若手美容師たちはなぜスタイリストを目指し、ヘアショーに出演するのかーー『御堂筋ビューティーコレクション』12サロン座談会part.2
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左から松尾美南海(Bonheur)、岩佐里彩(BIRTH by happiness)
TALK4/美容師として楽しんでいる姿を見てほしい
Bonheur西梅田店・アシスタント/松尾美南海さん
BIRTH by happiness・アシスタント/岩佐里彩さん
──この対談もキャリアを重ねたベテランの美容師さん方に始まり、現在アシスタントとして美容師の道を歩き始めているおふたりで最後になります。まずは美容師を目指したキッカケから伺えますか。
松尾:小さい頃は親が熱心に髪のアレンジをしてくれていたんです。それをやってもらうのが好きだったので、中学や高校の時には私が友達の髪のアレンジをしていました。それもあったうえで自分の手でもお客さまを喜ばせたいなと思ったのが美容師を目指したキッカケです。Bonheur西梅田店に入店を決めたのは、今回の『MBC』もそうですけどヘアショーなどへの出演をオーディションで決めるということもあったんです。アシスタントでもチャンスがあるというところに魅力を感じました。
岩佐:私も小さい時から美容業界に憧れを持っていました。ただ、美容師だけではなく美容部員の道と迷っていて。そんな時に仲がいい先輩がhappinessでアシスタントとして働いていたんです。その姿を見て、かっこいい……! と釘付けになってしまって。
BIRTH by happiness・アシスタント/岩佐里彩
──先輩への強い憧れが出発点なんですね。
岩佐:はい。お客さんといい意味でラフな距離感があって、プライベートの話だけでなく髪の知識も交えて話をしてくれる先輩です。私も人に対してそういう存在になれたらいいなと思ったのがキッカケでした。
──岩佐さんが勤務されているのは男性のサロンということで、今回の対談参加者の中では唯一の男性サロン勤務の美容師さんです。
岩佐:そうなんですか? 3年目まで女性向けのサロンで勤務していたんですけど、そのタイミングで男性と女性のフロアが一緒になりました。その時に同じフロアにいた男性サロンの先輩のお客様との距離感に感動したことがひとつのキッカケになりました。また男性サロンではパーマが人気だったんですけど、カラーもできることがもっと広がればメンズのイメージチェンジの幅がもっと広がると思ったので、カラー+αのかっこよさを作りたいと思って男性のサロンに異動しました。
エンドカラーする際に毛流れの位置を確認しながら、ブラックでデザイン(岩佐)
──おふたりとも3年目ということですが、これまでの『MBC』は観に行かれましたか?
松尾・岩佐:はい、行っています。
──ステージを見て強烈に覚えていることなどはありますか?
松尾:去年のプロフェッショナルステージで何十年もキャリアを積まれているスタイリストさんが出られていて、作られていたスタイルに衝撃を受けました。今、同じサロンで勤務しているんですけど、ステージに立つまでの練習の日々をずっと見ていたので当日のすごみをリアルに感じたし、プロだなぁと驚かされました。とにかくかっこよかったです。
昨年のプロフェッショナルステージの様子(Bonheur)
──普段とは違う面を見た感じ?
松尾:そうですね。目つきと真剣度が違ったというか……。サロンでお客さまと向き合っている時はもっとラフな感じがあるので、全く違う面を見せていただきました。
岩佐:わかります。サロンワークの時はリラックスしてスタイルを作っている先輩が、ステージに立つと全然違う感じで。本当にかっこいいと思わされます。
Bonheur西梅田店・アシスタント/松尾美南海
──そんな『MBC』の1部ヘアカラーステージにおふたりとも立たれます。出演の経緯を伺えますか?
松尾:私はオーナーから「出てみないか」と声をかけてもらいました。実は今までもサロン内でも撮影やオーディションに全てチャレンジしてきたんです。そういうこともあって、私が挑戦していることを見ていたオーナーから声がかかりました。
──サロン内でのオーディションに挑戦し続けていたのは……。
松尾:撮影に参加したりヘアショーに出たりしたかったからですね。そういうことに美容師として参加したいという思いは強い方です。
透けるナチュラルブラウンで抜け感を(松尾)
──岩佐さんは?
岩佐:私も会長から声をかけてもらいました。カラーステージなら岩佐かなと言ってもらって。
──おふたりとも普段の積み重ねを認められての出演なんですね。今回のカラーステージはダンサーさんがモデルと聞きました。
松尾:ダンサーさんってすごくアクティブに体を動かすし、曲に合わせた表現が大事だと思うんです。そういう表現にヘアも合わせたいと思っています。曲調や体の表現にヘアを合わせていくというか。動きでスタイルが変わっていくのも面白いなと思います。
岩佐:みんなでステージのイメージを共有した時に、すごく近未来感がありました。そこをカラーで表現しつつ、髪の毛で遊びを表現できたらいいなと思っています。モデルさんの雰囲気もガラリと変えるような形にできたらうれしいですね。
──当日は美容師を目指している学生さんもたくさん観に来られます。おふたりも学生さんに年齢が近いと思いますが、『MBC』のどういうところを見るのが学生さんにとってポイントになると思いますか?
松尾:私も学生の時に『MBC』を観に行ったんですけど、その時はステージに立っている美容師さんを見ているだけでかっこいいとかキラキラしているとか憧ればかりでした。でも自分も美容師になって思うのは、カットやアレンジをしている姿だけを見るんじゃなくて、そこに加わってくるいろいろな演出……例えば映像や照明とのリンクなども見てもらえたら、よりかっこいいと思ってもらえるのかなと思います。
岩佐:かっこいいっていう一面はもちろんですけど、楽しんでいる姿にも注目してもらえたらうれしいです。人をきれいにするって楽しいんだなということを感じてもらえたら。
体験ブースの様子
──ちなみに美容学生だけでなく、一般のお客さんも『MBC』は観覧可能です。一般のお客さんにはどんなところを見てもらいたいですか?
岩佐:難しいですけど……“美容師のチャレンジ精神”ですかね。サロンワークで見せる姿とは違う、チャレンジ精神をステージでは見せられると思うので。あとは美容学生さんと同じですけど、楽しんでいる姿を見てもらえたらなと思います。
松尾:ショーを見てもらいたいというのは大前提ですけど、ステージだけでなく最新のドライヤーやコスメもいろいろ試せるので、ぜひ来てみてください! と言いたいです。そのついでに私のステージも見ていただけたら、最高です!
取材・文=桃井麻依子 撮影=福家信哉