。そういう機会になってくれたら嬉しいなと思います。
試合後のコメントルームにて石川雄規、阿部、野村
アストロノーツは“鳥羽フリーク”
――第3試合は石川雄規選手が出て「スーパー・タイガー&タノムサク鳥羽vs石川雄規&前口太尊」となりました。
阿部:石川さんは「スーパー・タイガーは俺が生み出した」「スーパー・タイガーを扱わせたら、俺の横に出る者はいない」とよく言うんです。闘いにおいてどういう意味かはあまりわからないですけど、スーパー・タイガーはすごく強い。今も、石川さんはそう言ってくる……じゃあ、今やって石川さんの感覚をスーパー選手が超えてきたとき、石川さんが「お!?」と思って、それを超えられるかもしれない。スーパー・タイガー選手と石川さんの絡みはすごく気になりますね。そこに“俺たちは何も関係ない”と思ってしまう鳥羽さんと前口さんがメチャクチャにする、という。「何も気にしない人たちがカッコつけてるトーイを殴り飛ばす」というのも、見どころですよね。
――前口選手は初参戦ですね。
阿部:プロレス、格闘技にとらわれていないのが好きです。自分の軸は大切にしつつ、いろいろなところにトライしたり、見ていてすごく楽しいです。
――鳥羽選手と前口選手の対戦も見どころがありますね。
阿部:『水曜日のダウンタウン』で歯がない人たちを集めた運動会があって、鳥羽さんが足が絡まっちゃって真っすぐ走れなかったことがあったんです。あるとき、僕がバイクで走っていたら路上で座っている鳥羽さんを見つけて「『格闘探偵団』に出てください」と言ったことがあるんですけど、鳥羽さんは「『水曜日のダウンタウン』見たか? 俺よ、もうダメなんだよ。脳の検査行くからよ。結果次第で考えてくれよ」と言われて、結果を聞いた。脳、正常らしいんですよ(笑)。
野村:カッコいいよな!
阿部:いや、正常なわけないだろ……みたいな(苦笑)。足が絡まっちゃうのに正常なんですって。「じゃあ、出られるわ」と。今回もオファーを出したとき、コンディションもあるし、いまはフルでプロレスをやっているわけではないので「カード教えてくれよ」と。そしたら「これならいけるわ」と。どういう基準なんだと思いましたけど、鳥羽さんは「いけるわ」と。鳥羽さんの感覚がわからないけど、アストロノーツは“鳥羽さんフリーク”ですから。
予測不能なYASSHI vs 男児
――セミも意外というか、意表を突くYASSHI選手と田村男児選手のシングルです。
阿部:コアなカードですよね。
――YASSHI選手はレスリングがバックボーンにありますね。
野村:YASSHIさん、すごいです。『格闘探偵団』をやる前はYASSHIさんのことそんなに興味を持って見ていなかったけど、そういうのを知って、『格闘探偵団』で見て「絶対にYASSHIさんは毎回出てほしい」と。
阿部:新人の頃から試合していたけど「俺ら小さいんやから、小さいヤツは命懸けなきゃあかんねん」みたいなことをサラリと言う。そういうのが心に残っていて「すごい人だな」と。僕は、ただ相手を罵って(自軍に)帰ってくる“口撃”が好きなんですけど、そういうのも含めてYASSHIさんはこういうものに命を捧げた人。芸事の一個の究極の形だと思うので、すごく尊敬してますね。そこに田村選手という、いまの全日本ジュニアのトップ選手ですよね。でも、ほかのジュニアの選手とは違ってレスリングで闘っていくようなところがあるので、ずっと出てほしかった。このカードができるのは嬉しいですね。
――なぜ田村選手にYASSHI選手をぶつけようと?
阿部:面白そうじゃん(笑)。
野村:YASSHIさんにはいつも通り暴れてもらって、そしたら男児も絶対にやってくれるんで。応えようとしてくれるので、スイングするような気しかしないですね。
――単純に面白そうだと。
阿部:そうですね。新木場っぽくていいな、と思っちゃいます。
リング上で大の字に
異なる感性が令和に刺さる
――全体を見ても、面白そうな面々が今回も集まりましたね。
阿部:メンバー、いいですよね。今風じゃなくて(笑)。
野村:失礼ながら、華やかな人がいない! 華がないもんな。
阿部:それはいつも思います。2人でカードを考えているときも、2人の感性が普通の感覚とは少し離れているので。かといって主観ではなく、フラットな第三者目線で見られる目もあると思っています。カードを見たとき「え? 今、2025年だよ?」みたいになりますけど、自分たちの興行だし、ましてや新木場。インディーにおいては新木場だって大一番ですよ。ありがたいことに
――マニアックなところが……。
野村:刺さる人には刺さる。
阿部:インディーっぽいですよね。
――『格闘探偵団』として今後の展望をお願いします。
阿部:今は興行も少ないし、たまにだからこうやって人が来てくれるのもわかります。でも、できるだけこういう形の興行を年に増やせるなら増やしていって、試合なきゃ練習して、生きていきたいですね。2人しかいないけど、そういうものを広めて、どこまで影響あるのかわからないですけど、何か形にして。「ビジョンがあるのか」と言われたり「どうなりたいの?」みたいに言われたときは「わかんねえよ」と思うけど、自分が澤さんや石川さんに感動させてもらったように自分が面白いと思うものをやって、それでお金を稼いで、野村さんといろいろなことをやって「やったね!」と言えるような活動でありたいですね。自分たちのことを広めたいです。
――野村選手は大日本を昨年いっぱいで退団し、今年から『格闘探偵団』。今後に向けては?
野村:楽しむ、というのが僕は一番大きいし、あまり先のことを見据えてはいないですね。石川さんとかも、先のことは見ていなかったと思う。そう考えたら、先のことや未来のことをとやかく言ってくる人もいるけど、僕は今が楽しかったらそれが未来につながるんじゃないかなって思っています。そこまで深く先のことは考えていない。“いま”が大事だと思っています。
野村卓矢、阿部史典